- 最新巻
第二次世界大戦 4
W・S・チャーチル(著)
,佐藤亮一(訳)
/河出文庫
作品情報
第二次世界大戦は、連合国側による反抗へと戦局が転換していた。ドイツ、イタリア、日本は守勢にまわり始め、スターリングラードの攻防戦で形勢は完全に逆転した。シシリー征服からイタリア進攻、テヘラン会談。そして一九四四年六月六日、ついに史上最大の作戦「ノルマンディー上陸」が開始された。翌年五月、チャーチルはドイツの無条件降伏を発表した。
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商品情報
- シリーズ
- 第二次世界大戦
- ジャンル
- 教養 - 戦記(ノンフィクション)
- 出版社
- 河出書房新社
- 掲載誌・レーベル
- 河出文庫
- 書籍発売日
- 2001.07.01
- Reader Store発売日
- 2012.07.06
- ファイルサイズ
- 5.6MB
- ページ数
- 482ページ
- シリーズ情報
- 既刊4巻
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この作品のレビュー
平均 4.3 (12件のレビュー)
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戦争と政治の行く末は?
史上最大の作戦 D-DAYがクライマックス・・・と思いきや、戦後の世界を考えるのはやはり政治家。 嫌味ではなく、そのような事を考える人がいて、準備をして、交渉する。 そして今の世界があるのだなとしみじ…み思います。世界という観点(とは言え、イギリス中心ですが)で語れる稀有の政治家チャーチル様。尊敬しています。 1巻~4巻のこの本。1年かけて「読む目標」にするのもよいのでは。 続きを読む
投稿日:2013.12.24
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Dデイから終戦まで
第3巻でのアラメイン、スターリングラードが第二次世界大戦の転機だったとすればそれを決定付けたのがオーバーロード作戦、ノルマンディー上陸だ。独ソ開戦以来ソビエトが求め続けた西ヨーロッパでの第二戦線に対し…チャーチルは慎重だった。この本では何度もチャーチルがオーバーロード作戦の邪魔をしたという風評に反論している。チャーチルが考えた作戦実行の前提条件は3つ。ドイツ空軍力の削減、北部フランスに独軍12師団を動員させず今後2ヶ月以内に15師団を整備させない、そして大部隊を海岸に維持するために少なくとも2つの人工港を作ることだ。
ロンメルのアフリカ軍団を潰走させ、大きな被害を受け続けたUーボートに対しても1943年後半には優位に立っている。地中海を制覇したことでイタリア侵攻が始まった。7月には米空軍がローマを爆撃し、25日ムッソリーニが失脚した。ムッソリーニがいなければ共産主義のイタリアが異なる危険と不幸をもたらしたというのがチャーチルの読みであり、エチオピアを侵略しヒトラーに賭けて参戦したことがイタリアに不幸を呼び込んだ。
ティルピッツ、シャルンホルストと言う2大戦艦も10月には無力化し、大西洋の制海権を連合国が握り米軍の兵と物資がヨーロッパ戦線に運ばれる準備が整った。チャーチルの主張はオーバーロード作戦に向けて上陸艇を準備することであり、またドイツ軍を分散させるためにイタリアへも上陸しローマへ向かう。そして上陸場所はカレー海峡とドイツに信じ込ませた。
DデイとHアワーは早朝月明かりを利用して海岸に接近し、高潮の3時間前ー接岸しやすく、海岸を歩き過ぎないーことで決められた、それが6/5〜7の3日間でもし天候が悪ければ2週間後に延期される。兵員17万、車両2万、食料数千tが船に積み込まれたが、5日は延期された。ドイツの気象官は荒天が数日続き侵攻は不可能と予想した。イタリアでは4日ローマが陥落、5日午後9時15分気象予報官は6日朝一次天候が回復すると予想した。天候は賭けになるが2週間後まで上陸地点を秘密にできるか?そしてDデイは6日と決まった。
ノルマンディー上陸作戦の描写そのものは全くと言っていいほど無い。チャーチルが見ているものはむしろ特に石油の補給線であり、次にどの港を確保するかだ。8/24ついにパリが解放された。この間のエピソードには映画になったヒトラー暗殺作戦「ワルキューレ」が7/20に決行されている。
この後も戦闘は続くのだが第4巻の後半ではむしろ戦後体制をどうするのかについて英米とソビエトとの駆け引きが続いている。国連安保理の常任理事国の拒否権が生まれたのもこの交渉の中からで、3国が一致した政策を取ることで英米とソビエト間に亀裂を生まないようにするのが目的の一つであった。「最大の危険はわれわれの間で抗争を起こすことである」。また国連の議決権について小国でも1票は1票とするのでは安全が保てないというチャーチルの考えも見て取れる。
「西ヨーロッパがやむを得ない以上にロシアに押さえられるのは望ましくない」。45年4月にルーズベルト大統領が亡くなりアメリカは世界の運命を左右できる立場だったが真の一貫した構想を持ち合わせていなかった。イギリスは単独で決定的な行動を取ることはできなかった。チャーチルが警告と弁明しかできなかったと書いているのは英米が一致した行動をとり、簡単に軍を引かなければ東欧全てをロシアの勢力圏に置くことは無かったとの後悔があるのだろう。
例えばポーランドは常にヨーロッパからロシア侵略の道だったため東部はソビエト領に西部はドイツからポーランド領に国境が書き換えられた。ポーランド人による民主的な政府を主張する英米に対しスターリンは「親ソ」政府を要求した。チャーチルは米軍が引かないように要請したが結果として東欧全てはソビエトの支配下に収まり鉄のカーテンが降ろされた。
最後のエピソードは原爆の開発成功によりこれまでの戦争の常識が通じなくなってしまったことと日本の全面降伏だ。チャーチルは対日戦が長引くことによる損害を押さえるために必要だったと書き、また日本には大量のビラを撒いて無条件降伏するように警告したとしている。しかしチャーチルも書いているように原爆なしでも日本の海軍は壊滅し、物資も輸送できず日本が負けるのは時間の問題だった。
「一、二回の激烈な衝撃のうちに全戦争が終結する光景が浮かんだ。それは実際、快く輝かしいものに思われた。私が瞬間に思い浮かべたのは、私が常にその勇気に感嘆してきた日本人が、このほとんど超自然的な兵器の出現のなかに彼らの名誉を救う口実を見出し、最後の1人まで戦って戦死する義務から免れるだろうということだった。」後半は言い訳としてもこれが本音だろう。続きを読む投稿日:2015.06.21
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