この作品のレビュー
平均 3.8 (7件のレビュー)
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6年生になった光くん。新しく特別支援教室に入ってきたメンバーと新しい先生との出会いは,自閉症の子にとってはとても大変です。先生の余裕もなくなります。単に,「先生の理解が足りないからいけないのだ」とは…言えない現実が,学校現場にはたくさんあります。一体だれが担任すればうまく行くのか。一概には言えません。だって,こういう教室は日本にたくさんあるんですから。
今号の素敵な子育て言葉を抜き出します。
「悪い所を数えだしたらやってゆけない それに次は若い人をってお願いしてくれたんだよ」
「そうなんだ ありがたいね たしかにボランティアさんにしても 若い人のほうが
理解が早かったものな」
(お互いのいい所を認め合って前向きに…それが長い間かかってたどりついた私たちの答え)
さて,6年生の光くん。この後どんな成長を見せるのでしょうか。
それにしても,ご両親の的確な指導ぶり(支援ぶり)には頭が下がります。教師が下手にプロぶっていてはいけません。学ぶべきところからしっかり学べる教師でいたいものです。続きを読む投稿日:2021.11.30
光くんが5年生から6年生になるこの巻。
序盤ではすっかり光君や美羽ちゃんたちに理解の深まった郡司先生が
1年生のときの光くんにわざとではないとはいえ
大怪我をさせてしまったことを謝るシーンがあった。
…幸子が光くんの焼いたクッキーなどを退職祝い(?)として渡したとき
郡司先生が「光くん、クッキーの型抜き上手なのよね」と
サラリと言って喜んでいて、あんなに対応に苦慮していた郡司先生が
光くんを自然に褒められるまでその立場に立ってくれる先生に
なったのだなぁと、感動した。
春休みは、おひさまハウスで過ごしたり、お父さんのCMで一悶着あったり(笑)
さらには、新しいあさがお教室の担任と顔合わせ。
若い男性の赤松先生というひとだった。
本田さん(美羽ちゃんのお母さん)の第一印象、知識と好奇心が先立っていて
実際の子どもの姿を見られていない
その立場に立つことができていない、というものが
見事に的中してしまったようで(4人の子どもを教えるだけだから楽勝なんて……)
新学期は光くんたちにとってかなり負荷のかかる環境で始まってしまった。
あさがお教室には新しく、(読み書きの)LDのつばさくんと
アスペルガーとADHDを併せ持つと思われる井口くんが編入してきた。
井口くんが物を散らかしたり空想にふけって赤松先生の注意がきこえなくて
赤松先生は井口くんを怒鳴りつけてしまう。
それがもう連日、繰り広げられるものだから、みんなにとってストレス。
保護者会で、赤松先生のいう「子どもたちの問題行動」について
その意味、どう対処してほしいか……を幸子や本田さんが伝えてみても
それはわがままや甘えと一蹴される。
つばさくんのお母さんはLDの知識がまだなく、井口くんのお母さんは
そもそもあさがお教室に入ったことに納得がいっていない。
しかし、つばさくんは、幸子がスーパーで彼のお母さんと偶然に会って
つばさくんの言う「字がおだんごみたいに見える」という言葉から
LDという概念を教わり、確定診断を受けるところまでに至った。
それでも赤松先生はとりつく島なし。
結局つばさくんは、別の読み書きの学習に力を入れているところへ転校した。
赤松先生を見ていると、知識があることと、理解できていることは
本当に全く別のことなのだなぁと痛感させられる。
わかった気になって、知識だけで接して、相手につらい思いをさせていないか。
対人援助職のひとは、特にそこを考えてほしいな。
そしてもうひとつ、今回よかったのが
本田さんのお母さんとしての顔の成長ぶり。
美羽ちゃんのことを(勉強が苦手だった自分より)もっとわけのわからない世界で
生きている、それはどういうことなのだろうと思いをはせたり
授業参観のとき「あさがおを色紙で作りましょう」という赤松先生の課題で
混乱した井口くんに、「真似っこでいいんだよ」と教えてあげたり。
美羽ちゃんのことも、他の子どものことも、大切に接する姿に感動した。
そしてこの巻は、光くんはいまの学区にいちばん近い中学に通う2人組に絡まれ
たまたま通りかかった石田くんに助けられるも、石田君はジュースの缶で殴られて
鼻血を出してしまうという、不穏な終わり方だった。続きを読む投稿日:2017.08.31
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