日本人だけが知らない「終戦」の真実
松本利秋(著)
/SB新書
作品情報
終戦70周年企画! 「終戦」が教える戦後世界の盲点
加瀬英明氏推薦!
70年前のこととはいえ、現在もなお各国にとって大きな記念日である「終戦」。
世界は必ずしも「8月15日=終戦」とはしておらず、この「終戦の日付」の認識の違いは、日本人が国内外で思っていた以上に痛感させられることが多い。
また、戦後の諸問題の多くの根源は「日本の終戦のカタチ」にはじまっており、領土、戦争被害、戦後補償、外交など、今もなお日本だけでなく世界もひきずっているのが現状である。
本書は、昭和史の中で日本という舞台の中だけで語られがちな「終戦」が、いかにそれをきっかけに戦後体制から現代の諸問題にまでひきずっているかを、戦勝国、敗戦国、戦後の独立国などの世界レベルでの視座から見ていくもの。
本書を通して、日本のマスコミや学校が教えてくれない世界史の中の死角・盲点としての「日本の終戦」が理解できるであろう。
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商品情報
- シリーズ
- 日本人だけが知らない「終戦」の真実
- 著者
- 松本利秋
- 出版社
- SBクリエイティブ
- 掲載誌・レーベル
- SB新書
- 書籍発売日
- 2015.07.15
- Reader Store発売日
- 2015.07.27
- ファイルサイズ
- 7MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (4件のレビュー)
-
日本では終戦記念日を8月15日としており、同日を含め原子爆弾が投下された8月6日や9日に黙祷を捧げている。日本人の中にこの8月15日を終戦と位置付けた決定的な出来事は昭和天皇による玉音放送であり、誰も…が一度は耳にしたことがあるであろう「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」がラジオから全国民に向けて放送された日である。アジア諸国から太平洋までを広く戦禍に陥れたこの戦争では、中国をはじめとして、現在のフィリピン、マレーシア、インドネシア、ミャンマーなど多くの国々・地域に日本軍が展開し既存の西洋諸国による植民支配を終了させると共に、日本が新たにこれら地域の支配者として君臨しようとした。結果的には東南アジアへの勢力拡大を狙うアメリカの反感を買ったことに端を発し、真珠湾攻撃に至る過程において、日米両国の外交交渉はハルノートに代表されるアメリカの巧みな外交戦略によりまんまと失敗に終わってしまう。この辺りの歴史の読み方には、日本の立場から見た「やむを得ない」論調や、「西欧諸国に代わり利益を得ようとする思惑」、「中国進出を狙うアメリカとの衝突」など様々な見方ができるものの、戦争に至った事実と日本が敗戦した結果は変わらない。
本書はこの敗戦からなる日本人の意識、特に諸外国の8月15日に対する受け止め方の違いからスタートする。大きな事件としては、同盟を組んでいたソ連(現在のロシア)が同盟を破棄し、この15日を目前に日本へ侵攻してきた事である。当然満州には日本軍および日本国民はこの時点でおり戦闘になるが、既に大勢の決していた日本に国境から流れ込んでくるロシア軍を押し戻す力など残っていない。ソ連は日本が敗戦してしまうと、対日本戦で影響力を及ぼすことができず最終的に戦後の日本を支配することができないのを恐れて、攻め込んできたのである。また東南アジア諸外国にとっての真の意味での終戦は、日本軍撤退後に西欧諸国の支配下から脱却するために一部日本の残勢力と共に戦い独立を勝ち取るまでの時間が含まれると言って良い。韓国北朝鮮は日本から独立を勝ち取った日は日本の終戦と同じタイミング。アメリカやイギリスの視点からは戦艦ミズーリ上で日本が調印した日。この様に世界が見る終戦とは各々の事情により異なるのは当然だ。これら日付と出来事の違いを、その背景を踏まえて解説していくのが本書の内容である。
更に加えて、現在の憲法改正議論にまで至る、戦後のGHQ支配の構造やアメリカの思惑などを含め、太平洋戦争全体を俯瞰する意味では分かりやすくまとめられている本である。続きを読む投稿日:2024.01.19
日本人の大半の人が終戦という日にちに対して、戦争は全く終わっていなかったことを改めて認識させてもらった。資本主義と共産主義、パワーバランスそして新たに勃興する国々それぞれの思惑が交錯する中で、現代が形…成され、そこに生きる我々にも大いに潜在的にも影響を与えている。やはり日本人はもっと日本を知らなくてはならない。続きを読む
投稿日:2017.05.16
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