経済危機のルーツ
野口悠紀雄(著)
/東洋経済新報社
作品情報
経済学者・野口悠紀雄氏の日本経済論。1970年代以降の世界の構造変化を振り返ることで、今日の日本経済停滞の原因を明らかにしていく。
この40年の変化のうち特に大きいのは、冷戦の終結、1990年代に起きたIT革命と金融革命、中国の工業化だといえよう。それらを経て、世界経済は資本や人的資源がグローバルに移動する時代を迎えた。
その中で日本は、IT革命・金融革命という変化に抵抗し、モノづくりにこだわり続けてきた。日本は製造業が生み出したモノの輸出はしているが、カネとヒトのグローバルな移動という観点からすると、未だに鎖国状態にある。40年間に起きた世界の構造変化に対応できていないのだ。
「2007年からの金融・経済危機は企業と産業の、そして国家の、壮大な選別過程だった。アメリカは危機を通り抜けて強くなったように見える。日本がこれから探求すべきは、脱工業化社会への道筋だ」と著者は強調している。
本書は、2010年4月に東洋経済新報社より刊行された『経済危機のルーツ』を電子書籍化したものです。
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商品情報
- シリーズ
- 経済危機のルーツ
- 著者
- 野口悠紀雄
- 出版社
- 東洋経済新報社
- 書籍発売日
- 2010.04.22
- Reader Store発売日
- 2011.12.02
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- ページ数
- 384ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (27件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
中国が工業化し世界の工場としての役割を担うようになり、製造業からの脱却は必然の方向であった。所詮製造業に固執しても低賃金で生産される中国製品にはかなわない。アメリカはいちはやく経済構造を製造業から金融業中心に変えた。リーマンショックの震源であったにもかかわらずGDPの落ち込みを日本などに比べれば、はるかに軽微に抑えることができた。他方、日本は、失われた20年の間、金融緩和と円安政策により輸出を増加させ、実力以上に景気を回復させてしまった。輸出中心の産業構造から脱却できず、虫の息であった鉄鋼業さえ息をふきかえさせてしまった。脱工業化できなかった日本経済は、リーマンショックによりなすすべもなく地盤沈下し、過剰な生産設備を抱えた製造業の受けた被害はまことに甚大深刻なものとなった。構造改革を怠った代償はあまりにも大きく、外需に依存する経済成長は永続できないことが明らかとなった。高賃金ではあるが、高い技術力を持つ日本の比較優位を生かすことができる国際分業の姿は、機械などの資本財や部品などの中間財に特化することである。にもかかわらず政府の施策はあいもかわらず古い経済構造を温存するものであり、新しい経済構造への転換を促すものではない。現在、再び新興国の活況により輸出産業が元気を回復しているが、好調な時こそ構造改革の好機であり、この時を逸してしまえば日本復権の道はまた遠のいてしまう。40年前、日本は東洋の小さな島国であった。ただし、40年前は「明日は今日より豊かになる」という確信があった。しかし、今は希望がない。謙虚さというものをすっからかんに失ってしまっている。他方、隣国、韓国は今も外国に学ぶという謙虚さをもって奮励努力しており、様々な分野で赫々たる成果をあげている。今の日本に最も求められること。それは謙虚さを取り戻し優れたものに学ぶ勇気をもう一度もつこと。著者の言葉重く心に響く。
レビューの続きを読む投稿日:2012.07.06
序 章 なぜ歴史を振り返るのか
第1章 現代世界経済の枠組みが1970年代に作られた
第2章 経済思想と経済体制が1980年代に大転換した
第3章 ITと金融が1990年代に世界を変えた
第4…章 1990年代はアメリカとイギリスの大繁栄時代
第5章 未曾有のバブルとその崩壊:2000年代
終 章 日本が停滞を打破するためになすべきこと
経済構造の変化。農業から工業化する時に国は成長期を迎える。歴史は繰り返す。続きを読む投稿日:2022.02.04
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