功利主義入門 ──はじめての倫理学
児玉聡(著)
/ちくま新書
作品情報
倫理学とは「倫理について批判的に考える」学問である。すなわち、よりよく生きるために、社会の常識やルールをきちんと考えなおすための技術である。本書では、「功利主義」という理論についてよく考えることで、倫理学を学ぶことの意義と、その使い方を示す。「ルールはどこまで尊重すべきか」や「公共性と自由のあり方」という問いから「幸福とは何か」「理性と感情の関係」まで、自分で考える人の書。
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商品情報
- シリーズ
- 功利主義入門 ──はじめての倫理学
- 著者
- 児玉聡
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2012.07.10
- Reader Store発売日
- 2016.07.22
- ファイルサイズ
- 1.5MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (40件のレビュー)
-
倫理とは何か、について、功利主義という主義に入門してざっと全体を眺めてみようじゃないか、という本。
最近、自動運転で流行りのトロリー問題から始まり、豊富な例題と読みやすい文体で一気に読んでしまった。…
功利主義とは、簡単に言ってしまえば快楽の総和を最大化することが目的であり、純粋に言えばトロリー問題で言えば迷わず5人の命を救うのだろうけど、実際に功利主義の原理主義みたいな、最大幸福の実現のために少数を犠牲にするような考え方は古く、その起りもむしろ少数のないがしろにされている人間も平等に扱うべきだというところがあることが理解できた。また、それに対する批判もあった上で、どう変遷していったかがわかりやすい。
特に興味深かったのが公衆衛生の章。この本はコロナ以前に書かれた本だが、政治と功利主義の関係性について現実と照らし合わせるとよく理解できた。コロナに罹患した状態、というのをどう定義するかによるけれども「他人に危害を与える状態」という立場をとれば確実に公衆衛生上隔離や強制的な治療といった措置は免れないし、ただしその場合でも功利主義の最大幸福のために公権力からの個人への介入をどれだけ許容するのか、という議論になる。ほぼ最大限に介入しているのが中国で、自由主義を極端にいっているのがアメリカ、ととらえられるかなと。日本は、というと、その中間というか、自粛という言葉も何もかも「ナッジ」という考えで実行されているとするとある程度は納得できるかなと。公衆衛生は守りたいのでコロナがうつりやすい状況は変えたい(緊急事態宣言や自粛)が、個人の自由は最大限に尊重したいのでその環境は整える(GoTo)みたいな。まあ、ただそのやり方がどこから見ても非常にまずいという気はするけれど、極端な立場から批判できるものでもないかなという気はする。
参考文献も面白そうだったので、倫理学というか功利主義についてもうちょい理解を深めてみたい。続きを読む投稿日:2021.02.03
このレビューはネタバレを含みます
大学推薦の入門書には珍しく、本当に最後まで読者を振り落とさない配慮を感じた。功利主義者を批判する人は、今では誰もその立場をとっていないような古い流派の功利主義を批判して「藁人形論法」に陥りがちである、…という文があり、最近よく聞く「ストローマン論法」の意味を初めて調べた。言い尽くされているが、Twitterは批判→応答→批判→応答…の軌跡が見えにくいので、最初に思いついた批判をお互いがぶつけて終わりやすいと改めて思った。巻末に倫理学に入門するための推薦図書リストがあり、早速1冊手配した。全部読みたい。続きを読む
レビューの続きを読む投稿日:2024.01.19
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