春の城
阿川弘之(著)
/新潮文庫
作品情報
学徒出陣、基地での激務と空襲、マリアナ沖大海戦、父や恩師、そして恋人を奪った広島の原爆の惨状……。第二次大戦に遭遇した一人の青年の友情と恋愛、師弟愛と肉親愛とを、入念な筆で情趣ゆたかに描いた著者の処女長篇。激動の時代と生きながらなお、溌剌たる若い生命の感受性、健康で素直な生活感情と故国への愛、掛替えなき青春という時の、一つの姿を浮彫りにする。読売文学賞受賞。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.5 (14件のレビュー)
-
「阿川弘之」を代表する作品のひとつで戦争文学の傑作『春の城』を読みました。
『蛙の子は蛙の子 ― 父と娘の往復書簡』、『人やさき犬やさき―続・葭の髄から』に続き「阿川弘之」作品です。
-----s…tory-------------
学徒出陣、基地での激務と空襲、マリアナ沖海戦、父や恩師、そして恋人を奪った広島の原爆の惨状…‥。
第二次大戦に遭遇した一人の青年の友情と恋愛、師弟愛と肉親愛とを、入念な筆で情趣ゆたかに描いた著者の処女長篇。
激動の時代を生きながらなお、溌剌たる若い生命の感受性、健康で素直な生活感情と故国への愛、掛替えなき青春という時の、一つの姿を浮き彫りにする。
読売文学賞受賞。
-----------------------
「阿川弘之」の処女長篇で1952年(昭和27年)に第4回読売文学賞を受賞した作品、、、
著者自身が、1942年(昭和17年)9月海軍予備学生として海軍に入隊し、中国語ができたため、特務班の中でも対中国の諜報作業担当を経て、中国で終戦を迎えた経験をしているだけに、その青春時代を投影した自伝的小説でもあるようですね。
年末年始に読んだ『雲の墓標』と同様に、主人公の青年「小畑耕二」の大学生活~海軍入隊~従軍~終戦~引揚げについては、淡々とした筆致で描かれていますが、それが逆にリアル感を醸し出していて、作品の中に引き込まれて行く感じがしました。
「耕二」の出身地広島(実家は白島の設定のようですね)を舞台にした場面も多く、懐かしい地名や建物、言葉(広島弁)が出てくるので、親近感を強く感じて、感情移入しながら読めましたね。
本作品は「耕二」を中心に描かれているものの、、、
彼の両親、近所に住んでいて幼い頃からの付き合いがある4歳年上の医学生(後に軍医として従軍)「伊吹幸雄」、その妹で「耕二」に思いを寄せる「智恵子」、学生時代からの友人等々… 複数の人物の立場から第二次大戦への関わりが描かれており、直接、戦闘の最前線や内地での都市爆撃や原爆を経験していない「耕二」よりも、彼等や彼女等の置かれた状況の方が凄惨に描かれていました。
友人「久木」が戦死するマリアナ沖海戦の惨状にも心を痛めましたが、、、
もっと心に響いたのは、第三章の後半40ページを割いて描かれている広島の原爆の惨状… 広島出身者として複雑な思いがあり、読み飛ばしたいけど、目を背けられない感じで、半分自虐的な気持ちになりながら読み進めました。
絶対に忘れちゃいけない歴史ですからね… 逃げずに向き合いながら読みましたよ。
そして、『雲の墓標』の読了後と同様に、静かにじんわりと、そして少しずつだけど確実に感動が込み上げてくる作品でした。
青春文学、戦争文学として、素晴らしい作品なんだと思いますが、気持ちが入り過ぎちゃって、ちょっと気持ちがしんどくなりましたね。
そうそう、題名の『春の城』って鯉城(広島城)のことなんですねぇ、、、
「耕二」は、どんな思いで城跡を見たんだろうか… 色んな思いが頭を過ぎります。続きを読む投稿日:2022.06.23
阿川弘之、デビュー作。
「雲の墓標」の衝撃と感動に、こちらへとさかのぼって読んだ。
3月から読み始めて、今!
・・・途中、何度も中断したのに、よく投げなかったものよ・・・
それもこれも、筆力、テーマの…力。
学徒動員され、内地での暗号解読業を経て、中国へ・・・
そして終戦。
故郷広島の悲劇。
阿川氏は主人公と同じく、広島で聞き書きを重ねたのだろう。
当事者故にわかることも多々ある。
ちょうど広島サミットにあわせ、読み終わった形。
今すぐの結果はでないだろうが・・・
ただの「貸座敷」で終わらないサミットであってほしい、と
読後、説に願う。
ただし、小説は、解説の猪木直樹氏がいうように、
青春小説。原爆小説ではない。続きを読む投稿日:2023.05.24
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。