終活なんておやめなさい
ひろさちや(著)
/青春新書プレイブックス
作品情報
団塊の世代が70歳まであと3年、「終活」が定着しつつある。お墓、葬式、遺言、相続などの法律や費用面をガイドした情報はすでにあるが、欠けているのは思想面、考え方の面である。巷にある「周囲に迷惑をかけないため」をメインとした終活指南のアンチテーゼとして、仏教思想家が、知的ベースを押さえながら、自由な終活を提案する。
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商品情報
- シリーズ
- 終活なんておやめなさい
- 著者
- ひろさちや
- 出版社
- 青春出版社
- 掲載誌・レーベル
- 青春新書プレイブックス
- 書籍発売日
- 2014.05.20
- Reader Store発売日
- 2016.06.10
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (12件のレビュー)
-
宗教関連の本については、この本の著者の「ひろさちや氏」の本は何冊か読んでいて、記憶に残っています。
宗教学や「お経」の勉強をしたことの無い私には、彼の考え方の是非を論ずることはできません。しかし、彼…が解説している「お経」の内容や、本来仏教とはどのようなものであり、どのように変わってきたかの説明はとても興味あり、そのエキスは私の中に残っています。
この本は、自分が死亡した後にどうするかという、いわゆる「終活」について、生きている間に時間やお金を費やすのは不要だと論じています。私の家も含めて、代々のお墓があるので、それらを継ぐのは当たり前のように思ってきましたが、ひろ氏が、そのような習慣になった経緯も説明してくれたのは、私にとっては「目から鱗」でした。
当たり前と思っていた、葬式にまつわること(戒名、墓石、33回忌までの法要)は、あとで作られたビジネスの一貫なのですね。とくに、法要については、儒教や神道の影響も受けていること(p87)を知りました。
この本を読んで、死んだ後のことを色々考えるよりも、生きている間に、自分だからこそできた経験や体験を、子供や後輩にうまく伝えることが出来ればイイなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・現在のように相続順位が同じ者は、均等に遺産を相続する「均分相続」が定められたのは、1948年の民法改正によってである(p23)
・終活とは、俺はここまで家族のことをかんがえていたのだ、ということを訴えたいがためのアリバイ工作にすぎない(p31)
・お釈迦様は弟子たちに対して、葬式などにかかわるな、といわれた。南都六宗といわれる奈良のお寺では、葬式は執り行っていない(p41、42)
・葬式が仏教行事であれば、死体のお清めから、死に装束の着付け、葬式に関するいっさいの取り仕切りまで、すべてやるのが筋(p43)
・葬式をやるにしても親族だけでやるべき、それが葬式の本筋。それ以外の人が別れを惜しみたかったら告別式をおこなうべき(p43)
・もともとは食料香典といって、不幸があった家に親しい人たちが食料をもっていくもの(p45)
・戒名は、仏門に入ったことを証すもの、つまり、出家したことの証。死者は在家のままで、ほとけさまに浄土に連れて行っていただいているのに、どうして出家する必要が有るのか。拝むのは位牌ではなく、ほとけさまのはず(p58)
・埋めたら二度と出てこないように、墓の上に重い石を置いたのが、墓石の起源(p60)
・庶民の死体は洞窟やキリスト教の地下に無造作に埋葬された、これがいまもイタリア、フランスなどに残っている「カタコンベ」と呼ばれる地下の墓所(p64)
・故人は墓の下にいない、私達の心の中にいる、さらに言えば浄土にいると仏教は教えている(p68)
・骨を捨てることを禁じている法律はない、しかし埋めても流してもいけないのが埋葬法(p71)
・死者は赴いた死後の世界で、7日ごとに裁きを受けて49日目でその行き先が決まる。生まれ変わり先は、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天、という6つの世界。生前の行い、生き方によって、その世界に生まれ変わるかが決まる。よい行いをしてきた人は、人間・天界、悪い人は、地獄・餓鬼界となる(p75)
・死ぬと人は肉体を失った霊魂的死者になる、この魂的死者は荒れていて「荒御霊(あらみたま)」と呼ばれている、もっとも荒れている状態は「精霊」と呼ばれる。少し落ち着いて「荒御霊」になる。日本では、この両者を「ホトケ」と呼んだ(p85)
・年忌法要は日本だけ。もっといえば仏教からは離れた儀礼。儒教には、父親や母親が死んだときは、服喪期間が3年(実質25ヶ月)で、喪主は3年間、喪に服す(p86、87)
・忌とは、49日(あるいは100日)までの期間で、この間は死の穢れをまとっているため、他人との接触が禁じられている。その後は喪の期間となり、身を慎んで生活することが求められる。平安時代になって、長めとなり、7・13回忌となり、神道で、33・50回忌も必要とした(p87)
・二人の親がいると仮定して、25代遡ると1億人を超える。この前提は、夫婦二人の間にひとりの子供が生まれて永遠と続いた場合(p88)
・正月に使う箸は、両端が細くなっている。一方の端はカミが使い、もう一方を人間が使うから。大皿から取り分けるときに箸を反対に返すのは、とんでもない作法違い(p94)
・午前0時(子の刻)から始まるのが、天の一日、夕方から始まるのが、地の一日、神社の神事が真夜中に行われるのは、地の一日が基本だから。神輿タイムは「あとの祭り」、午前6時から始まるのが、人の一日(p95)
・江戸時代まで使われていた旧暦では、小の月(2,4,6,9,11)は28日、それ以外は30日、1年間は350日。ずれを調整するために、閏月を設けて調整した(p96)
・神を迎えるにあたっておこなわれる「すす払い」は、正月にカミを迎えるための準備で、12月13日と決まっている、この日から肉類を絶つ(p98)
・幕府がキリスト教徒を弾圧するために考えたのは、まず、檀家制度、次に、寺が葬式をおこなうべし、という通達をだした(p103)
・お坊さんの葬式は、お坊さんがやっていた、それを庶民に適用するために、死者を出家させた。俄仕立ての修行として、読経した。葬式で唱えられるお経は、出家したばかりの死者に仏教の法を説くためのもの(p104,108)
・欠礼する必要があるのは、忌中の間(49日)のみ、それが過ぎたら年賀状のやりとりをしても、いっこうにかまわない。お祝い事も差し支えない(p123)
・現人神である天皇が靖国神社にお祀りするから、戦死者はすぐにもカミ(英霊)になれるとした。ところが1946.1.1に天皇が人間宣言した。最後の戦争から、70年近く経過しているので、神道的にいっても英霊はカミになっている(p151)
・インドには、「四住期:学生期・家住期・林住期・遊行期」があり、それぞれどう生きるか示している(p155)
・生活を最優先させて生きると、人生を生きることができなくなる(p164)
・大切な人と大切な時間を過ごすのだ、という気持ちがあったら、それがそのまま生前葬になる(p200)
2014年9月27日作成続きを読む投稿日:2014.09.27
葬式、墓、戒名の由来を知ると、結局は、お寺のビジネスであり、本来の仏教とかけ離れていると説く。
後半は、どう生きるべきかについて、仏教の視点から、書かれている。
終活ビジネスが盛んだが、死ぬまで、い…や、死んだ後まで、
お金に追いかけられるのかと、バカバカしく思えてきた。続きを読む投稿日:2022.04.22
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