- 最新巻
二千七百の夏と冬 : 下
荻原浩(著)
/双葉文庫
作品情報
紀元前七世紀、東日本――ピナイ(谷の村)に住むウルクは十五歳。野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の噂でもちきりだ。だが同時にそれは「災いを招く」と囁かれていた。そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。
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商品情報
- シリーズ
- 二千七百の夏と冬
- 著者
- 荻原浩
- 出版社
- 双葉社
- 掲載誌・レーベル
- 双葉文庫
- 書籍発売日
- 2017.06.15
- Reader Store発売日
- 2017.10.18
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 3.8 (37件のレビュー)
-
「フジミクニ、ウルクに悪いことした。でも、人は悪くない」
「悪いのはワウ(王)か」
振り返ってカフィの顔を覗き込む。首を縦に振りかけてから、もとに戻していた。
「人は悪くない」
「じゃあ、誰のせいだ」…
「悪霊のせい」誰かに問いかけるような調子でカヒィが言う。「悪霊、誰の心にも取り憑くから」(275p)
下巻に至り、縄文のムラ、ピナイを離れた少年ウルクは、森の主のような人喰い熊(ヒグマ)を倒したあと、おそらく静岡平野に展開している弥生人たちが統べるムラにたどり着く。そこは縄文人が夢想していた夢の植物「コーミー」のお陰で遊んで暮らせる所ではなく、「ワウ」の一族の下、縄文人よりもはるかに生産力が高いのに、始終労働をしなくては暮らせない所だった。それに、奴隷、庶民、武士、王族と階層性がハッキリしていた。
森に棲むサルミミの話では、前の前の王の時、縄文のムラにやってきて、米栽培を伝授して去り、米ができた頃にやってきて住民を殺して支配したらしい。縄文人に「戦争」をする「教え」はなかった。よって簡単に支配できたのである(←これはアイヌを参考にしているだろう)。
ミミナガの孫娘たるカフィの言う「悪霊」は、弥生人が信奉する「教え」のことだろう。確かに、そう言う強引なやり方で稲作文化は急速に西日本から東日本に広がっていった処もあったろう。しかし、東日本に限っていえば、最近の研究では稲作文化からまた縄文文化に逆戻りしているのである。ホントはそう言うところまで描けば面白かったかもしれないが、無い物ねだりかもしれない。
全体的には面白かった。新聞記者の香椰と考古学者の松野が登場する現代パートも、単に本編の註釈の意味合いだけでなく、現代につながる「混血の意味」や「権力の意味」「争い絶えない世界の意味」を我々読者に一考を与える意図もあったのである。さすが、直木賞作家だ。本書のみでこの時代の小説化を打ち切りにしているのがもったいない。
ただ、小説のあらすじとしては、想定の内側に収まった。こういう単純な物語を作るのに上下巻のボリュームが要るというのは、正直やはりショック。もちろん、説明を省略すれば読者がついてこない、と作者が思ったからだろう。それもわかる。うーむ悩ましい。巻末に小説としては異様に多い参考文献がならんでいる。
ただ、この弥生人のムラはちょっと時代を700年ほど早め過ぎている。ここまでの階層性は、西日本でも稀だし、ましてや東日本にあったのだろうか?続きを読む投稿日:2022.10.16
ロマンがある感じで、けっこうよかった。縄文時代と現代が交互に進むパターンの本。現代で、縄文・弥生文化の補足をしてくれるので、わかりやすい。子供の頃に読んだ、まんが日本の歴史の第1巻を思い出す…あれはず…いぶんほのぼのしていた。続きを読む
投稿日:2023.10.29
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