検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~
倉山満(著)
/光文社新書
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現在、日本を覆う「増税の空気」はいかにして形成されたのだろうか? 財務省は、前身の大蔵省以来、「戦後最強の官庁」として日本に君臨してきた。しかし、大蔵省ほど絶大な権力を持ちながらもこれまであまり注目されてこなかった組織はない。気鋭の憲政史家が大蔵省・財務省の歴史にメスを入れ、百五十年の伝統を検証しながら、知られざる政治との関係を描き出し、日本再生への道を綴った本邦初となる意欲作。
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この作品のレビュー
平均 3.9 (23件のレビュー)
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財務省とはこういうところだったのか。
「デフレ不況下で恒久的増税を行うこと」は誤りで、増税は大蔵省(財務省)百五十年の伝統に反する行為。これが本書冒頭の言葉。しかしながら、読み進めていくうちに、頭の中は疑問符だらけ。
本書は、大蔵省・財務…省が自ら語っている記述を軸に進められる、いわゆる「大蔵史観」。大蔵省の書く正史に、大蔵省の都合の悪いことが書かれるはずもなく、「真実の大蔵省の物語」とあるが、それは大蔵省の言い分にすぎない。
衆議院を「天敵」とするという言葉が出てくるが、それはすなわち国民が「天敵」ということ。それが大蔵省の本音。
冒頭の「増税は伝統に反する」だが、大蔵省が進めた酒・たばこの値上げは「増税」ではないのか?
大蔵省が最も頼りにした大平が掲げた「一般消費税の導入」は「増税」ではないのか?
斎藤次郎がしかけた国民福祉税導入は、増税ではなかったのか。
「あらゆる苦難を乗り越えた武藤のキャリアが踏みにじられた」?そんなこと一般国民にとってはどうでもいいことでは。
著書の最後に、大蔵省の本など書いて大丈夫か、と心配されたとあるが、これだけ大蔵省を礼賛しておけば、大丈夫だろう。
なぜここまで大蔵省の肩を持つのか。筆者は筋金入りの反共(筆者の反共思想は、この著書の中にも頻繁に現れる)で、執筆当時は民主党政権が脱官僚の政策を進めていたことが一因か。
大蔵省(財務省)が何を考えているか、についてはよくわかる本。続きを読む投稿日:2014.03.11
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鵜呑みにはできないが、読んでおく価値はあるかな、と。
まず最初に。
財務省の立場で正しい悪いの価値判断がされているので、そこは割り引いて読む必要があります。
また、私はあまり近現代史に詳しくないですが、「え~、そうなの?本当に?」と思うような歴史解釈も…あります(著者も「通説とは違うものもある」と認めていますが)。通説が常に正しいとは限りませんが、ある程度知識を持って、批判的な視点を持って読むのがよさそうです。
ただ、財務省(昔は大蔵省)が「健全財政」の方針のもと近代日本の発展を支えてきたのはたぶん間違いではなく、その歴史的事実と「健全財政」の意味するところをこの分量で知ることができるという点で、読んだ価値はあったかな、と思います。
かなり意外だったのは、もともと大蔵省は「増税は最悪の手段である」と考えていたということ。
財務省というと「財政規律」(=「歳出≦歳入。そのためには増税必須!」 )を振りかざして消費税増税したくて仕方がないというイメージがありますが、本来の財政規律とは「何も考えずに歳出>歳入にしてはいけない」ということであって、増税がセットではないのです。続きを読む投稿日:2016.01.02
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