〈私〉の愛国心
香山リカ(著)
/ちくま新書
作品情報
この数年“ナショナリズム”をめぐる議論がかまびすしい。世界では冷戦に代わる国際秩序が定まらない中、極東アジアでは「北朝鮮」という冷戦の産物が大きな比重を占めている。国内においてもバブルの崩壊とグローバリゼーションの拡大に伴う「成果主義」や「市場原理主義」の浸潤によって、セーフティ・ネットが整備されないまま、勝ち組・負け組みへの階層化が進み、社会の安定感は急速に失われつつある。さまざまな要因が複雑に絡み合いながら過熱化する一方の言説を丁寧に解きほぐし、「愛国心」の行方について考える。
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商品情報
- シリーズ
- 〈私〉の愛国心
- 著者
- 香山リカ
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2004.08.10
- Reader Store発売日
- 2014.08.02
- ファイルサイズ
- 2.6MB
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この作品のレビュー
平均 3.4 (8件のレビュー)
-
この本のタイトルからみて分類がマスメディアというのは適切か、という疑問があるかもしれない。しかしナショナリズムというものが共同幻想にもとづくものだとすれば、その幻想を作りだし媒介しているものとして当然…にメディアといいうものの存在が立ち上がってくる。それゆえに分類はマスメディアとさせてもらう。
本文の中では少年事件、石原新太郎発言、憲法といったものらが例示として出される。これらのことについて私たちにはある程度の前知識がある。それはとりもなおさずいわゆるマスメディアがそれらのことをこぞって取り上げたからである。
香山リカはこのことについての批判をする。各事件はかなり早い段階でわかりやすい価値観への読み替えが行なわれて判断される。そのことによって本来あったはずのコンテクストは忘れ去られる。問題背景を探ることなしに伝えられた事件に対しては、好きか嫌いかという二項対立のみに還元されてしまうのである。確かに身近な感覚でものごとを判断してみるということ自体はいいことであろう。
しかしその内容は吟味されなければならないものである。表面をなぞっただけの取り上げ方ではまずいのである。事件を吟味しない傾向を香山は、人々の最後の抵抗である という。
社会の中で色々なことが起こっているが現実の生活、自己の周りには大した影響がないと考える人たち。社会のことは他人のこと、他人事感覚とすることで不安や不満を近づけないようにしている、そうできると信じているというのである。
その結果あらゆる出来事は単純に処理される傾向になる。そこから愛国心というようなものも市民の中に出てくることになる。
本書後半では香山のフィールドである精神科医としての社会分析がなされている。アメリカ、日本の思考パターンを読み解きその対処方を提示する。もちろんそれは医学からの言葉なのでダイレクトにイコールで結ぶことはできないが多くの示唆をしてくれる。
大きな転換点に立つ私たち、対外的には軍事、内部では精神医療、これらは市民にとって決して他人事ではなく自分たちの問題であるはずなのだ。そのときにどのように考えていくべきかの決定はメディアによる適切な情報提供によってなされる。
自分がどこへ向かっていくのか、他人事ではなく自分の責任として、そのことを考えさせてくれる一冊です。
続きを読む投稿日:2005.03.23
このレビューはネタバレを含みます
かまびすしい リアリスト やぼったい価値観 非常に狭量で刹那的な損得主義 自分に身近な問題への関心に基づく実用主義 萌芽 芽生え ネオリアリズム化による関心の自己への限定と過剰なまでの外への志向。
レビューの続きを読む
…
生きづらさに社会化・相対化は無意味
→かなり同感
抑圧的寛容 優位だと優しいが、敵対すると攻撃的になり ボーダーライン二極化された判断から、アクティングアウト(無関係な破滅的行動) 左右二分型スプリット
問題への直面を避けるため、暴力と泣き、謝罪をする
テロには屈しないという気分を公明正大にし、秘書官や政務官が若者の問題行動にすり替えた。それは人質事件はテロか、イラクの民意は?という問題をスキップした。 戻る場所がないのに戻りたい 最大公約数的考え ボーダーラインへはリミットを設定し貫く。 自己正当化は自己欺瞞であり、安定のためにそれが悪事でも繰り返す ケーガン 標準を下げて 他罰的 イラクから手をひけ。 パブリックジャーナル 続きを読む投稿日:2017.09.21
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