大君の使節 幕末日本人の西欧体験
芳賀徹(著)
/中公新書
作品情報
「西洋世界の挑戦に対してこの国が発した返答」の鮮やかなモデル・ケースとして、幕末日本のエリートの西欧文明に対するさまざまの知的・心理的・感性的反応と外国側の彼らに対する反響を探り出し、一八六二年の遣欧使節団の行動を評価し直す。従来、外交史家にしか顧みられなかった使節一行の諸記録は、ここに初めて興味深い記録文学としての姿を現わす。新文明に接して急激に自己変革を迫られる幕末日本の鼓動を伝える、比較文学徒の労作。
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商品情報
- シリーズ
- 大君の使節 幕末日本人の西欧体験
- 著者
- 芳賀徹
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 1979.01.01
- Reader Store発売日
- 2014.12.21
- ファイルサイズ
- 3.1MB
- ページ数
- 245ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (3件のレビュー)
-
ヨーロッパへ渡り西欧文明と接触した使節らは、何を見て何を感じたのか。また、国際政治のなかで、彼らは西欧と日本にそれぞれどのような反響をもたらしたのか。
とりわけ本書の面白さは「知的・感性的対応」…を描いているところにある。外交史ではなく、文学作品でもない。その隙間にある彼らの日記から、彼らの一人ひとりがそれぞれ西洋文明との衝突にどれほど知的な衝撃を受けたのか、感動したのか、ということを活き活きと描き出す。とりわけ著者は福沢諭吉が頭抜けている、と評価している。彼は一通詞に過ぎなかったものの、見聞きした衝撃を単なる衝撃に留めず、繰り返し情報を収集し、多角的に観察し、日本の課題解決策を模索し続けた。
総じて言えば、使節らの旅は、江戸などの開市開港という使命を背負った彼らが世界の圧倒的な広大さのなかでその重苦しい使命感から解き放たれる過程であり、またその文化を相対化することで日本に開国と文明開化の必要性を認識させるものでもあった。
しかし外交史から言えば、使節らの見聞を吸い上げるだけの余裕は幕府にはなく、その意義は無に等しかったと言わざるを得ない。使節らの大冒険を読んだあとに福地源一郎の「余が失望落胆実に此時より甚しきは莫かりき(懐往事談)」という言葉を見ると、痛々しい思いさえする。それでも著者は、外交史ではなく文化史的な観点から取り上げることで再評価を与えようとした。この熱意がまた読んでいて圧倒される面白さでもある。続きを読む投稿日:2020.03.23
徳川幕府は、その最末期の7,8年の間に、ほとんど一年おきないし連年という忙しさで大小の外交使節団を欧米に派遣したいました。
一番よく知られているのは、いうまでもなく日米修好通商条約の批准交換のため、1…860年アメリカに行ったこと。
そして、第二回がこの本に描かれた1862年の遣欧使節で、江戸・大坂・兵庫・新潟の開市開港の延期をヨーロッパ諸国に認めさせることを主目的にしていたものである。
何しろ、極東の島国である長年鎖国を行っていた日本からの使節が当時のヨーロッパ諸国では大変珍しいものであり、歓待されたのである。
そんな使命を受けた日本の優秀な武士官僚が経験した様々なことが政治史の視点からではなく、比較文学者の視点で、残された文献で描かれた作品である。
福沢諭吉を始めとして当時の若者の感性が著者の観点で捉えられていた。
そして、後の歴史ではあまり語られなかった重要な史実を目にすることができるのです。
勝てば官軍のバイアスがかかり歪められた徳川幕府の真実が掘り起こされていて大変すばらしい作品でした。続きを読む投稿日:2018.09.29
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