麻布中学と江原素六
川又一英(著)
/新潮新書
作品情報
明治の古武士・江原素六。貧しい幕臣の子に生まれた男の情熱と人格が私立中学の雄を創った――。名門校にはかならず独自の校風がある。麻布中学も例外ではない。独立自尊。青年即未来。この初代校長の精神が「自由の校風」を生み、それは百年後の今日も脈々として受け継がれている。常に〈私立〉たる誇りを失わず、日本の近代中等教育の礎を築いた男の魅力ある生涯。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 麻布中学と江原素六
- 著者
- 川又一英
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮新書
- 書籍発売日
- 2003.09.20
- Reader Store発売日
- 2012.01.27
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 186ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
-
麻布中学校と言えば、男子御三家の一つとして有名な学校である。その中でも、他の二校-開成中・武蔵中-と異なる特色として、いい意味でも悪い意味でも自由闊達な校風(「ズバ抜けて自由な中学」)を持つ学校である…ことが知られている。本書は、麻布中学校の創立者である江原素六に焦点を当て、こうした校風がいかに形成されていったのかを論じたものである。
やはり面白いのは江原素六という人物である。元は幕臣であった江原は、明治という時代を「敗者」の一員として歩み出す。この経験は、彼が「官」に対する「私」を強く意識するキッカケとなり、後に「江原の反骨精神=リベラリズム」(p.125)へと発展し、麻布中学校の校風を形成する根幹となったと指摘する。私も本書を読んで、キリスト教信者でありながら、最終的には伝道会社から独立して麻布中学校を設立した(江原の)「柔軟な思考」(p.11)や、教育勅語でさえ不変のものとは捉えない「合理主義」(p.124)の根幹には、幕府の崩壊という価値観の大転換を当事者として目の当たりにした彼の経験があったのではないかと思った。
最後に、麻布の「自由」については「自治と独立自尊の徳に裏づけられたものでなければならない」(p.171)とまとめ、それこそが麻布中学校が校風としてきた「江原精神」であると指摘する。これが今日でも守られているかはさておき、麻布の原点を確認するという意味でも、また、学校の沿革を知る上でも、本書は(トリビアも多く)なかなか面白い一冊であった。続きを読む投稿日:2012.02.11
出身校の創立者だから江原素六の名前と胸像は入学した時から知っているし、沼津にも縁のある人だということは知っていたが、そこから先のことはほとんど知らなかった。沼津の学校と麻布の時間関係も含め。
麻布が東…洋英和から独立するに至る経緯も、よくわかった。文部省の訓令の影響を受けたのは他のミッションスクールも同じであったが、同じ道を歩んだところはないようだった。
筆者は他の私立一貫校の出身のようで、それ故に麻布を買いかぶっているところもあるように思うが、江原素六が稀な資質を持つ人であったことは間違いなく、その色が今につながっているというのは言われる通りなのだろうと思う。
この本は、麻布と縁のない方から薦められた。このような教育者があったことを知るために、よい本だと思う。続きを読む投稿日:2013.09.07
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。