世界で勝てるデジタル家電 メイドインジャパンとiPad、どこが違う?
西田宗千佳(著)
/朝日新書
作品情報
iPadが日本で生まれなかったのには理由がある。世界のモノづくりのルールが変わったのだ。従来のメイドインジャパンのやり方では戦えない。超・量産と「修理するより新品交換」のモノづくりのルールが、いま世界を席巻している。これこそアップル勝利の方程式。メイドインジャパンも「ルールを変える」ことが復活のカギだ。東芝、パナソニックなど、成功例に学べ。
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商品情報
- シリーズ
- 世界で勝てるデジタル家電
- 著者
- 西田宗千佳
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - コンピュータ・インターネット
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 掲載誌・レーベル
- 朝日新書
- 書籍発売日
- 2010.10.30
- Reader Store発売日
- 2012.02.03
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (8件のレビュー)
-
本書は「メイドインジャパンとiPad、どこが違う?」のかを技術・機能や戦略を含めた総合的観点から、日本の製造業とアップルの違いを良くわかるように解き明かした良本であると思う。
アップルのiPhon…e・iPadがすごい勢いで疾走し業界を席捲しているのも知ってはいたが、その技術的内容や専門的評価の詳細を本書で知ることができて興味深く読めた。
「iPadは何がすごいのか」で、iPhoneを見て日本の技術者は衝撃を受けたという。それは決して技術的にはすごくはないが、その発想がすごかったという。「電波」「カメラ」「サイズ」「操作性」の4つの評価点の配分のうまさが際立っているというのだ。アップルは前者3つはそこそこでも、「操作性」を大胆に引き上げたところに戦略性があるとの指摘だろう。アップルは日本メーカーの発想とは真逆の発送でものづくりをおこなっているとの視点は興味深い。
「アップルが仕掛ける超量産の時代」では、アップルの量産システムを推測している。iPhoneは年間2000万~3000万台。iPadは年間800万台という桁違いの台数を出荷しているというのだ。その製造システムや製造の分析は専門的ではあるがおもしろく読めた。
本書では「スマートフォンとは、2000年からの10年間、携帯電話を支えていたビジネスモデルを覆す存在であり、iPhoneはその際たるものであると断言する。その理由が「プラットフォーム」にあるとは驚きである。
また、本書によって薄型テレビの世界シェアでサムソン電子がトップを走っている理由も良くわかった。アメリカの消費者は、日本の高画質・高付加価値製品よりも、少々画質が劣っていても、デザインが良くて、今までよりもリビングで栄えて、手に入りやすい価格のサムソンのテレビを選択したというのだ。日本の製造業の技術者に「オーバークオリティ」というのはちょっと酷な話だなとも思った。技術者は何よりも良い製品を作るのが使命とも考えるからである。
本書は「日本にはまだまだ技術はある」と言う。ただ「未来も海外の市場も見なかった」と指摘している。本書を読んで、なぜアップルやサムソン電子に日本の製造業が敗れたかの一端を知った思いがする。もっと良いものを作るのは技術者の仕事だが、経費も時間も有限である以上、本書の指摘する諸点を考慮し、日本の製造業が再興してくれることを望むものである。本書は、技術を扱ってはいるが、読みやすく、わかりやすく高く評価できる本であると思う。続きを読む投稿日:2011.12.01
デジタル家電と呼ばれる領域について、iPadの優位性、そして国産ベンダーでもまだ太刀打ちできる部分があることを記述した一冊。
言うは易し、行うは難しか?投稿日:2013.08.24
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