なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる
ロバート・キーガン(著)
,リサ・ラスコウ・レイヒー(著)
,中土井僚(監訳)
,池村千秋(訳)
/英治出版
作品情報
自己・組織変革のバイブル『なぜ人と組織は変われないのか』著者最新刊!
ほとんどのビジネスパーソンが取り組む、お金にならない「もう一つの仕事」とは――。
あなたは仕事のなかでこんな経験をしたことがありませんか?
・「自分をよく見せよう」「評価を下げたくない」と思うあまり、失敗や弱点を隠してしまう。
・組織の問題を感じても、上下関係や肩書が気になって指摘できず、本質的な問題解決ができない。
30年以上にわたって「大人の発達と成長」を研究してきた著者は、このように弱さを隠してしまう「もう一つの仕事」が現代の組織に蔓延しており、それに膨大なエネルギーが費やされていると述べています。
それでは、このエネルギーをまったく逆の方向に転換させたらどうなるでしょうか?
・誰もが自分を取り繕う必要がなく、「本来の自分」で職場に来ることができる。
・全員が全員の「弱点」「限界」を知っており、それを克服するための支援を惜しまない。
・経営者から現場のアルバイトまで、率直なフィードバックを言い合える文化がある。
・自分にとって本当に大切な課題に打ち込むことができ、それが会社としてのビジネスの課題に沿っている。
「こんな組織をつくるのはきわめて難しい」と感じるかもしれません。
しかし、世界的に成功している実在の企業がこのような組織文化を築いているのです。本書では、以下の3社が先進事例として取り上げられ、どれも業種や規模にかかわらず、上記のような組織文化を維持しつつ、大きな成功を収めています。
ブリッジウォーター:世界最大のヘッジファンド。長年驚異的な投資成績をあげ、リーマンショックを予期して危機を回避したことで話題になった。
デキュリオン:ハリウッドでトップクラスの人気を誇る映画館アークライト・シネマズグループを経営するほか、大手不動産開発などを手掛ける。
ネクスト・ジャンプ:Fortune1000企業の70%が利用する、従業員向けの割引特典つきECサイトを運営。また、自社の組織文化の構築ノウハウを伝える人材育成プログラムも行っている。
変化と複雑性が増す現代のビジネス環境だからこそ、組織のあり方が問われる
誰もが本来の自分になることができ、弱点を認め合えるというのは、単に「人に優しい組織」であることを意味しません。むしろ、弱点の克服を目指しているからこそ、忌憚のない、ときには厳しいフィードバックがなされることがあります。「痛み」を伴ってでも成長するという強い欲求が必要なのです。
そのようにして人々が成長するからこそ、組織として強くなり、結果としてビジネスの成功を収められる、と著者は主張します。
現代のビジネス環境は、不安定さ(Volatility)、不確実さ(Uncertainty)、複雑さ(Complexity)、曖昧さ(Ambiguity)が強まる「VUCAの時代」と言われています。そこで生じる問題は、これまでのやり方を改良することで解決できる「技術的な課題」ではなく、これまでのやり方を超越した方法で問題解決する「適応を要する課題」であることがほとんどです。
つまり、「うまくいっていた自分/やり方」を捨て、限界を克服してバージョンアップする組織こそが、現代のビジネス環境を勝ち抜いていけると著者は説きます。本書では、そのような「人と組織のバージョンアップ」を可能にする組織を「発達指向型組織(DDO= Deliberately Developmental Organization)」と定義し、DDOになるためにはどうすればいいのかの道筋が示されます。
「本来の自分」を取り戻し、成長の実感を得ながら生き生きと働ける職場で働きたい、またはそんな組織やチームをつくりたいビジネスパーソンへのヒントが詰まった一冊です。
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商品情報
- 著者
- ロバート・キーガン, リサ・ラスコウ・レイヒー, 中土井僚, 池村千秋
- 出版社
- 英治出版
- 書籍発売日
- 2017.08.07
- Reader Store発売日
- 2017.08.09
- ファイルサイズ
- 15.4MB
- ページ数
- 400ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (23件のレビュー)
-
キーガンの新作。
「なぜ人と組織は変われないのか」でも、組織を取り扱っていたのだが、どちらかというと組織というより個人個人への取り組みの積み上げという印象があった。内容的には、前作の延長にあるのだが…、こちらは、「組織」がより明確にフォーカスされている感じ。
組織開発関係の本はそれなりにいろいろ読んでいるつもりではあるのだが、この本からは、久しぶりに、純粋な刺激を受けた感じがする。
つまり、自分の知っていること、考えていること、問題意識を持っていることと、かなり近いところにあるのだが、答えの方向が自分の予想と微妙違っていて、「なるほど」と思ったり、「どうしてそうなるんだろう?」「本当だろうか?」と色々な考えが頭を巡った。
最近の私の問題意識として、性善説というか、人間の全体性とか、肯定的意図とか、ポジティブなものをベースにしたアプローチは、元気が出るし、基本好きなのだが、それだけでは、どうも上手くいかないこともたくさんあって、そこをどう考えればいいのか、というものがある。
多分、この本のベースもこの問題意識の上に立っていると思う。
そして、仕事に、単なる職務上の役割ではなくて、一人の人間として自己一致して取り組むことができる。そして、組織の発展だけでなく、一人ひとりの人間の成長にフォーカスされた組織を作りたい、という思いはとても共感できる。
そのためには、自分の弱みもちゃんと出せる組織がいいんだ、というところまでは、多分、全面的に賛成。また、リーダーシップとしても、じぶんの弱みを見せることができる、ということは大切だと思う。
が、多分、私は、その弱みはチームでカバーしあう、という方向での解決を求めているのだと思う。欠点もある人間が協力しあって、弱みをキャンセルして、チームとしての強みを活かしていく(これはドラッカーの思想の中核でもある)、ということだと思っている。
一方、この本に出てくる組織では、互いの弱みを発見しあって、弱みの改善に向けて、頑張り続けることを組織的に推進する感じ。
これは、かなり痛い、よね〜。
自分の欠点、至らないところ、ようするに真実から逃げずに、しっかりと見つめ、謙虚にそのための改善努力をする。そうしたお互いの成長を共にサポートしあう組織。
個人的には、正直なところ、そういう組織にいたいという感じはあまりしないかな?ちょっと、怖い気がする。
「学習する組織」の5つのディシプリンもややストイックで、似たニュアンスを感じる部分はあるのだが、全体としては、元気になれる、頑張ろう!という気持ちになれるんだけどね。
というわけで、自分なりに消化するのに、しばし時間がかかりそう。
でも、通常の組織開発本とは何か違うものを提案している必読書だと思う。続きを読む投稿日:2017.08.16
発達指向型組織(=DDO)について書かれた本。
今、よく聞かれる心理的安全性に近い内容についても含まれている。
組織の成果を上げることよりも組織の人たちがいかに成長していくかに重きを置いたものであ…る。
(組織の人たちの成長によって結果的に成果が出る)
その個々の人たちの成長をするための要素の一つに自分に対しに真摯に弱さをさらけ出せるかということが本のタイトルにもなっている。
本書でも書かれていたが、今の時代仕事に求めているのはお金だけではない。
その仕事を通してどれだけ成長できるか、どれだけやりがいがあるのかということにとてもウエイトが高くなっている。
今のように数年後の世界の流れが読めない状況では誰でもできる取るに足らない仕事はどんどん淘汰されていくだろう。
その中で常に自己研鑽を積む風土の会社、そこで働く人たちでしか生き残っていくのが難しいのではないか。
つまらない揚げ足取りをしている職場をどうにか変えていきたいと強く思った。続きを読む投稿日:2024.02.23
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