ぼくの村の話(1)
尾瀬あきら(著)
/モーニング
作品情報
「ぼくの村」、それはどこにでもあった日本の村のひとつだった――。1966年6月、少年たちは暗闇のなかで、青白く輝く馬が飛ぶように駆ける姿を見た。その日は、彼らの村がつぶされる決定が下された日でもあったのだった……。新しい空港を建設するため、20年かけて開墾してきた自らの土地を、突然奪われることになった農民たち。彼らの長きにわたる戦いが、今、幕を開けた!! 「成田闘争」を題材としたフィクション第1弾!!
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- ぼくの村の話
- 著者
- 尾瀬あきら
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- モーニング
- 書籍発売日
- 1992.11.21
- Reader Store発売日
- 2011.06.23
- ファイルサイズ
- 103.4MB
- シリーズ情報
- 全7巻
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
この作品のレビュー
平均 4.5 (2件のレビュー)
-
なぜにこの漫画の登録者がゼロ???
『夏子の酒』の尾瀬あきらの代表作で、全7巻。
成田空港闘争の話(事実に基づいたフィクション)。投稿日:2009.11.29
「ぼくの村」とはいわゆる三里塚(千葉県成田市三里塚および同山武郡芝山町)のことである。もしかして若い世代には「三里塚ってなんじゃらほい」という人もいるかもしれないので、ちょっと説明を加えよう。話は一…九六六年(あれからもう三〇年以上にもなるのだ)にさかのぼる。国はこの三里塚に新たな国際空港をつくる、と決めたのである。「それがボタンのかけちがいのはじまりであった」と言ってしまえば一言ではあるが、その村の人々にとってはそんな一言では済まされるものではないだろう。この物語の主人公は言う、「1966年7月4日 国は決めたんだ ぼくらの牧場を…… ぼくらの村をつぶすことを……!」(第三話 ベトナム戦争)と。
今では莫大な数の人々がこの空港から世界へ飛び立ち、この空港を通って世界から日本へとやってきている。そのうちどれだけの人間が一瞬でもいい、この空港のために苦しみ、悩み、傷つき、そして多くのものを失った人間がいたことを思い起こすのだろうか。この『ぼくの村の話』は突然「ここに空港を造るから出ていけ」と言われた農民たちのたたかいの物語である。そして主人公の「ぼく」はその時小学生だった少年である。今の自己決定力を奪われ、セルフイメージを描けなくなった少年たちではない。この時代を知らない人には理解できないかもしれないが、自分たちが生きることを脅かされた子どもたちは少年行動隊を組織し、自らの生活と存在をかけて実際にヘルメットをかぶり、国家権力とたたかったのである。
それにしてもここに出てくる教師の姿は悲しい。たとえば農民たちは反対派と条件派(買収等の条件を受け入れて土地を手放す人々)とに分かれていくのだが、そうした事情が子どもたちの間にもひびを入れるようになってくる。「条件派の子とは口をきくな」という短絡的な親の声に対して少年は「敵は公団だっぺ」と言い切り、友情を守ろうとする。しかし、教師のせりふはこうである。
教師「哲平(主人公)……5年2組にはな……何人もの条件派の家の子がいる。そして反対派の子もいる。もし先生が空港に反対だといったら条件派の子どもたちは何と思うだろう……」
哲平「……」
教師「その逆も同じだ。だからおれは賛成とも反対とも言えんのだ。おれにとってはみんな大事な生徒たちだ」
源次(条件派の子)「賛成でも反対でもねえだとよ。バッカヤロー。そんなこといってるうちになァ、ブルドーザーがやってきて学校つぶされちまうんだぞ!どうなんだよ先生。そうなっても賛成でも反対でもねえのかよオ!」 (第七話 強権)
子どもたちは反対派だろうが、条件派だろうが問題の本質を見抜いている。しかし、中立を気取る教師の口からはどの子も大事だといいながらどの子も傷つけてしまう偽善しか出てこない。こうした教師の姿勢は今どれだけ変わったのだろうか、この物語では子どもたちはこのような教師たちを偽善者として見限っていく。もしかして、今も子どもたちは教師を見限っているのではないか、なんてふと考えてしまった。三里塚闘争を舞台にしているが教育は誰のために行われているのか、問いかけてもいる力作。
そうそう、登場する地名、人名、政党名、団体名は実在のものとは別の名称が冠せられている。さあ、歴史的に正しい固有名詞に戻してみよう。
◎現代史を活字で読むのが苦手な人に最適。自分の教師観が試される秀作。
★★★★続きを読む投稿日:2010.04.02
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。