出雲と大和 古代国家の原像をたずねて
村井康彦(著)
/岩波新書
この作品のレビュー
平均 3.3 (37件のレビュー)
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村井康彦先生、まだまだ元気だなあ~。(^o^)著者紹介もみるともういいお歳(失礼!)にもかかわらず、アクティブにフィールド踏査を重ね、また、さまざまな学問の垣根を越えてダイナミックな仮説を提示されるな…ど、心身ともに誠にお若い!
氏の専門である歴史学のみならず、考古学や文化人類学等の近隣領域を融合し、神話の世界から古代出雲と大和の関係の実像に迫る力作で、記紀に描かれた「大和朝廷」成り立ちの物語、出雲の大国主命の活躍から天照大神の子孫への国譲り、そして神武東征から大和王権の確立に至る神話について、大胆に読み解く。
鉄生産から勢力を拡大した出雲族の各地への展開は、大和へ至る磐座(いわくら)信仰の拡大、そして高志(越の国)にまでみられるヒトデ!(四隅突出墓)の存在により証明される。大国主命をはじめとする出雲系の神々を奈良の三輪山をはじめ、祭る理由は、かつてそこが出雲王国の一部であったことを物語るものとし、さらに、邪馬台国も大和で発展した出雲系氏族連合であったとする。それが、九州から侵攻してきた神武軍に敗れ、降伏する形で邪馬台国は終焉したという。また、国譲りの際に約束された大国主命を祭る宮殿が約束通りに建てられないため皇子が唖になったとの神話から、その後の巨大な出雲大社の成立につながるとしている。奈良時代おける出雲国造家が大領(郡司)を兼ねて勢威を高め、大和朝廷を護る立場になった出雲神々を強調する話なども興味深かった。
神話の神々の名前を憶えるのに難儀しましたが(笑)、歴史学としての神話解釈という難問を、氏ならではの流麗で論理が明快な文体にて、各地を巡る紀行を交えながら面白く構成巧みに説明されていて、興味が尽きないまま読み終えることができました。富山にも杉谷四号墳という有名なヒトデがあり、ずっと昔に見に行ったこともありますが、また新たな興味で見学に行きたくなったなあ。(笑)
2013年7月19日追記
「いずも」と「やまと」のお門違いの考察については、「コメント」の方へワープ!(笑)続きを読む投稿日:2013.06.08
なかなか骨のある本を読んだなあという気分。
今年は,5月に伊勢神宮,11月には出雲大社へ行ってきた。もちろん,大和政権の土地への行ったことがある。そんなわけで,少しだけ古事記や日本書紀に載っている…日本神話にも興味がある。今のうちに読まないと,また積ん読になる。きっかけの論理で読んだのであった。本書は,10年ほど前,現役時代にお寺の坊守さんから「この本,○○さんなら面白いと思うよ」ともらったのだった。
神話だからといって馬鹿にしてはならない。いくら神話といえども,土地の名前や時代背景など,すべて創作で書けるわけではない。そこで筆者は,歴史的事実ではない部分が多々あるのは十分承知の上で,古事記や日本書紀,出雲風土記なとがまとめられた当時の歴史的事実と照らし合わせながら,出雲と大和政権との関係に迫っていくのである。謎解きのようで,けっこう面白く読めたのがよかった。
最後の部分には,能登の一之宮である気多大社も出てくる。ここの祭神が出雲関係であったことは初めて知った。神社観光をしても,いちいち祭神なんて覚えていないからな。気多大社には、時々行くので,今度行ったら見てみよう。
出雲の神々が磐座信仰から来ているらしいというのは面白い!
それにしても…である。同じ神様でありながら,亦の名(別名)が多すぎる。なんとかならんかな。古事記・日本書紀に出てくる同じ神さんの名前を挙げてみるか。
大国主命・大穴牟遅神・葦原色許男命・葦原醜男・宇都志国玉神・大国主神・顕国玉神・大物主神・国作大己貴命・八千矛神・大国玉神
これ,全部同じ神様・大黒さんなんだって。おいおい!続きを読む投稿日:2023.11.27
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