さがしもの
角田光代(著)
/新潮文庫
作品情報
「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」。初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など九つの本の物語。無限に広がる書物の宇宙で偶然出会ったことばの魔法はあなたの人生も動かし始める。『この本が、世界に存在することに』改題。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (510件のレビュー)
-
2023.8.21 読了 ☆9.6/10.0
本がもっと愛おしく、大切に、大好きになれた、そんな一冊。
"本との関係というのは、どこまでも個人的な行為である。スポーツをする、ゲームをする、レストラ…ンで美味しいものを食べる。温泉に入る。そういうことと本を読むということは、あまり変わらないことのように思える。スポーツしなくても、ゲームしなくても、美味しいものを食べなくても、温泉に入らなくても、なんら問題なく人は生きていけるが、けれどそこに何かべつのことを求めて、それらのことを人はする。その中に、本を読むという行為も含まれている。そうして、本を読むのは、そのような行為の中でもっとも特殊に個人的だとわたしは思っている。そう、だれかと一対一で交際するほどに"
あとがきエッセイの角田さんの言葉
"恋人は一人であることが望ましいけれど、本の場合は、三人、四人、いや十人と、相性の合う「すごく好き」な相手を見つけても、なんの問題もない。そんな相手は増えれば増えるほど、こちらはより幸福になる"
〜〜〜〜〜印象に残った言葉〜〜〜〜〜
"「人間は、本を読むために生まれてきた動物である」
何を大袈裟なと思われるかもしれないが、そんなことはない。
人間は、乳幼児の段階で、母親が膝に抱いて本を持つと、ページを指でめくろうとするらしい。いま見ているページの先に何かあるのかを、知りたくなって手が本に伸びていく。それは人間の本能なのだ" p.230
"変わっているのは本ではなくて、わたし自身なんだと。家を離れ、恋や愛を知り、その後に続く顛末も知り、友達を失ったり、また新たに得たり、うまくいかない物事と折り合いをつける術も身につけ、けれどもどうしても克服できないものがあると日々実感し、そんなふうにわたしの中身が少しずつ増えたり減ったり形を変えたりするたびに、向き合うこの本はガラリと意味を変えるのである" p.23
"私、子供の頃におばあちゃんに聞いたことがあるの。本のどこがそんなに面白いの、って。そしたら何を聞いているんなって顔で私を見て、『だってあんた、開くだけでどこへでも連れて行ってくれるものなんか、本しかないだろう』って言うんです。祖母にとって、本は世界への扉だったのかもしれないですね" p.164
"死ぬのなんか怖くない。死ぬことを想像するのが怖いんだ。いつだってそうさ。出来事より、考えの方が何倍も怖いんだ" p.183
"出来事は、起こってしまえばそれはただの出来事なのだ" p.185続きを読む投稿日:2023.08.21
著者も言っているように、「ひどく偏った短編ばかり」だったけれど、読み終わって2ヶ月以上経った今も1つ1つの物語の情景が自分の中に色濃く残っている。
読み終えた直後だったらもしかして、☆4よりの☆3だっ…たかもだけど、なぜか不思議とまた読みたくなった。
また、登場するフレーズが自分を支えてくれる一つとして心に残っていたりもする。それだけでこの本を読んでよかったなと思える。
なので、☆4にしてみた。
特に本書のタイトルにもなっている「さがしもの」が自分は好きだった。続きを読む投稿日:2024.03.11
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。