宇宙創成(上)
サイモン・シン(著)
,青木薫(訳)
/新潮文庫
作品情報
宇宙はいつ、どのように始まったのか? 人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた――。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。『ビッグバン宇宙論』改題。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 宇宙創成
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 宇宙学・天文学
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2009.02.01
- Reader Store発売日
- 2016.12.28
- ファイルサイズ
- 20.7MB
- シリーズ情報
- 既刊2巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.4 (114件のレビュー)
-
宇宙は膨張するのか?
「光あれ」と神が言ったかどうかは知らないが、150億年ほど前にビッグバンと呼ばれる宇宙=空間の大膨張が起こったことは証拠が出そろって来ており、カトリック教会も実は喜んでいるのかもしれないが公式には自然…界を説明する仕事は科学に任せている。1992年ようやくヴァチカンはガリレオを罰したことは間違いだったと認めた。
天地創造は古代から各地で様々な物語によって語られて来た。やがて観測と理論が様々な事実を明らかにして来ている。大きなターニグポイントと言うか天文学上のヒーローは二人が有名だが、実際には数多くの人たちがビッグバンの証拠探しに貢献している。中にはビッグバン仮説を攻撃しながら計らずも証拠固めに手を貸してしまったものもいる。
地球の大きさを初めてはかることが出来たのは紀元前276年生まれのエラストテネス。北回帰線上の街シエネで夏至の日に井戸の底を太陽が照らすことから、アレクサンドリアの同じ日の影の長さと2点間の距離から地球の外形を計算した。地球の大きさが分かれば月食の時間から月の直径は地球の凡そ1/4であることが分かり、簡単な三角測量(月をちょうど隠す大きさのものを目からどれだけ離すか)で月までの距離がわかる。そして半月の時の太陽と月の角度から太陽までの距離が分かる。古代ギリシャでは地球が太陽を回るモデルが既に出来ていた。
しかし、地球が動くと言う説はあらゆるものは宇宙の中心、すなわち地球の中心に向かうという重力モデルでは説明がつかない。地動説の復活は1543年春、コペルニクスが刊行した「天球の回転について」がきっかけになるのだが、コペルニクスは脳出血で倒れこの本の完成はようやく一目見ただけであった。そして、原稿には無く、出版時に後から書き足された序文にこの本は地動説を覆すものではなく、計算に便利だとされたため不動の大地の足下は揺るがないままであった。1609年ケプラーは惑星が楕円軌道だと発見しガリレオが作った望遠鏡の話を聞くことになる。
天文学上の最初のヒーローはガリレオ・ガリレイ。理論、観察、実験と発明の全てが高いレベルにあるまさに科学者の父だ。望遠鏡の発明はガリレオではなく、彼の功績は望遠鏡の精度を天体観測レベルに引き上げ、そして木星の衛星の観測からコペルニクス・ケプラーモデルが正しいことを証明したことだ。地球の動きを感知できないことについても相対性で説明がつく(この場合は電車の中でのキャッチボールのような)ことを理解していたが1633年の裁判で天文対話は禁書とされ37年には視力を失い、42年に亡くなった。カトリック教会は敬虔な信者だったガリレオを教徒として葬ることを拒み、それがようやく撤回されたのが冒頭に書いた1992年だった。このとき同時にようやく地動説も認めている。1642年生まれのアイザック・ニュートンがケプラーやガリレオの法則をまとめ、万有引力によって楕円軌道の惑星の運動を説明できるとまとめたのが1687年、しかしこの本ではなぜかニュートンは脇役としても登場していない。コペルニクス的転回というと一気にひっくり返ったイメージだが実際にはカトリック教会の影響力に反比例して科学者は地動説を取り入れていったようである。
次なるヒーローはアインシュタイン、ガリレオの相対性原理を思考実験で使ったアインシュタインは当時信じられていた光はエーテル中を進むと言う常識を疑うことになる。当時16才だった。やがて得られたアイデアは光は観測者に対して同じ速度で進むと言うもので、これが発展して特殊相対性理論が生まれる。そしてこの理論から生まれる結論は時間や空間が一定ではないと言うことだ。重力により時間や空間(アインシュタインによると時空としてひとくくりで扱われるもの)がゆがむ。ニュートンとアインシュタインのどちらの理論が正しいかを示したのは皆既日食の際の星の観測結果だった。太陽ぐらいの質量の星があれば重力により空間がゆがみ光は曲がって進むと言うのがアインシュタインの予測で1919年の観測で実証された。
アインシュタインの重力理論にも困ったことが起こる。と言うのは宇宙は星などの質量により縮まなくてはおかしいのだ。困ったアインシュタインは収縮する宇宙を嫌い重力方程式に宇宙定数と言う項を滑り込ませる。この項は斥力として働き宇宙が縮むのを防ぎ、値を調整すれば宇宙は伸び縮みせず永遠でいられる。後にアインシュタインは後悔することになるのだが、スーパースターにも失敗はある。ちなみにニュートンモデルでも宇宙は縮んでいく。アインシュタインモデルを元に修正したのはロシアのフリードマンで宇宙が膨張すれば宇宙定数を無くせると考えたがアインシュタインはこの考えを否定する。続きを読む投稿日:2017.04.14
-
今まで読んだ理科の本には書かれていない、ビックバンや星が何でできているのか、など歴史とともにその理由が書かれていて、、わかりやすく理解&納得できました。
行ったこともない星の成分がわかるのはなぜ?
…宇宙の始まり
膨張し続ける
など
面白い続きを読む投稿日:2024.03.24
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。