日本国憲法の二〇〇日
半藤一利(著)
/文春文庫
作品情報
東京大空襲で九死に一生を得た著者は疎開先、茨城県下妻を経て新潟県長岡で日本の敗戦を迎える。そのとき15歳の少年だった。そして日本は、戦後を生きる原理となる新憲法の策定作業に入る。占領政策を決めるGHQ指令が次々と発せられる中、昭和21年3月6日、ついに「憲法改正草案要綱」が閣議決定される。あの敗戦より203日。この苛酷ではあるが希望に満ちた日々を、史家の目に少年の目を織り交ぜつつ、哀切に描ききる。
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商品情報
- シリーズ
- 日本国憲法の二〇〇日
- 著者
- 半藤一利
- ジャンル
- 教養 - 戦記(ノンフィクション)
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2008.04.10
- Reader Store発売日
- 2014.04.04
- ファイルサイズ
- 0.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (8件のレビュー)
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文章は軽妙、皮肉が効いてておもしろい
終戦から日本国憲法制定までのゴタゴタを描いた、ドキュメンタリーでもあり、その時代を生きた人のエッセイでもあります。
戦局はどんづまりで学徒動員で自分たちが作らされたネジは何かの役に立ったとは思えない…だの、終戦を境にそれまで大東亜共栄圏だの鬼畜米英だの言っていたオトナたちが180度転向してアメリカ万歳とか言い出した(節操なし)だの、政府首脳は無難な老人たちで固められて日本政府はGHQの命令を翻訳して伝達するしか能がないだの、当時のオトナたちをなかなか痛烈に皮肉っています(筆者は当時15歳)。
天皇、マッカーサー元帥、日本政府、GHQの動きを綴った一級品のドキュメンタリーのそこかしこに、筆者視点での皮肉やら庶民感情が埋め込まれていて、飽きさせません。
筆者の視点が入っているせいかもしれませんが、昭和天皇やマッカーサー元帥はなかなかイイ性格をしていたようです。現実問題としてゴタゴタが本当に丸く収まったかどうかはさておき、とりあえずは平穏な今の日本があるのはこの2人の尽力あってこそ、なのでしょう。
それにしても、70年も昔の話でありながら、なぜか、何やら現代日本にも通じるところがあるような気がしてしかたがないです。続きを読む投稿日:2015.05.05
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「半藤一利」のノンフィクション作品『日本国憲法の二〇〇日』を読みました。
「半藤一利」作品は、昨年の2月に読んだ『ソ連が満洲に侵攻した夏』以来ですね。
-----story------------…-
「日本のいま」を決めた、激動の200日を詳述する!
敗戦から、不戦条項を含む「憲法改正草案要綱」が閣議決定されるまでの日々を、当時15歳であった「歴史探偵」が少年と二つの目で描く。
3月10日の東京大空襲で九死に一生を得た著者は疎開先、茨城県下妻を経て新潟県長岡で日本の敗戦を迎える。
いま「歴史探偵」として知られる著者は、そのとき15歳の少年であった。
そして日本は、戦後を生きる原理となる新憲法の策定作業に入る。
占領政策を決めるGHQ指令が次々と発せられる中、昭和21年3月6日、遂に「憲法改正草案要綱」が閣議決定される。
あの敗戦より204日。
この苛酷ではあるが希望に満ちた日々を、著者は史家の目に少年の目を織り交ぜつつ、哀切に描ききっている。
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雑誌『プレジデント』の平成14年(2002年)5月13日号から平成15年(2003年)1月13日号まで17回にわたって連載された内容を、単行本化にあたり「余談」として各章に補遺をしつつ、「プロローグ 「三月十日」の章」と「エピローグ 「大理想」の章」を新たに追加して出版された歴史読物です。
昭和20年(1945年)3月10日の東京大空襲のエピソードから始まり… 昭和20年(1945年)8月15日の敗戦から、昭和21年(1946年)3月6日の「憲法改正草案要綱」が閣議決定されまでの204日間を中心に日本国憲法成立までの物語を描いた作品、、、
著者が「歴史探偵」と当時15歳であった「半藤少年」の二つの目線で描かれており、国や政府としての大局的な情勢と、一人の庶民としての市井の人々の感じ方の両面で史実を追ってあり、当時の状況がとてもわかりやすく伝わってきましたね。
■プロローグ 「三月十日」の章
■一 昭和二十年八月・1―「涙滂沱」の章
■二 昭和二十年八月・2―「国体護持」の章
■三 昭和二十年八月・3―「総懺悔」の章
■四 昭和二十年九月・1―「青い眼の大君」の章
■五 昭和二十年九月・2―「記念写真」の章
■六 昭和二十年九月・3―「憲法改正示唆」の章
■七 昭和二十年十月・1―「天皇制打破」の章
■八 昭和二十年十月・2―「天皇退位論」の章
■九 昭和二十年十一月・1―「近衛失格」の章
■十 昭和二十年十一月・2―「陸海軍消滅」の章
■十一 昭和二十年十二月・1―「真相はかうだ」の章
■十二 昭和二十年十二月・2―「神道指令」の章
■十三 昭和二十一年一月・1―「詔書とパージ」の章
■十四 昭和二十一年一月・2―「浮浪児とパンパン」の章
■十五 昭和二十一年一月・3―「戦争放棄」の章
■十六 昭和二十一年二月・1―「三原則」の章
■十七 昭和二十一年二月・2―「聖断ふたたび」の章
■エピローグ 「大理想」の章
■あとがき
■解説…梯久美子
■主要参考文献
当然、当時のことは文献や映像作品でしか知ることができないのですが、敗戦前後って、良くも悪くも、過去を全否定して、新しい時代に突入した時代だったようですね、、、
「日本人の美質良質なものをすべて喪失した時代であり、混乱に混乱の果てに、野卑と軽佻浮薄が横行し、新しい暴力が大鉈を振るいだしたとき」
という表現に象徴されるように、これまで想像していたよりも、もっと極端な状況だったことに驚きました。
戦勝国の代表として終始強気のGHQ(=「マッカーサー」)に比べ、敗戦国としての認識が甘く、常に後手にまわり、先見性がなく、優柔不断な態度の日本政府のなんと頼りないことか、、、
現在の日本って、日本政府や国民の意思で生まれたのではなく、戦勝国の駆け引きから結果的に生じた偶然の産物だったんじゃないか… とさえ感じましたね。
本作品の魅力は、電車内の会話や、新聞の投書欄、看板の文句から描かれている「半藤少年」の目線で感じた当時の状況かな。
悲壮な声だけでなく、当時の庶民の呑気な姿や前向きな声を含め、あらゆる世代や階層の人々のリアルな声… 名言や迷言が収められており、とても興味深かったですね、、、
特に「半藤少年」が新憲法の戦争放棄の内容に感動した際、父親から、
「馬鹿か、おまえは。
人類が在するかぎり、戦争がなくなるはずはない。
そのためには人間がみんな神様にならなきゃならん。」
と嘲笑された場面は印象的でしたね… テロが横行し、予防的先制行動という大義名分の下で実質的な戦争行為が行われている現状を鑑みると、その発言を否定することはできないですね。続きを読む投稿日:2022.09.28
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