王朝のかさね色辞典 紫紅社刊
吉岡幸雄(著)
/紫紅社
作品情報
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本書は江戸時代の色刷木版書「薄様色目」を復元する形で、和紙を植物で染め、王朝時代の華やかな襲 (かさね) の色彩を現代に甦らせたものです。加えて「源氏物語」を代表する王朝文学や万葉集などに登場する色の記述を取り上げ、当時の風俗、文化をわかりやすく説明し、現代の京都、奈良の風情にもかさねて味わうことができます。
『王朝のかさね色辞典』序文より (吉岡幸雄)
かねてより「かさね色」を集成した書籍を出したいという想いがあったので、『薄様色目』を底本に、『かさねのいろめ』を参考にして、二百四十通りのかさね色をいずれも伝統的な植物染で再現したのである。
たとえば桜なら二十五種類もの説を披露している。これをもとに私なりの解釈も加えて、現代にも通じるかさね色の配色の妙を収載した。
その季節への憧憬の結晶のような「かさね色」は、現代に通じるもので、近代以降、さらにいえば高度経済成長以降、色彩が自由ふんだんに得られる現代において、自然への崇敬や自然との共生の心を見失いがちだった日本人への直言 (メッセージ) ではないかと思うのである。
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商品情報
- シリーズ
- 王朝のかさね色辞典 紫紅社刊
- 著者
- 吉岡幸雄
- 出版社
- アットマーククリエイト
- 掲載誌・レーベル
- 紫紅社
- 書籍発売日
- 2012.01.01
- Reader Store発売日
- 2016.03.25
- ファイルサイズ
- 91MB
- ページ数
- 312ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
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『日本の色辞典』、『源氏物語の色辞典』に続く色辞典、第3弾。
前2冊同様、著者らが染めた色の辞典である。
この本では、布ではなく、紙を染めている。和紙は布より染まりにくく、繊維も切れやすい。が、元本…としたのが『薄様色目』(1812年)という古書であり、薄様は手紙やそれを包む和紙を指すため、和紙で再現してみたとのことである。
上記書は色刷木版が付いていて、色の保存状態もよかったそうだ。ここを手掛かりに王朝のかさね色に迫ってみたのが本書である。現代にも続く、日本人の色彩感覚のルーツを探る試みとも言える。
『日本の色辞典』にも述べられているように、元となる色もそもそも色とりどりである。かさねはそれらを組み合わせたものなので、多種多様な色あわせが可能になる。
色選びは「季に合いたる」が身上とされる。いかにもその季節にあったものを選ぶのが、感性が優れている証になる。
それぞれのかさねには、春ならば「早蕨」、「牡丹」、夏ならば「若竹」、「萱草」、秋ならば「萩」、「朽葉」、冬ならば「枯野」、「松の雪」といった風雅な名が付いている。しかもかさねは同じ名前であっても幾通りもあり、同じ「紅梅」でも着る人・使う人の感性で、濃い色を用いたり、青味のある色と取り合わせたり、自由度の高いものだったようだ。
著者はあるいは元本にしたがい、あるいは自らのこれまでの研究から、元本とは少々違う色を選び、和紙を染めている。
そもそもは現物を多くの人に見てほしいとのことだが、手間の掛かる植物染めであり、和紙を染めたにしろ、布を染めたにしろ、高価でもあるし、大量生産が不可能でもある。次善の策としてこうした本を製作しているとのこと(この本自体もそうそうお安くはないが)。
季節にあった色合わせを考え、色に雅な名を付け、それを染めさせ、鑑賞し、批評する。
そんなことはやはり戦乱の世ではできないよなぁとしみじみ思う。よかれ悪しかれ、これは「暇」「ゆとり」がなければなしえないことだ。
お正月、こんな本を眺めながら、王朝の優美を思うのもちょっとよいかもしれない。
*「紫」と「二藍」はどちらも紫色だが、「紫」は紫根を使い、「二藍」は藍と紅の二色を混ぜたもの。「二藍」は二色を混ぜるため、赤味が勝るものから青味が勝るものまで、グラデーションがある。続きを読む投稿日:2012.12.29
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