商店街はなぜ滅びるのか~社会・政治・経済史から探る再生の道~
新雅史(著)
/光文社新書
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商店街はまったく伝統的な存在ではない。現存する多くの商店街は20世紀になって人為的に創られたものだからである。(本文より)――商店街はどういう理由で発明され、繁栄し、そして衰退したのか? 郊外型ショッピングモールの乱立だけが、商店街衰退の原因なのか? さらに、地域コミュニティの要となる商店街の再生には、どういう政策が必要なのか? 気鋭の社会学者による画期的な論考! 上野千鶴子氏推薦!!
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この作品のレビュー
平均 3.7 (86件のレビュー)
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商店街に視点を置いて日本の産業構造の変化を観察している。
現存する商店街の多くは20世紀になってから作られたもので、農民の減少と都市人口の増加の中で都市流入者が始めた零細小売業が元になっている。大規模な商業街ではなく居住地域から徒歩圏で行けるところに規制産業…である酒屋や同業者組合のカルテル、企業特約店制度によってエリア制限を組み合わせ、それぞれの店が専門家することでデパートに対抗する。家族経営の自営業の安定は労働人口を吸収し、都市に第三次産業の受け皿を作った。
高度経済成長とともに発展した商店街はやがてその終わりを迎えつつ有る。最初のチャレンジャーはダイエーの中内功、家族経営の小売業は生産性が上がらない割に賃金は上昇しその上昇分を価格として消費者へ転嫁したのだが、そのときにスーパーは消費者の見方として現れた。当初支持基盤だった零細小売業の安定を優先した自民党は零細小売業保護の中心だったがやがて支持基盤としての優先順位を下げて行く。そしてま日米構造協議の中での第三次産業の規制緩和特に海外企業に対する参入障壁の引き下げを行い、景気対策をかねた公共投資は郊外のアクセス道路を整備し大規模な土地を造成することで郊外型大型店を生み出した。大店法の規制がゆるみ、大型ショッピングセンターが商店街に対抗する様になって行く。
もう一つの商店街消滅の契機は核家族化による跡継ぎの問題で、例えば酒屋は跡継ぎに専売圏を引き継げると言う特権が有ったがこれが後継者不息で意味を無くさなくなった。このとき専門店の消滅の穴埋めをしたのがコンビニで、発祥のアメリカではフランチャイズが店舗を用意しガススタンドに併設されたコンビニは退役軍人などの就職先として用意されたのに対し、日本では酒屋、米屋などからコンビニへ家業の変更と言う形で跡継ぎ問題を吸収して行った。社会の変化が商店街を生み、そして無くしつつ有る。
震災後の石巻市では商店街が復興の核としてボランティアを集めた一方、郊外型のショッピングセンターにはボランティアが集まらず企業従業員頼みになっていた。商店街が買い物だけではなく生活の場として地域のコミュニティの核になり得ると言うことだ。筆者は商店街の有用性を生かすにはエリア規制を組み合わせながらも営業免許の相続については見直し、地域で管理し流動性を高めて新しい事業を始めやすい仕組みづくりを提案している。
「お年寄りの原宿」巣鴨地蔵通り商店街なんか見てるとまだまだやりよう次第だと思うけどねえ。高齢化が進む日本でどういう街が好まれるようになるかでしょうか。続きを読む投稿日:2014.01.01
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今は商店街って実はいいよね、のフェーズだけど、既得権益集団として見られていた時代があったことに驚いた。
投稿日:2024.03.24
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