デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像
三村忠史(著)
,倉又俊夫(著)
,NHK「デジタルネイティブ」取材班(著)
/生活人新書
作品情報
ネット・コミュニティを自由自在に使い、不特定多数の人々と瞬時につながることで、新たな事業や組織を次々と創り出す「デジタルネイティブ」と呼ばれる若者たち。従来の常識や価値観にとらわれない考え方や行動力によって、世界を変えていく可能性を秘めた彼ら新世代の今を追う。NHKスペシャル同名番組の出版化。
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商品情報
- 著者
- 三村忠史, 倉又俊夫, NHK「デジタルネイティブ」取材班
- 出版社
- NHK出版
- 掲載誌・レーベル
- 生活人新書
- 書籍発売日
- 2009.01.10
- Reader Store発売日
- 2013.06.07
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (13件のレビュー)
-
デジタルネイティブがどんどん増えれば未来は明るいと思うのだが、実際の就職活動では大企業の人気が増すという皮肉な結果に。旧来の枠から飛び出す事がものすごいリスキーに感じてしまう、日本全体の金属疲労。
投稿日:2018.10.31
以下Evernotoより転記
集合知は単なる知識の足し算ではない
今までの大人の視点で世界を見ることの危うさ 変化の可能性を潰してしまう危惧
それとともにそれは避けようもないだろうという感覚もあ…る
P43 「インターネットは僕にとって情報そのもの」
「僕は人間のコミュニケーションのあり方や、つながり方に関して、ほかの世代よりも多くのバリエーションを持つのが「デジタルネイティブ」なのではないかと考えた」
コミュニケーションという概念がより広いモノになっている
通人としてのデジタルネイティブ
P72「デジタルネイティブたちは総じて物質的な欲が少なく、自分が好きな道を追及する傾向が強い様に思う」
人生の道はいつでも未知
拝金主義からの退却
拝金主義は生産性を高めない。想像力を育まない。
人は体の中に、頭の中に取り入れるものによって変化する
ハンバーガーを食べまくる人の話 カーボーイビバップ
P80「平均的な大学の卒業生は、これまで人生で5000時間以下しか読書していないかわりに、1万時間もビデオゲームをしている。そうなると、もうそれまでの人類とは違うものになっている」
1万時間の効果は果てしなく強い
デジタルネイティブの持つ価値観を日本社会は受け入れることができるのか。出来たとすればどのような社会が拡がるのか。できないとすればどのような社会が待っているのか。
P97 デジタルネイティブの特徴
・インターネットの世界と現実の世界を区別しない。
・情報は、無料だと考えている
・インターネットのフラットな関係になじんでいるため、相手の地位や年齢、所属などにこだわらない
いじめとインターネット
悪意が暴走してしまう可能性はある。そもそもこの場合のネットいじめの被害者は「いけにえ」なのだろうか。
たしかにネットそのものへの関与を無くしたところで心の奥底に眠る問題を解決できたわけではない。むしろ闇は押し込められ拡がっていく可能性もある。しかも大人の目に見えないとkろで。それこそもっとも恐れるべき事なのかもしれない。
他の国の感覚、価値観を輸入する。あるいはそうった感覚自体が地球規模で平衡化しつつある家庭なのかも知れない。
P146 「世界を今まで以上にフラットにできると思います」
インターネットの機能ををベースにした世界を持つ人々
P157 「デジタルネイティブは世界の風景を変えていけると思っています」
これこそが一番大きなテーマであろう。過程は非常に困難かも知れない。押さえつける力は強いかも知れない。しかしネットワークで繋がった若者、何かを共有できている若者は既存の組織の中で凝り固まっている人々よりもある意味で緩やかでかつ緊密なつながりを持っている。それは今までの人類というか20年程度前の社会からではまったく想像できない力を持つ可能性がある。それは既存の社会構成員からすればまさしく「ブラック・スワン」と言えるかも知れない。
P158 「彼らにとってインターネットは意識的に使う「武器」ではなく、あらかじめ備わった「言語」のようなものなのだ」
呼吸をしている様にネットを使う。
もちろんそういったインフラが整っているからこそ、と考えることは必要だ。インフラ投資をしてきた社会が存在しなければ今の様な状況は生まれてこなかった。
しかし、それは人類的な後押しがあったのかも知れない。この変化は密かに要求されたいたものなのかもしれない。それをプログラミングされたロボットのように機械的にこなしてきただけなのかも知れない。
チャプター4までは基本的にポジティブなインパクトのお話になっている。
チャプター5はそんなに単純なものではない、という影の部分も一応描きながらもネットが持つパワーとそれを当たり前の様に使う世代のインパクトを伝えている。
一人の人間の人生のダイナミズムの幅が拡がってきている
P186 「デジタルネイティブというブログとかSNSとかメッセンジャーとかそこらへんに精通しているというバックグラウンドがあって、更にその上にチャレンジスピリットが乗っかっている感じ」
基本的に社会を大きく動かすのは志を持った一部の人。今の世界ではそれに引っ張られる人の数とその伝播のスピードが今までとは比べものにならないぐらいアップしている。情報に反応し、行動に移せる人。情報浸透圧が圧倒的に低い世代。それがデジタルネイティブたちなのかもしれない
なぜネットの世界はこんなにポジティブに語ることができるのだろうか。梅田氏の書籍もそうだ。驚くほど、人によってちょっと引いてしまうぐらいのポジティブさで書かれている。今の日本社会を同じくらいのレベルでポジティブに語ることができるだろうか。もしやったとしてもただ現実認識が甘いだけのものになってしまうだろう。この根本的な差はいったい何なのか。日本が日本語、日本文化、日本市場で閉じてしまっている、ということもあるかもしれない。そこから脱出する人々は増えてきているが、それでも多くの人はその中にとどまり続けている。
おそらく変化への期待値というのがあるのかも知れない。すくなくとも今の日本において、世界を変えられるかも知れないというインパクトはほとんど感じられない。そういう意味では日本は衰退しているわけではない。経済で世界のトップに立ったときですら世界を変えるインパクトは持っていなかったのだ。世界を少し買えるだけのお金はあったかも知れない。でもただそれだけだ。
今のアメリカは経済で痛手を負っている。
しかしツイッターという新しいサービスがもつ可能性は今参加しているユーザーですら計り知れないだろう。それはブラック・スワン的なものかもしれない。つまりまったく予想外のインパクトがそこから出てくるかも知れない。すくなくともその可能性は感じられるサービスである。
世界を変えるというのは世界のあり方を変えるだけではない、そこに存在する人々の意識すら変えてしまう、ということだ。
そんな世界においてデジタルネイティブはどのように動き、そしてデジタルネイティブと調和できない人々はどこに行ってしまうのだろうか。続きを読む投稿日:2018.10.09
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