言語学の専門家が教える新しい英文法
畠山雄二(著)
/ベレ出版
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
言語学の専門家がこれまでの文法書には書かれたことのなかったワンランク上の新しい英文法について、かみ砕いて解説していきます。否定文、受動態、そして5文型などについて、深く知るともっと多様な意味のとり方があることや、これまでの理解と違っていたりすることがわかります。上級英文法のこれまで誰も教えてくれなかった謎を解く鍵がこの1冊に。
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商品情報
- シリーズ
- 言語学の専門家が教える新しい英文法
- 著者
- 畠山雄二
- 出版社
- ベレ出版
- 書籍発売日
- 2006.04.25
- Reader Store発売日
- 2015.01.12
- ファイルサイズ
- 29MB
- ページ数
- 255ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (3件のレビュー)
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学校文法を解説したものではなく、統語論、生成文法の基礎を解説したもの。二重目的語構文と与格構文、重名詞句移動、左方転位、右方転位、tough構文、空所化、動詞句削除を含めて、否定文や受動文、名詞化、…代名詞、副詞、補語などについて、いろいろな言語事象を取り上げて、ことばの奥深さを説明している。
Mary was shot on purpose.とMary got shot on pupose.の違い、とか、John hammered the metal flat hot drunk.はflat, hot, drunkの順番じゃないとだめ、などが面白いと思った。大学のときの統語論や意味論の勉強で習ったことが復習できる一冊だったけど、一般向けとしては、読みやすさのわりにとっつきにくいし、要するに分かりにくい部分が多いのではないかと思った。「これは言えるけど、これは言えない」というのが淡々と説明されている部分があり、ふーん、そういうものなのか…、と思ったまま終わりにさせられる部分がいくつかある。その点、「英語では、文の背景となるものを文頭に、文の焦点となるものを文末に置く」という原則が何度も繰り返されている第5章は分かりやすい。各章で1つずつ、例えば「移動は節を越えてはダメ」とかいう、何度も繰り返される原則を作って、それに沿っていろいろ解説していく、という手法をとった方がもっと分かりやすく読めるのではないかと思った。あとはそもそも学校文法を説明したものではなく、理論言語学への橋渡し、というよりは理論言語学そのものが一般向けに解説されている印象がある。さらに、色々な言語事象を知ることで英作文に活かすといわれても、読んだだけで活かすのは難しいと思う。活かすためには、練習問題でこれはダメな文かどうか、とかこれを移動させるとどうなるか、みたいなことをする部分が本の中にあってもいいと思った。(12/01/21)続きを読む投稿日:2012.01.22
全10章で構成され、各章では興味深い言語情報がやさしくまとめられている。否定の作用域、二重目的語構文と与格交替、能動態と受動態、名詞化、外置、語彙アスペクト、副詞の解釈等々が紹介されているが、これら…の項目の中の能動態と受動態について意味解釈や文法性が異なる例を軽く紹介したい。(本当は語彙アスペクトが好きなので、そちらを紹介したいのだが、本書以外の知識まで脱線してしまいそうなので我慢する。)
(1) a. Every boy in this class kissed at least one girl.(畠山: 2006, 46)
(1) b. At least one girl was kissed by every boy in this class. (Ibid.)
形式上、(1a)と(1b)は能動態と受動態の対応関係にあると見えるが、意味の側面では大きく異なっており、伝えたい状況に応じて適切なVoiceを選択する必要がある。また、受動態は一般的に能動態をベースとして作られると考えられているが、(2)のようにそうではないケースも存在する。
(2) a. Beavers build dams. (畠山: 2006, 48)
(2) b. *Dams are built by beavers. (Ibid.)
(2)では形式も意味も対応しているはずなのになぜ(2b)の受動態は非文法的となるのだろうか。最後にgetを使用した受動態についても触れたい。
(3) a. Mary was shot on purpose.(畠山: 2006, 53)
(3) b. Mary got shot on purpose.(Ibid.)
(3)では受動態にbe動詞を使用しているか一般動詞のgetを使用しているかの違いが存在し、互いに文法的であるが意味に違いが現れてしまう。ポイントとしてMaryが被害者なのかどうかという点を挙げておく。
なぜこれらの現象が起こるのかという理由については 、書籍の該当ページを参照していただければお分かりいただけるだろう。この他にも興味深い文法の現象について紹介と説明がなされているので、言語学の研究の手がかりとなりえるお勧めしたい入門書である。「あなたの知らない英文法の世界」と出会うことができるのではないだろうか。私としては語彙アスペクトの魅力に取り付かれることを心より願っている。
(ラーニング・アドバイザー/教育 SAKAMOTO)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/book/1811854続きを読む投稿日:2019.11.06
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