忍びの国
和田竜(著)
/新潮文庫
作品情報
時は戦国。忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、百文の褒美目当てに他家の伊賀者を殺める。このとき、伊賀攻略を狙う織田信雄軍と百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との、壮絶な戦の火蓋が切って落とされた──。破天荒な人物、スリリングな謀略、迫力の戦闘。「天正伊賀の乱」を背景に、全く新しい歴史小説の到来を宣言した圧倒的快作。
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この作品のレビュー
平均 3.8 (347件のレビュー)
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無門の破天荒さが、暗い陰湿さを気持ちよくバッサリ切り捨ててくれます。
映画『忍びの国』製作決定。大野くん主演と知り、早速読んだ次第です。
しかし、毎日正面 目線の先に、伊賀上野城を見ながら生まれ育った私には、非常に複雑な想いを、最後まで持ち続ける事となりました。
浮かれ…気分の忍者の子孫なんて、冗談ゆうてる場合じゃない!ショッキングな、易々と覆されていく忍者像が、圧倒的な迫力で描かれています。
戦乱の時代、記録に残る歴史の中に編み込まれた、無門とお国そして鉄の姿は、唯一ほほえましく、このまま続いてくれたらと・・・。
日置大膳いうところの『虎狼の族は天下に散ったのだ』この言葉ある意味、伊賀忍者そのもののアイデンティティーが薄まって、真っ当な人間に変わっていくことなのかなあ と勝手に解釈しました。
伊賀にとって『天正伊賀の乱』と『第二次伊賀攻め』は、現世の私たちが平穏に暮らせる為の、ターニングポイントだった様な気がします。
そして無門もきっと・・・。
続きを読む投稿日:2016.06.04
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惚れたおまえが悪いのさ
裏切り上等の伊賀の里は忍者のメッカ。欲に駆られた上人達が、織田家の次男、信雄を誘い込みそれを叩いて儲けようと画策。策謀渦巻く状況で、狂いが生じるのは、主人公 無門の愛と、日置大膳の漢気。ただし愛って…いっても純愛って事ではなくて、惚れた男の負けと云う感じで、女の気分次第でコロコロ動く。またその無門が強いから困ったものだ。
大膳の漢気も気持ちよかったし、信雄の土壇場の意地もなかなかカッコイイ。逆転逆転の展開は最後はどうなるのか・・・・乞うご期待。
*「【加賀・・・記】によると」とか出典資料が良く出てきますが、「魁!男塾」の「民明書房」を思い出してしまいました(笑)続きを読む投稿日:2017.08.04
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