この作品のレビュー
平均 3.6 (29件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
サハラ砂漠の砂の数に例えられていたところが、そんな例え方があるのかと目から鱗。子どもに「なぜ勉強するの?」と問われた時に、応えられるようになりたいと、その参考にしたいと手に取った。子に、未来は明るいと言い切っていきたいという部分に激しく共感。本題とは違うが、私自身ももっと深く調べて分かりやすく噛み砕いて説明できるようになりたいと思う材料がチラホラ。
レビューの続きを読む
全体を通して筆者の熱量を感じ、「おわりに」を読み終わった時にはあつさを感じるほどだった。本書はもちろん筆者の解釈、意見なのだが、ひとつの考え方として、私には非常に貴重な本になった。
何度も読み返したいと思った。表紙がブクログの画像は女子高生が写っているものだったが、手元にあるのは人物やイラストは無く、おうど色と白色の色のみのものだった。2019/8/19
2019/9/4ざっと再読。覚えておきたいところをメモ。
筆者が何度も訴えていたのが
「理解力(読解力)」「想像力」「表現力」が全てに通じており、大切だということ。そして大人は「未来は明るい」と子どもらに伝えていこうということ。
私は、どうだろう?変に「よく思われたい」という自意識が出て、本質でない行動や言動をしてしまうことが多々あるのではないか。大きな社会問題や身の回りのコミュニティの問題も、自分の身近な問題も、「本質」は何なのか?「自分が」したいこと、ありたい姿、あってほしい状態、は何なのか?そこから目をそらさずに向かい合って、考えて、言葉にして、そして解決策なり自分が取るべき行動なりを見つけ、実行していく力が大切なんじゃないか。(=理解力、想像力、表現力)
…そう、改めて思うきっかけをもらった本となった。そして、今このレビューを書いていて、今自分が感じていることを言葉にすることができない力不足さ、語彙力の貧弱さを悶々と感じている。社会人になって自分の説明能力と課題を明確にする力の不足を痛感して、こりゃ読書やろ、と思って徐々に読書量を増やしてきた。その中でブクログ始めて読書量がガツっと増えて早3年。読み方も変わってきた。が、まだ語彙力は貧弱。
自分が知らなかった知識も多分に書かれていた。
何度も何度も読んで、自分の取るべき行動は何なのか、考える土台にしたい。そんな本だった。2019/9/4
以下、断片的に引用。
p136…文化は共通である必要はありません。欧米にもアフリカ諸国にもすばらしい文化があるし、わが日本にも世界に誇れる文化があります。しかし、だからと言って、あなたはあなた、わたしはわたしの勝手と、相対主義に逃げ込むだけでは、何も生まれません。世界に共通の論理を作った上で、各国各民族の文化を守る、共通の中から特殊
性を見出すことは不可能ではないとぼくは考えます。
二〇〇三年にSMAPが歌う「世界に一つだけの花」が大ヒットしました。あの曲の歌詞には、どんな花にも美しさがあり、何が一番かは決められない、人間だってそれぞれ個性が違うのだから、競い合わなくていいじゃないかというメッセージが込められています。
イラク戦争の開戦前に流行ったため、一種の反戦歌のようにも歌われたようですが、あのメッセージを広めるだけでは平和は絶対に来ません。それぞれの個性を認めるのはいいとして、人類は共通の基盤を模索しなければ共存できないのです。「君は君、ぼくはぼく」という割り切りからは何のコミュニケーションも生まれません。
すべての花には与えられた役割があります。それは、その花に与えられた範囲で精一杯美しく咲くように努力することであり、地球を百花線乱で覆うことです。人間も同じです。個性が違うのはかまいませんが、共通の論理のもと、みんなで生きていて「楽しい社会、生きる実感が得られるような社会を作っていかなくてはいけません。
「それぞれでいいじゃん」「努力しなくてもいいじゃん」という甘いささやきからは何も生まれません。
-情緒で動かず、相対主義に逃げ込まず、世界に通用する論理を手にいれることが大切だということですか。
(中略)一人一人の人間がきちんと意見を出し、それぞれが責任ある意見を戦わせることは、わがままや個人主義とは異なります。これをやらないと、よりよい答えは見つからないのです。もちろん、物事をクリアに考え、はっきりと意見を述べるには勇気が必要です。日本人にはこの勇気が欠けています。
p143…日本人に決定的に足りないものが論理です。
日本語は、しばしば腰味な言語と言われます。英語と比較すると、その違いは歴然
としています。英語は主語がはっきりしており、どんな文にも必ず主語があります。
「文法は数学の公式のようであり、物事を論理的に考えたり、表現したりするのに適しています。日本語はそうではありません。主語がはっきりせず、情緒的で、使う人が意見を表明するのに向いていません。
だから、日本の子どもに英語の早期教育を、というのはあまりに短絡的すぎる考
え方です。子どもが言語を身につけるには、それにふさわしい年齢があり、国語力を確立すべき時期にほかの言語まで教え込もうとすると、国語の習得が伸びなくなります。小学校での英語教育を必修化させようとの議論もあるようですが、ほくはまず書かせる、論述させる国語教育を優先させるべきだと考えています。
その教育は徹底的に論理を磨くものでなくてはなりません。理解力·想像力·表現
力の三つの能力をベースに、論理的思考を身につけていけば、父性を多少なりとも獲
得できるようになるでしょう。物事を男性的にとらえ、情緒ではなく、論理に従って
判断できるようになっていくはずです。
その上で、日本語をもっとうまく活用できないものかとも考えています。情緒的き
ものを表現するのに適した日本語を存分に用いて、徹底的な論理的思考を追求するの
です。日本人が物事をクリアに理解し、頭の中で整理できさえすれば、その表現は自ずと論理性を帯びます。
これによって、日本人の父性と母性のバランスがとれると同時に、日本人らしい情緒を込めた表現によって世界に何かをアピールできるのではないかと思うのです。
p168…
(前略)幸福ではなかったがゆえに、人間は歩き出し、文明を発展させてダイナミックに変革を遂げてきました。時代時代の理不尽さを解消させ、よりよい方向へと舵取りをしてきました。奴隷が制度として認められていた時代と、解放されて後の時代と、どちらが倫理的であるかは、言うまでもありません。
文明の進歩は結果的に核兵器を生んだからと、これを否定する人間は少なくありま
せん。進歩には必ずいい面と悪い面がつきまといます。どちらの面に軍配を上げるかもまた、判断する個人のキャラクターによります。
過去からずっと、日本の上の世代は、将来に対して暗い展望ばかりを口にし、「世
も末だ」と嘆いてきました。未来がよくなるか、それとも悪くなるか、どちらを信じ
るかで、子どもたちの将来は変わってきます。
→北原照久さんが「体は食べ物で作られる、心は聞いた言葉で作られる、未来は自分の話した言葉で作られる」と言っていたことを思い出した。これにも通じるよね。
p169…
現在、子どもたちが立つ地平が最も標高の高いポイントであり、先に下り坂が待っ
ているのだとしたら、坂を転がっていけばいいのだから、楽なものです。 しかし、より高みへと至る上り坂が未来に延びているとなれば、子どもたちは、登攀(とうはん)を目指し、現在という時間をトレーニングに費やさねばならなくなります。「若いうちが花よ」と、現在を無駄にしている余裕はありません。
世界は過去よりもよりよくなっていると確信してください。いくら理不尽や不合理
を解決しても、次々と新しい問題が湧き出てきます。手をこまねいて静観するわけに
はいきません。解決するためには、若い世代の知恵を結集して、より質の高いディス
カッションが行われなければなりません。
質の高いディスカッションに必要とされるのが、「理解力(読解力)」「想像力」「表現力」です。「脳死」と「遺伝子組み換え食品」の例で、その点を説明しました。脳死と植物状態を混同したり、遺伝子組み換えの仕組みも知らないまま、この議論を行おうとしても、未来をよりよくするための答えが出にくくなってしまいます。一般的に通用している固定観念で判断せず、物事を正確に知った上で、自分の判断を行うべ
きです。
勉強は、小金稼ぎのテクニックを身につけるためにするものではありません。「理
解力(読解力)」 「想像力」「表現力」の能力を養って、世界を覆う膨大な量の情報を
「取捨選択し、世界に共通なものさし(論理)で判断し、価値あるディスカッションにょってそれぞれの立場を戦わせ、よりよい解答を発見する可能性をほんのわずか高めることに、勉強の目的はあります。
なぜ勉強するのか……、答えはおのずから明らかになります。
人類の進歩に貢献するためなのです。
2019/9/4投稿日:2019.08.19
子供に対する、なぜ勉強しなくてはならないのか、という素朴な疑問に答える一つの解として、説得力があり、納得性が高い。将来の人生に役に立つ、というシンプルな答えを子供に対してしていたが、それを理解力、想像…力、表現力の3つの力で表現していたのは論理的で分かりやすかった。社会に出てからは答えのない問題に対峙することが増えるし、自分自身が考え、決断し、行動することが求められて行く。そのためには、義務教育の基本的な知識と理解は必須な上、その後に学ぶ幅広いジャンルの深い造詣があることが必要なのだ。考えることの楽しさと、懐古主義に陥らず、今よりも明るい未来を作るために必要なこと、として勉強の大切さを表現している。続きを読む
投稿日:2024.02.11
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。