この作品のレビュー
平均 3.4 (8件のレビュー)
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『モヒカン族の最後』のようなタイトルに驚いて手にとった本。
もともとイタコに興味を持っていましたが、まさかイタコの本が出ているとは。
しかもイタコ本人が出しているとは思いませんでした。
恐山で死者の…口寄せをするイタコ。
霊媒巫女のような存在ですが、実はいつも恐山にいるわけではなく、普段は青森県南部地方や津軽地方に暮らしており、例祭の時だけ山に登るんだそうです。
確かに、以前恐山に行った時には、イタコは一人もいませんでした。
1980年代には、300人ほどいたというイタコですが、高齢化が進んで現在は10名以下。
最年少が40代2名で、その一名が著者、つまり最後のイタコなのだそうです。
死者と交流をするという盲目のイタコは、子供の頃には恐ろしく近寄りがたいイメージがありましたが、実は津軽地方では、死者の霊を呼び出すだけではなく、家族にトラブルが起きたらイタコに相談する、カウンセラーのような役割を果たしているとのこと。
普段のイタコは、占いやお祓いをしたりするよろず相談所で、人々の実生活に深く根ざしている職業だそうです。
イタコの発祥は、明治時代の後期頃ではないかとされているようです。
「日中戦争」「日露戦争」で肉親を失った家族が、亡き死者に会うために各地の霊場にお山参りや観音霊場巡り、四国八十八箇所遍路を行ったのがそのきっかけだったとのこと。
思ったよりも近年でした。
著者は、一般家庭に生まれたものの、自分で希望してイタコの道に入ったため、家族は驚いたそうです。
昔は盲目で仕事が無い女性が修行をしたと聞きますが、そういった人だけではないのですね。
十代の頃はヤンキーだったという著者。
ヤンキー上がりのイタコなんて、驚きです。
結婚、出産、離婚を経て現在は2児の母であるとのこと。
バンド活動が趣味だったとのこと。
想像していたよりもずいぶん人間らしいイタコです。
イタコデビューしたのは19歳。それから初めて恐山へ登ったということで、恐山での仕事を知らないままイタコになったことにびっくりしました。
イタコの使う霊媒仏具も紹介されており、興味深く読みました。
見たこともない独創的な数珠。普通の仏教からはかなり違っています。
恐山円通寺の南直哉院代のことも書かれていました。
以前読んだ、彼の『禅とハードル』はとても興味深いもので、著者の文章からは、南院代がイタコたちの良き理解者であることがわかります。
仕事の資質上、繊細で感受性が鋭い人が多いというイタコ。
デビューしたての頃は、客の思いの強さに圧倒され、プレッシャーを感じていたそうです。
霊よりも、生身の人の「気」が強いこともあるということでしょう。
かなり破天荒な半生を歩んできた著者ながら、イタコの修行には非常に真剣に取り組んでいる様子が伝わってきます。
言葉の使い方一つで、人の人生を狂わせることにもなりかねないという責任感を持って、臨んでいるそうです。
恐山のイタコにジョン・レノンやプレスリーを呼んでもらったという話を聞いたことがありますが、その人と縁のある霊しか降ろせないため、歴史上の人物や有名人、外国人は無理だそうです。
死後の世界のような荒涼とした恐山ですが、そこで恐山ウエディングをしたカップルがいたという話には驚きました。
男女が親に口寄せで結婚報告したそうです。
科学的な根拠のない仕事だと思う反面で、青森の親戚がイタコに口寄せをしてもらったことを思い出したり、先の東日本大震災の被災者が恐山を大勢訪れているという話を聞くと、彼女たちは残された遺族にとって、希望をつなぐ大切な存在なのだと感じました。
後継者難だというイタコの世界。数十年後にも果たして彼女たちの秘儀が続いているのか、気になりながら本を閉じました。続きを読む投稿日:2014.03.11
先日こちらの松田さんをコミカライズされたものを読んだので、合わせて彼女の本も読んでみようかと。イタコというと、あまり馴染みのない私には本物なのか?本当に仏様をおろしているのか?と疑心暗鬼な存在。素質が…ないとできないのでは?と思いつつ、修行時代を読むとどうも体力が必須らしい。そりゃ素質も必要なんでしょう。しかし、読んでも特に突出したものがないと、というわけでもなさそう。あとは探究心も必要なようです。本発売時の2013年には南部イタコの数は10名ほどとのこと。その後継承者は見つかったのかなぁ?続きを読む
投稿日:2018.06.06
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