原発敗戦 危機のリーダーシップとは
船橋洋一(著)
/文春新書
作品情報
福島第一原発事故で、日本は「あの戦争」と同じ失敗を繰り返した――。『カウントダウン・メルトダウン』(大宅賞受賞)で福島第一原発事故を克明に描いた船橋氏が、福島の失敗の原因を徹底検証。
船橋氏の方針は、「文化論」を極力避けること。「文化決定論」は無責任と敗北主義をもたらし、「日本人だからダメなのだ」という居直りとあきらめをもたらすだけだからです。そこで氏は組織論、リーダーシップ論、ガバナンス論の視点から、どのような状況におかれた意思決定者が、どのような人間関係や指揮系統のなかで、どのように決断や命令を下したのかを具体的に検証。その結果あぶり出されたのは、戦力の逐次投入、「最悪のシナリオ」を考えることの放棄、インテリジェンスの軽視、タコツボ的な指揮系統、大局を見ない組織間抗争……。まさに、太平洋戦争論において散々指摘されてきたものと酷似した、数々の問題点でした。今度こそ同じ失敗を繰り返さないために、船橋氏はいかなる処方箋を見出すのか? 半藤一利氏らとの特別対談を収録。
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商品情報
- シリーズ
- 原発敗戦 危機のリーダーシップとは
- 著者
- 船橋洋一
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2014.02.20
- Reader Store発売日
- 2014.03.28
- ファイルサイズ
- 0.8MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (14件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
東日本大震災で発生した原発事故で最前線にたっていた方々の話を軸に、あの時に何があったのかということを「敗戦」というキーワードをもとに再構成したノンフィクション。
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現場で何があったのか・・ということをあらためて知ると言う意味においてはよかったのだけれど、あの出来事を太平洋戦争と並べて「敗戦」というキーワードで語ろうとするのはちょっとな・・・というのが正直な感想。
ある出来事を取り上げて国民性や何かしらの(勝ち負け)の原因を探ると言うのは、歴史家の営みの中でスタンダードなものでは有ると思うけど、今回は「日本は変わっていなかった」ということをまず言いたくてトピックを選んでいるような気がしてならなかった。言いたいことが先にあって、トピックを選んでいるのはわかるのだけれど。
・・・個人的には、正誤を語りがちな今はまだ、あの震災とそれに伴う出来事を「歴史」の観点から見るのは早いと思うんだよね。投稿日:2014.11.07
先の大戦での敗戦と福島第一原子力発電所事故への対応の病根は、
同じ性質なのではないかを論じたのが本書である。
日本の政治・官僚の責任回避、危機に際しての組織としての機能
不全、権限・指揮系統の…不透明性。それは戦時中から連綿と受け
継がれた。
そして、福島第一原子力発電所事故のような国家の存亡がかかっ
た危機に直面するとそれが如実に表面化する。
国民にパニックを引き起こす可能性が大きいからと、原発事故の
際の放射能拡散のデータは隠され、官邸も専門家と呼ばれる人も
「ただちに健康に影響はない」と繰り返した。
国民のパニックを心配する、その政府中枢が一番のパニックに陥り、
これまで安全神話のプロパガンダを垂れ流して来た原子力ムラの
人々は頬かむりをし、関係官庁間では責任の押し付け合いに終始
する。
その一方で、「起こりえない」とされて来た全電源喪失が起き、
予備のディーゼル発電も使えなくなった福島第一原子力発電所
の現場では吉田所長以下の東電社員、協力会社の人たちが「玉砕」
覚悟で対応に当たっていた。
政治家や官僚の無知と無責任、事業者である東京電力本店の能力
のなさ。そのしわ寄せがすべて現場に押し付けられたのではない
だろうかと思う。
あの事故を教訓として、日本は変わったのか?私は変わっていない
と思う。福島第一原子力発電所事故以前、アメリカのスリーマイル
島、ソ連のチェルノブイリを持ち出すまでもなく、茨城県東海村の
JCO臨界事故からも学ばなかったのだから。
当時の民主党政権の事故対応は確かにグダグダだった。だが、民主
党だけに責任があるのだろうか。
2006年、共産党議員から時の安倍晋三に対し「巨大地震の発生に
伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに
関する質問主意書」が提出されていた。
スウェーデンでの二重のバックアップ電源喪失のような事故が日本で
起きる可能性、冷却系が使用不能になった復旧シナリオの有無、メル
トダウンの想定の有無、原子炉が破壊された場合の放射能拡散の被害
予測の有無等に関しての質問だった。
それに対し「海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が
発生するとは考えられない」「そうならないよう万全の態勢を整えて
いる」と答えるだけ。
起きたら困ることは起きないんじゃないか。起きないに決まって
いる。いや、絶対に起きないとして「最悪のシナリオ」を考える
ことを放棄して来たツケが、福島第一原子力発電所事故なのでは
ないか。
きっとまた、国家的危機に直面したらこの国は同じことを繰り返す
はずだ。続きを読む投稿日:2019.03.10
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