リバタリアン宣言
蔵研也(著)
/朝日新聞出版
作品情報
いま日本の一部ビジネスエリートや高学歴層のなかで、極小の国家と最大の自由を目指す人びとが、確実に増えている。その名は「リバタリアン」。「日本史より世界史を教えろ」「福祉は国による強奪である」などの主張の背後には、人間の欲望への深遠な洞察と、自由への限りない憧れがある。「リバタリアン」の思想を理解してこそ、日本の将来が浮かび上がる。右翼でも左翼でもない「リバタリアン」への格好の入門書。
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商品情報
- シリーズ
- リバタリアン宣言
- 著者
- 蔵研也
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 書籍発売日
- 2007.02.28
- Reader Store発売日
- 2010.12.01
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 229ページ
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この作品のレビュー
平均 2.7 (7件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
一読して、本書は実はアンチ・リバタリアン宣言なのではないか、と疑った。なぜなら、本書のどの頁にも稚拙な論理やたとえ話、また即座に反論したくなる突込みどころがあふれており、些かの説得力も感じることができなかったから。本書を手に取った人の多くは「リバタリアン」なる主義に対し、今後かなりの警戒心と反発をもって望むことになるだろう。
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詰まるところ、本書の主張は公共領域の極限までの縮小ないしは廃止であり、それはとりもなおさず国民一人一人が辛うじて行使しうる主権=選挙における1票の価値を極限まで軽くし、あるいは消滅させ、金で横っ面を叩けば全てが通る社会を目指す企みに他ならない。累進課税が私有財産の侵害だなどと泥棒呼ばわりされるのであれば、労働力の搾取=ピンハネを業とする派遣業者はより悪質な泥棒だと言いたくなるが、リバタリアンの主張に照らせば、それは「派遣業者」の職業選択の自由が優先されることになるらしいから、呆れるのを通り越して笑ってしまう。
本書のようにあからさまではないにしろ、新聞やテレビには「リバタリアン的」ともいえる言説があふれている。イデオローグたちはそれと気付かれ無いように「リバタリアン的」思考を大衆に刷り込もうと日々懸命であるが、一部の「勝ち組セレブ(本書の帯より(笑))」ではない大多数の皆さんには、うっかりと騙されたりしないよう、彼らの主張のエッセンスをわかりやすく詰め込んだ本書をワクチン替りに一読しておくことをお勧めする。読みながら突込みを入れることを忘れずに。投稿日:2013.12.22
このレビューはネタバレを含みます
[ 内容 ]
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「国がそこまで口出しするなよ」「そんなの個人の自由に任せればいいの」一日に3回以上、そう考えるあなたは、リバタリアンの素質、十分である。
日米の勝ち組エリートの多くが、実は密かに支持する…「リバタリアニズム」。
その実像を、気鋭の学究が懇切丁寧に解説。
[ 目次 ]
1 日本の政治の現状とリバタリアニズム(小泉構造改革の勝利とリバタリアン;「小さな政府論」の背後にあるもの ほか)
2 リバタリアンな社会とは(現代国家の役割;古典的リベラリズムの変質 ほか)
3 リバタリアンの倫理(リバタリアンは身勝手な人たちなのか?;慈善活動は自発的に ほか)
4 国家の起源とアナーキズム(ダーウィン以前の社会哲学の曖昧な前提;ではいったい利他性はどこからくるのか? ほか)
5 社会契約説を再考する(税を払わない永遠の旅行者;日本の財政破綻で日本脱出 ほか)
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]続きを読む投稿日:2011.06.07
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