中央銀行が終わる日―ビットコインと通貨の未来―
岩村充(著)
/新潮選書
この作品のレビュー
平均 4.2 (14件のレビュー)
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おもしろかった。
図書館で借りたんだけど、人気の本で、数十人待ちだったし、今こうして読んでる間にも、どんどん、待ってる人の数は増えてる。
p20
あまりにも危険でありやめなければならないのは、政府の…貨幣発行権ではなく、その排他的な権利であり、人々にその貨幣を使わせ、特定の価格で受領させる政府の権力である。
『通貨の選択』ハイエク
責任ある金融政策をとる国の通貨は、次第に信頼できない通貨にとって代わるようになるだろう、というのがおそろらく結論である。金融的高潔さの評判があらゆる貨幣発行者が用心深く守ろうとする資産となるであろう。
『通貨の選択』ハイエク
ハイエクの貨幣についての考えは、このふたつのフレーズに尽きている。
p21
ハイエクが異議を唱えているのは、政府あるいは中央銀行による貨幣の発行そのものではなく、その「選択」に関する政府の介入であり、具体的には、自国の造幣局や中央銀行が発行する貨幣しか使用させないという法的手段による強制だということ。
ハイエクは世界的インフレに対する処方箋として、貨幣に関する選択を人々に委ねることを提案した。
p23
国際通貨制度が、1971年のニクソンショックから、固定相場制から変動相場制に変わり、通貨価値の維持競争が始まった。
これこそが、ハイエクの主張が形を変えて実現したものといえる。
通貨間競争が世界のインフレを見事なまでに収束させた。
p23
通貨を人々の選択に委ねれば、インフレは解決するとしたハイエクの主張が実現した。
p34
1998年、クルーグマンは、バブル経済崩壊後の日本の状況を整理して、これは大恐慌から遠ざかるにつれて、経済学者たちから忘れさられてきた「流動性の罠」が再び現れてきたのだと診断した。
アメリカでは、IS曲線もLM曲線も死語に近くなっていた。
p37
アベノミクスにおいて、浜田宏一は、物価は貨幣的現象であり日銀は貨幣量を増やしさえすれば良いのだという分かりやすい提言を行ったが、彼は、ケインジアン全盛時代には、不況期における金融政策の一般的限界を説いていた。
p56
ビットコインは先端的な数学理論の所産ではなく、よく知られた常識的な理論と技術を組み合わせて、誰もが気づかなかった使い方をしたもの。
p103
なぜ紙切れが貨幣になるのかを満足に説明できないままで金融政策を論じ続けている現代の中央銀行たちは、なぜ卑金属が貴金属になるか(実際にはならなかった)の正しい理論を持てないまま研究を続けた錬金術と似ている。
p112
ビットコインが成功すると、多くの追随者または模倣者があらわれた。
これらはアルトコインと呼ばれる。アルトコインはモノマネではあるけれど、無価値ではない。
そもそも貨幣の歴史そのものがモノマネの歴史なのだ。
p284
通貨の選択をひとりひとりに委ねることは、私達の選択をエリートたちの誤りや功名心から遠ざる賢い知恵になる、それこそがハイエクが提唱していた通貨発行競争の世界ではないか。
p286
金融政策というのは、現在の豊かさと将来の豊かさを国民経済全体として交換する政策でしかありません。
成長の時代にあった将来の豊かさへの予感が消えてしまったら、金融政策にはその役割を果たすことはできない。
そして世界的に広がる格差の問題がある。
格差拡大そのものは金融政策の責任ではないが、金融政策を「良きもの」とする合意を崩すことにはなる。
たしかに企業業績は良くなったらしい、だが、賃金は上がらない、残るのは物価の上昇による老後の貯えの現象への恐怖だけだとしたら、人々の怒りが中央銀行に向くことになる。
p289
ハイエクの描く通貨競争の世界は、民間の銀行が、各々の通貨単位を自ら決め、銀行券を競って発行する世界。
その競争を動機づけるものは、各発券銀行の企業利益追求です。そうすれば、通貨価値は自然に高まるとハイエクは考えた。
貨幣発行を競争に委ねれば、貨幣価値を高めるというインセンティブが、貨幣発行者にはたらくことは、変動相場制移行後の各国が繰り広げた通貨価値維持競争がもたらした世界的な物価の安定からもうかがい知ることができる。
p300
『中央銀行が終わる日』というショッキングな題名は、この本を売るために新潮社の考えた題名に過ぎない。
著者の書きたかった内容は『中央銀行としての中央銀行は終わるが、それでも残る中央銀行の役割』である。続きを読む投稿日:2016.09.12
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