China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」
マイケル・ピルズベリー(著)
,野中香方子(訳)
,森本敏(監修・解説)
/日経BP
作品情報
本書は、ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者が、自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の知られざる秘密戦略「100年マラソン(The Hundred-Year Marathon)」の全貌を描いたものだ。日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係、そしてビジネスや日常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
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商品情報
- シリーズ
- China 2049
- 著者
- マイケル・ピルズベリー, 野中香方子, 森本敏
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2015.09.03
- Reader Store発売日
- 2015.09.14
- ファイルサイズ
- 1.6MB
- ページ数
- 440ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (40件のレビュー)
-
拡張の論理、成長軌道の必要性について考える。
脱成長、資本主義の限界、持続社会というようなキーワードが散見され始める中、国家はGDP成長率を求め、株主に対し企業は利益拡大を約束し続ける。人間社会のレ…ースは、相手が成長する限り、立ち止まったものは相対的弱者となり、組織は支配欲を根底に持つから、この防衛本能において成長志向は止まらない。
防衛のための競争。それゆえの成長。だから、競争の構図を読み解く事が人間社会においては、原理原則の出発点となる。国家として、一時的にもこの覇者となり得たのがアメリカ。しかし、圧倒的なはずの覇権国家に対して、二番手以下の利害思惑がバグのように溜まり、トゥキディデスの罠が進む。つまり、覇権国の移り変わりだ。
中国人は馬鹿ではないので、自国に自由な報道が無いことや、国策逮捕が横行し司法が成立していない事、自分たちの財産や人命の不安定さをよく理解している。その上で、民主主義に強く憧れている訳ではなく、大多数は、大胆な事は望まず、平穏無事に家族が健康で飯が食えれば、現状維持で構わないと考えている。大衆の無気力化だ。民主主義を剥奪された香港とは経験が違う。
ならば、完全に大衆をコントロールしている中国が敢えて更なる拡張を望むのは何故か。覇権国からの支配に怯え、備えているという理屈だ。それを韜光養晦という言葉が象徴するように、極力下心を目立たせずに戦略的に力を備えてきた中国に騙されるなよ、と警鐘したのがこの本だ。今や、中国を弱者扱いする識者は減ったが、日本でも、つい最近まで中国を下に見る論説は存在したし、それがナショナリズムを活気づけ、本屋は右傾化したタイトルで溢れていた。
本著の2049とは。中国共産党革命100周年の年、2049年までに、世界の経済軍事政治のリーダーの地位をアメリカから奪取すると言う計画の事だ。100年マラソンなのだと。太子党やらの派閥争いは最早方がついたのだと思うが、独裁を誤魔化す詭弁だろう。個人ではなく、民族のため、寿命を超えた年数の計を装う。派閥争いに対し、長期計画こそ超党派を導く事を熟知している。株主に迫られ中期計画を策定するお遊びとは違う。スローガンの本当の意味は、正当化にある。
覇権国家の暴走を止めるのも、二番手以下の役割。アメリカならば国民の内なる正義により制御もできそうだが、その声を統制した国ならば、歯止めが効かない。大衆は愚かかも知れないが、一般意志では自分たちの安全を第一に考えるから、それが抑止力となるのが、民主主義の少ない利点であるはず。この防波堤がない国家が覇権国となり、新秩序を形成するのは、極めて危険だ。支配者階級の都合によるジェノサイドが進む。続きを読む投稿日:2023.09.24
【中国、世界の頂点に向けて…?】
筆者はアメリカの元政府関係者でもあった外交戦略家。書かれたのは2015年、原書タイトルは中国の100年マラソン。
2049年は、共産党成立から100周年のとして、その…年を目指した中国の長期的な世界の覇権獲得へ考え方、アプローチが書かれている。
中国のナショナリスト・タカ派の理論こそが、中国の外交アプローチを真に決定づけているものである、とし、中国の歴史を遡って戦国時代の思想家・戦略家の考え方を理解することで、現代中国の世界派遣に向けた長期戦アプローチが見えてくるとする。孫氏や三国志のエピソードが引用されている。
全力でアメリカの視点から書かれた本であること、また10年近く前に書かれた本であり、彼の打ち出した出版当時の新規性は、現在ではより普及しているように思う。だからこそ、彼の著作は的を得ていただけではなく、思考枠組みを提供し、議論をさらに活発化した意義のある著作であったのかと思う。
日本では、中国の王朝の歴史や、国語・漢文などでも習う言い伝えや思想、日本の文化にもある程度共通する部分もある考え方などは馴染みのあるものが多いけれど、アメリカとしては、まったく遠いものであったりするのかな、と読んでて感じた。
大学で中国の政治について学んだ時も、中国は過去の屈辱を根に持っていて、世界の覇権の復興のために進めているといったことを学んだけれど、まさにそのアプローチが、日米関係の近代史と共に論じられていた。
もう一点思ったことは、中国語は翻訳が難しい、と書いていたけれど、一つの言葉や漢字について、エピソードを含めた深い意味を持っている言語である点、漢字は非常に含蓄のある言語であると改めて思った。続きを読む投稿日:2024.02.15
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