ロジスティクスから見た「失敗の本質」

谷光太郎(著)

 /

パンダ・パブリッシング

作品情報

■ロジスティクス(兵站)の視点から太平洋戦争を再検証する1冊。

19世紀の軍隊は金で雇われた傭兵だったので最も恐れられたのは兵士の脱走だった。そのため食糧や衣服の支給に事欠いてはならず、その必要からロジスティクスは生まれた。

本書では、数々の近代戦争を紐解き、どのようにロジスティクスは生まれたか、フランス(イギリス、アメリカ)式ロジスティクスとドイツ(ロシア・日本)式のロジスティクスの違いとは何かについて解説する。

アメリカが南北戦争や米西戦争でどのような失敗を犯し、それを機にロジスティクスの役割がどのように変貌していったかを分析。同時に日本軍はなぜ、日清戦争で戦死者の11倍もの病死者を出しながらも、太平洋戦争でガダルカナルやインパールで同じような失敗をしてしまったかをついても検証していく。

名著『失敗の本質』をはじめ、これまで戦術論や人物・組織論からの敗戦を分析した本は多数あったが、本書はロジスティクス(兵站)の視点から太平洋戦争を再検証する。

■著者略歴
谷光 太郎(たにみつ・たろう)
1941年香川県に生まれる。1963年東北大学法学部卒業、三菱電機株式会社入社。1994年同社退社、山口大学経済学部教授。2004年、大阪成蹊大学現代経営情報学部教授。2011年同校退職。著書に、『海軍戦略家キングと太平洋戦争』『海軍戦略家 マハン』(共に中央公論新社)、『敗北の理由』(ダイヤモンド社)、『青色発光ダイオードは誰のものか』(日刊工業新聞社)、『米軍提督と太平洋戦争――世界最強海軍のルーツ』(学研パブリッシング)、訳書に『統合軍参謀マニュアル』(白桃書房)など多数。

■目次
第一章 ロジスティクスとは
1 ロジスティクスの語源と参謀組織
2 歴史上の名将にみるロジスティクス
3 日本人の美意識とロジスティクス

第二章 グランドストラテジーからみたロジスティクス問題(1)
1 輸送・通信手段を駆使した初の近代戦――南北戦争
2 兵力・物資を機動的に展開――独参謀本部と普仏戦争
3 干し飯二日分で戦った日本陸軍――日清戦争
4 海上輸送路短縮の重要性を説くマハンの見識――米西戦争
5 敵の戦略意図を兵站活動から見抜く――日露戦争(1)
6 大本営を悩ませた馬不足と脚気患者――日露戦争(2)

第三章 グランドストラテジーから見たロジスティクス問題(2)
1 民間補給組織を重視した英宰相の慧眼――第一次世界大戦(1)
2 総力戦の勝敗を決した軍需品生産・輸送――第一次世界大戦(2)
3 戦術重視で戦略を誤った日本海軍――太平洋戦争(1)
4 「限定戦」戦略と「無制限戦争」戦略 ――太平洋戦争(2)
5 戦果を左右した独海軍Uボート艦長の力量――大西洋の戦い

第四章 陸空海のロジスティクス
1 「戦争は輸送」の鉄則を忘れた日本陸軍
2 「陸大卒に非ざれば人に非ず」――陸軍人事行政の問題点
3 「商船攻撃よりも敵艦隊撃滅」で失敗――決戦主義の誤謬
4 大陸を疾駆したトラック部隊――陸軍の自動車工業育成
5 満州への兵力派遣を支えた輸送――鉄道と参謀本部
6 商船損失を軽視して敗れた日本海軍――太平洋戦争と商船隊
7 航空機輸送を軽視して機動力欠いた日本軍――航空輸送戦略

第五章 ロジスティクスへの取り組み日米比較
1 精励恪勤だが政策立案は苦手な日本の指導者――リーダー比較
2 日米両海軍の人事処遇の比較
3 日本は策士、米国は書記官――日米参謀制度比較
4 陸海軍の機能統合に失敗した日本軍の悲劇――統合参謀部
5 標準艦量産の米国、多品種少量生産の日本――艦船建造比較
6 部品の共通化すら拒んだ指導者のエゴ――日米航空作戦比較

第六章 総力戦とロジスティクス
1 船舶消耗を直視し、敗戦を予測した総力戦研究所
2 「生産重視・輸送軽視」の問題点――石油資源確保と輸送
3 海軍予備学生にみる人の育て方、生かし方――人材育成(1)
4 通信諜報を支えた海軍予備学生士官――人材育成(2)
5 輸送業務に女性を活用した米陸軍航空隊トップの決断
6 搭乗員の人命を尊重しつつ大戦果を上げた対日爆撃作戦

もっとみる

商品情報

シリーズ
ロジスティクスから見た「失敗の本質」
著者
谷光太郎
ジャンル
人文・思想・歴史 - 歴史・地理
出版社
パンダ・パブリッシング
Reader Store発売日
2016.05.20
ファイルサイズ
32.1MB

以下の製品には非対応です

  • PlayStation®Vita

ロジスティクスから見た「失敗の本質」

  • 試し読み
  • 新刊通知

    • 谷光太郎

    • ロジスティクスから見た「失敗の本質」

    もっとみる

    この作品のレビュー

    平均 5.0 (1件のレビュー)

    レビューを書く

    1
    0
    0
    0
    0

    すべてのレビューを見る

    新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。

    • ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
    • ・買い逃すことがありません!
    • ・いつでも解約ができるから安心!

    ※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。

    ※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。

    不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)

    ※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。

    ※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。

    お支払方法:クレジットカードのみ
    解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です

    続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。

    • ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
    • ・買い逃すことがありません!
    • ・いつでも解約ができるから安心!
    • ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!

    ※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。

    ※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。

    不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)

    ※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。

    ※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。

    お支払方法:クレジットカードのみ
    解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能です

    Reader Store BOOK GIFT とは

    ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
    贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
    ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。

    ※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
    ※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
    ※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
    ※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
    ※ポイント、クーポンの利用はできません。

    クーポンコード登録

    登録

    Reader Storeをご利用のお客様へ

    ご利用ありがとうございます!

    エラー(エラーコード: )

    本棚に以下の作品が追加されました

    追加された作品は本棚から読むことが出来ます

    本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

    スマートフォンの場合

    パソコンの場合

    このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

    ご協力ありがとうございました
    参考にさせていただきます。

    レビューを削除してもよろしいですか?
    削除すると元に戻すことはできません。