食糧がなくなる! 本当に危ない環境問題 地球温暖化よりもっと深刻な現実
武田邦彦(著)
/朝日新聞出版
作品情報
バターの品薄状態が続いている。穀物も魚も水も危ないといわれている。いったい今、地球で何が起きているのか。ベストセラー『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』の著者は、この地球で最も深刻な環境問題は、地球温暖化ではなく食糧問題だと指摘する。――“食糧”と“石油”の驚くべき相関関係、アメリカのとうもろこしの影響力、温暖化すれば食糧危機が解決する皮肉……食糧問題のウソに初めて言及した一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 食糧がなくなる! 本当に危ない環境問題
- 著者
- 武田邦彦
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 環境・エネルギー
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 書籍発売日
- 2008.08.30
- Reader Store発売日
- 2012.08.17
- ファイルサイズ
- 1.4MB
- ページ数
- 248ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (6件のレビュー)
-
漠然としていた食糧不足問題や、胡散臭さを感じていた環境問題に対する疑問がかなりすっきりした。
この本が強く批判しているのがバイオ燃料。
アメリカがエネルギー問題を解決するために、自前の石油は確保し…ておいて、なおかつ他国の食糧を大量に買占め、余ったら食糧を燃料として燃やす、という発想。
それによって貧しい国で餓死する人がこれからも増え続ける。
自分はお腹いっぱい、隣の人は食べ物がない、これのどこがエコですか?
地球に優しく、人に厳しくですか?
日本も食糧難が目の前に迫っているのに、地球温暖化防止キャンペーンだか何だかで、企業もそれに乗っかりかなり呑気だ。
地球の歴史を見ると今は寒い時代なのだ。
かなり過激な著者だが、著者自身の考えは別にしても、あまりにもマスコミは事実を報道しなさ過ぎる。
政府が発表してないからなのか、新聞もテレビも教えてはくれない。続きを読む投稿日:2019.05.23
花粉症で苦しんでいた私ですが、昨年の冷夏のお陰で花が詰まって夜中に目が覚めることは一度も無く快適な?春を過ごせました。でも、このような天候で食物は順調に育つのでしょうか。
地球温暖化は起こっていな…いと主張される武田氏は、この本で食糧危機が起きる可能性を指摘しています。地球寒冷化となれば食物がとれにくくなるとは予想できますが、日本の食料自給率は低いので心配です。
経済破綻に対しては少しは自分でできる防衛策もありますが、食糧問題については農家に知り合いのいない私はその対策が難しく、今後の食糧事情については目が離せられないという思いを強くしました。
以下は気になったポイントです。
・繰り返し使うことができる水に対して、石油(9割程度を燃料として使用)は使い捨てであり、日本人は飲み水の3倍の石油を使っている(p17)
・もし明日、大油田が見つかったとしても、それが油として生産できるようになるには20年かかる、油田が見つかっても間に合わない時代に突入した(p18)
・寒暖計を使い始めたり、世界的な気候に関心を持ち出したのが100年前であり、ほとんどの大災害は「史上最高」になる(p24)
・ブラジルのサトウキビ生産は、トラックの荷台にその日に集めた労働者を詰め込んで手作業する方法であり、主力穀物でないのでブラジルのバイオエタノールは世界の大勢には影響しないが、アメリカのトウモロコシバイオエタノールは話が別(p30)
・アメリカのトウモロコシ畑は、日本のコメ作付面積:167万ヘクタール(農地全体面積:450万)の20倍:3900万ヘクタールもある(p31)
・農作物の価格が乱高下する問題を解決する方法として、トウモロコシ価格が暴落したときにバイオエタノールに切り替える方法が発見された(p33)
・肥満比率(=体重/(身長^2))は日本は5%以下(2000年)で主要国では韓国と並んで低い、1位はアメリカの30%、20%以上はメキシコ、イギリス、オーストリア(p41)
・世界では1年に1500万人が餓死、日本内で家畜の犬は40万匹も保健所で殺されている(p44)
・世界の収穫面積が変化しない(1960年から2000年まで6億ヘクタールで一定)のに穀物収穫量が多くなった要因は、石油をふんだんに使ったから(p46)
・ロシアは京都議定書において、温暖化ガスの計算基準を1990年にすることで、38%もの「温暖化ガス排出貯金」を手に入れた(p61)
・石油の需給曲線は、2004年に交錯した、需給バランスの差は大きくなり、2010年で5億バレル、2020年には20億バレルになる、新規油田発見のピークは1960年頃(p85)
・一時期には1バレルが70ドルを超えるとオイルサンドの採算が取れると言われていたが、そうでないことが今回の原油高騰で証明された(p86)
・穀物自給率は生命を保つ上で重要、食料自給率は人間が人間らしく食の文化を楽しむために必須である(p89)
・第一次氷河時代による寒冷化によって殆どの生物が死滅した、寒冷化→二酸化炭素減少→植物生産量が低下である、生物の94%が死に絶えた(p100)
・石鹸は牛やヤシ油を原料にして化学反応で作る、洗剤は石油を原料として石鹸作成時と殆ど同じ反応を経て作られる(p165)
・リサイクルで意味があるのは金属製品、プラスチックは1400万トン作られていているうちの4万トン程度がリサイクル、残りは殆どが焼却(p181)
・年金制度ができたのは1961年で、その時の月々の掛金は100円、そのお年寄りが年金をもらい始めたのが15年程前である(p245)続きを読む投稿日:2012.01.19
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