経団連―落日の財界総本山―
安西巧(著)
/新潮新書
作品情報
財界総理──。経団連会長がそう呼ばれていた時代があった。財界の意を体して政治と対峙した第2代会長・石坂泰三、政治献金の問題にスジ論で向き合った第4代会長・土光敏夫……。しかし今、そのポストに2代続けて「副会長OB」を起用せねばならぬほど、財界の人材は枯渇している。新興企業はそっぽを向き、中核の老舗企業群も余裕を失う中、「財界総本山」に明日はあるのか。一線の経済記者が肉薄する。
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商品情報
- シリーズ
- 経団連―落日の財界総本山―
- 著者
- 安西巧
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮新書
- 書籍発売日
- 2014.05.16
- Reader Store発売日
- 2014.11.21
- ファイルサイズ
- 1.9MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (4件のレビュー)
-
【仕事】経団連: 落日の財界総本山/安西巧/20141103(80/254)
◆きっかけ
・日経広告。仕事上、経団連会館に行くこともあり、また当社も多額の寄付をしていることから関心あり。
◆感想
・…副題に「落日の財界総本山」とあるように、財界という言葉自体がもはや死語になりつつある感がある。かつては有力企業を中心に護送船団方式で上手くいってたが、①敵(=労働組合)がいなくなった、②企業の利害が錯綜(液晶TV)、③新興企業はそっぽむき、中核の老舗企業は余裕がない、④人材の枯渇化等々、今後あるのか疑問。
・政界と財界を太く繋いでいた昔はすごかったのだろうなと。
・経団連の会長の歴史的変遷は分かるが、現代の経団連の状況については描写が少ない。
◆引用
・財界は敵を失った。労働界がストライキによる闘争に訴えることはめったになくなった。企業と協調的な労働組合の増加で、財界の緊張感は緩み、賃金や労働時間の長さが外国との経済摩擦の火種になることから敬遠され始めた。トップ人選が難航するようになったことも求心力低下の原因。
・グローバル化が進み、事業拠点の海外移転を加速させていいる時代に、財界団体の名の下に各社の利害を調整して意思統一する試み自体、もはや無理。利害が錯綜している。事業活動が国や業界を超えて、ボーダーレス化進めば、企業の価値観が分裂・多様化するのは避けられない。例)TVメーカは韓国台湾の脅威を強く訴える一方、住友化学、クラレ、日東電工など素材メーカは韓台を相手に液晶パネル関連で利益を稼いでいる構図。
・組織の求心力を高めるには人事が有効。支持率低下になやむ政権が内閣改造をするのは、それが忠誠心を引き出す常套手段故。
・時の政府と対話ができない経団連は要らない。
・経済界の代表というより、オールドエコノミーの集まり。
・政治献金は、政府与党に見返りを求めれば贈賄 になり、見返りを求めなければ経営者として背任行為にあたる。というジレンマがつきまとう。
・経団連は従来の財界団体ではなく、シンクタンクとして生きる道を探るべき?民僚?しかし、コンサルで十分 。
・戦前の財界:商法会議所は明治政府が設立を催促。戦後はGHQ。
・経団連会長に期待されるのは、政界への影響力。
・サロンではない、履歴団体の性格を強くすべき。続きを読む投稿日:2014.11.04
経団連という組織が誕生する経緯、これまで会長になった人たちの生い立ち、素顔にせまる人物評伝が主な内容です。組織の歴史を知ることは大事です。
投稿日:2021.04.10
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