初陣―隠蔽捜査3.5―(新潮文庫)
今野敏(著)
/新潮文庫
作品情報
警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。
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商品情報
- シリーズ
- 隠蔽捜査
- 著者
- 今野敏
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2013.02.01
- Reader Store発売日
- 2016.07.22
- ファイルサイズ
- 1MB
- シリーズ情報
- 既刊13巻
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この作品のレビュー
平均 3.9 (147件のレビュー)
-
1.著者; 今野氏は、大学在学中に「怪物が街にやってくる」で、問題小説新人賞を受賞し、作家デビューしました。隠蔽捜査シリーズで脚光を浴び、第一作「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞受賞。第二作「果断 隠蔽…捜査2」で、山本周五郎賞と日本推理作家協会賞を受賞しています。中学生の頃、北杜夫に憧れ、詩を書き始めました。北杜夫独特のユーモア感覚と小説全体に漂う上品さに魅了されたそうです。空手の指導者という武道家でもあり、異色の作家です。
2.本書;警察庁のキャリア官僚の活躍を描いた警察小説シリーズの第3.5弾です。今回は、前3作を補完する8つの短編集です。前作の主人公は竜崎でした。本書の主人公は同期の伊丹です。伊丹が事件の相談で、竜崎に関わっていくというショートストーリー集です。8つの作品は、「指揮」「初陣」「休暇」「懲戒」「病欠」「冤罪」「試練」「静観」です。「初陣」は初仕事のエピソード、「試練」は、「疑心 隠蔽捜査3」の舞台裏を書いています。
3.個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、私の感想と共に記述);
(1)「指揮」より、「警察官は、容疑者の確保のためにいるんだ。それが優先だろう。その為に、手続きが後回しになるくらい、どうという事はない。・・・合理的な判断を実行するためなら、遠慮なく行使すべきだ。そうじゃないか?(竜崎)」
●感想⇒この考え方に納得です。しかし、組織人は保身を考え、ややもすると、無難かつ安易な行動に走りがちです。私が勤めた企業でも、現場は情を重んずる傾向があり、貸し借りの世界がありました。そうした中で、合理性を貫くには、大変なストレスがあり、忍耐です。
(2)「休暇」より、「組織の効率だけを考えてないけない。組織というのは、歯車やゼンマイの集まりではない。人間が集まって作るものだ。・・・効率は追求しなければならない。ただ、改革にはいろいろな段取りが必要だ。根回しだとか、説得だとか・・・(伊丹)」
●感想⇒合理主義の竜崎に対して、現場主義の伊丹の忠告です。私は、竜崎の合理主義を支持します。しかし、組織は人間集団です。時と場合によって柔軟性も必要でしょう。
(3)「病欠」より、「刑事部長より先に電話を切る所轄の署長は、おそらく竜崎だけだろう。幼馴染という事もあるが、上下関係の気遣いなど無駄なことだと考えているのだろう(伊丹)」
●感想⇒組織は、タテ関係で構成されています。但し、上位の人が偉いという事ではありません。これに関しては、ホンダの本田宗一郎氏(創業者)も長が付くと偉いという事はないと、言っています。人間の偉さは別にしても、組織である以上、上位者への一定の配慮は必要と考えます。
4.まとめ;伊丹と竜崎は同じキャリアでありながら、『現場主義を重視する伊丹』と、『合理主義に徹する竜崎』のキャラクターが対照的であり、興味をそそられます。8短編の流れは、伊丹が事件の相談を竜崎に持ち掛けます。そして、竜崎は自身の哲学である原理原則に基づいて、伊丹にアドバイスし、問題解決される、というストーリーです。私は、「短編なんて」と高を括っていました。しかし、本書は、前編を補完すると同時に、竜崎と伊丹の人間性が顕示され、良い作品に仕上がっています。私はあえて絞れば、「指揮」「休暇」「試練」が良かった。いずれにせよ、竜崎の(従来の慣行や部下の視線等を気にせず、理屈を押し通す姿勢)を支持するファンには共感できる一冊でしょう。( 以 上 )続きを読む投稿日:2021.08.31
2024.3.20〜BSTBS放送
警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救…ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。『隠蔽捜査』シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。解説・村上貴史続きを読む投稿日:2024.03.27
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