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ストアトップ > 特集 > 作家・シリーズ特集 > 小路さんの「フック」と「カコーン」と「モテ話」

小路さんの「フック」と「カコーン」と「モテ話」

『東京バンドワゴン』や『東京公園』など、青春小説や家族小説、ミステリーからSFまで、極上のエンターテインメント小説を次から次へと発表する、小路幸也さん。その尽きることない創作の源は一体なんなのでしょうか?小路さん流・物語の書き方から、プライベート秘話まで、大胆に語っていただきました。

小路幸也のその他の作品

  • 旅者の歌 始まりの地

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  • 無料 旅者の歌 第二部 お試し版

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  • 旅者の歌 第二部 第1回

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  • 旅者の歌 第二部 第2回

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    何もかも白い奇妙な森に足を踏み入れたリョシャたちは、ヒュルギアンズの王と名乗るドュランドセットルンと出会う。親切にも、ドュランドセットルンは、ヒュルギアンズ国へリョシャたちを誘い、あらゆる手を尽くして歓迎する。だが、夜、ジェイラはドュランドセットルンの奇妙な行動を目撃してしまう。彼の真意とは!?

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    果ての地に行くためには、中途の王を倒さねばならない・・・・・・。ドュランドセットルンにそう伝えられたリョシャたちは、ドュランドセットルンの応援のもと、中途の王との戦いに出た。白き森の魔獣たちが容赦なく襲いかかる中、血しぶきをあびながら必死で戦う。その先に待っていた中途の王は、思いもよらぬ姿をしていた。

  • 旅者の歌 第二部 第4回

    小路 幸也(著)/ 幻冬舎

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    中途の王を倒したリョシャたち。ヒュルギアンズ国では宴が催され、リョシャたちは英雄として歓待される。ひとびとがすっかり楽しんだ後、ドュランドセットルンは、リョシャたちとともに果ての地を目指して旅をすることを誓った。ついに、<オル・サール>の正体が明かされる。そして待ち受ける史上最強の敵とは!? 感動の第二部 最終回!!

  • 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は、今は珍しき大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本人好きのイギリス人、何かワケありの小学生まで、ひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生!!

  • シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。伝説ロッカー我南人60歳を筆頭に、ひと癖もふた癖もある堀田家の面々は、ご近所さんとともに、またまた、なぞの事件に巻き込まれる。赤ちゃん置き去り騒動、自分で売った本を1冊ずつ買い戻すおじさん、幽霊を見る小学生など……。さて、今回も「万事解決」となるか? ホームドラマ小説の決定版、第2弾!!

  • スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しい三世代の大家族。今回もご近所さんともども、ナゾの事件に巻き込まれる。ある朝、高価本だけが並べ替えられていた。誰が何のために? 首をかしげる堀田家の面々。さらに買い取った本の見返しに「ほったこん ひとごろし」 と何とも物騒なメッセージが発見され……。さて、今回も「万事解決」となるか? ホームドラマ小説の決定版、第三弾!!

  • マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    終戦直後の東京。華族の娘、咲智子は父親からある文書が入った「箱」を託される。それを狙う敵から、彼女の窮地を救ったのは、堀田勘一という青年だった。古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家で、咲智子はひと癖もふた癖もある仲間たちと出会い、敵に連れ去られた両親の行方と「箱」の謎を探るため、奮闘する。いつも皆を温かく見守るおばあちゃん・サチの娘時代を描く人気シリーズ感動の番外編!

  • オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    東京、下町の老舗古書店「東亰バンドワゴン」を営む堀田家は、今は珍しき四世代の大家族。店には色々な古本が持ち込まれ、堀田家の面々はまたしても、ご近所さんともども謎の事件に巻き込まれる。ページが増える百物語の和とじ本に、店の前に置き去りにされた捨て猫ならぬ猫の本。そして、いつもふらふらとしている我南人(がなと)にも、ある変化が……。ますます賑やかになった大人気シリーズ、第5弾!

  • オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    堀田家に春がきた。勘一のひ孫たちも大きくなり、にぎやかな毎日を送っている。そんなある日、一家にとって大切な人の体調が思わしくないことが分かり…。大人気シリーズ第6弾!

  • レディ・マドンナ 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    下町で古書店を営む大家族の堀田家に、今日も謎に満ちた客がやってくる。なんと一家の大黒柱・勘一に恋のうわさが舞い込む予感も!? 大人気「東京バンドワゴン」シリーズ第7弾!

  • フロム・ミー・トゥ・ユー 東京バンドワゴン

    小路 幸也(著)/ 集英社

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    2013年10月TVドラマ化(主演:亀梨和也)の話題作!! 老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する人気シリーズ。今作は番外編として、主要キャラクターの知られざる過去エピソードが語られる、珠玉の短編集!

  • ラプソディ・イン・ラブ

    小路 幸也(著)/ PHP研究所

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    ろくでなしでも、世間は名優と呼んでくれる。役者とはそういう職業だ。山と海に囲まれた、とある町の古い日本家屋。かつてそこは、日本の映画界を支えてきた笠松市朗が、愛する家族と過ごした家だった。笠松の息子、俳優・園田準一、笠松の前妻であり女優だった園田睦子、そして人気俳優で、笠松の二番目の妻との間に生まれた岡本裕。岡本の恋人である、人気女優の二品真里。バラバラになっていた彼ら五人が笠松の家に集まった。彼らの葛藤と思いが交錯するドラマの幕がいま開く。みな役者という彼らが、ひとつ屋根の下展開していくドラマ。「ラプソディ・イン・ラブ」――監督、紺田がつけたタイトルだ。彼らの言葉は、台詞か、真実か……。「東京バンドワゴン」シリーズの著者が描く家族の肖像。

  • HEARTBEAT

    小路 幸也(著)/ 東京創元社

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    優等生の委員長と不良少女の淡い恋。できすぎたシチュエーションかもしれないけれど、すべてはそこから始まった。彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、十年後、あるものを渡そう――そして十年が過ぎ、約束の日がやってきた。しかし彼女は姿を見せず、代わりに彼女の夫と名乗る人物が現われる。彼女は三年前から行方がわからなくなっていた。居場所を捜し出そうと考えたとき、協力者として僕の脳裏にひとりの同級生が思い浮かぶ。かつて僕に、ブックマッチの恰好良い火の点け方を教えてくれた男が――。約束を果たすため、ニューヨークの〈暗闇〉から帰ってきた青年が巡り合う少年少女たち、そして最高の「相棒」。『東京バンドワゴン』で脚光を浴びた名手による、約束と再会の物語。

  • HEARTBLUE

    小路 幸也(著)/ 東京創元社

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    ニューヨークの虹の朝、失踪人課のワットマンのもとへ、一人の少年が訪ねてきた。とある事件で知り合った少年・サミュエルは「ペギーがいなくなったんだ」とワットマンに告げる。彼の捜す少女は、一年ほど前から様子がおかしかったという――。一方、アメリカを仕事で訪れていたCGデザイナー・巡矢も、一葉の写真に写っていた少女の行方を追い始める。二人がそれぞれ動いた末に明らかになった真実とは? 想いあう気持ちが導いた哀しい現実に、胸が締めつけられる再生と友情の物語。『HEARTBEAT』に連なる、青春ミステリの雄編。

  • モーニング Mourning

    小路 幸也(著)/ 実業之日本社

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    20数年ぶり、親友の葬儀で福岡に集まったのは、大学時代の四年間、共同生活を送った三人の仲間と私。葬儀を終え、一人の仲間が言う。「レンタカーで帰って自殺する」。――思いとどまらせるため、私たちは一緒に東京まで帰る決意をし、あの頃へ遡行するロングドライブが始まった。それは同時に、心の奥底に沈めた出来事を浮上させることになるが……。

  • 探偵ザンティピーの休暇

    小路 幸也(著)/ 幻冬舎

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    マンハッタンに住む探偵・ザンティピー。ある日、北海道の旅館に嫁いだ妹のサンディから「会いにきて」と連絡が。不審に思いながら日本に向かった彼が目にしたのは、なんと人骨だった! ちょっと奇妙な(?!)正統派ハードボイルド私立探偵が疾走する、痛快ミステリー。

  • 探偵ザンティピーの仏心

    小路 幸也(著)/ 幻冬舎

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    シリーズ2作目。ザンティピーの元に、ボストンにあるスパの社長から依頼が入る。娘が北海道で日本の温泉経営を学ぶ間、ボディガードを頼む、という内容。依頼を受け、目的地へ向かう途中、ザンティピーはまたまた事件に巻き込まれてしまう…。

  • 探偵ザンティピーの惻隠

    小路 幸也(著)/ 幻冬舎

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    大学職員のエヴァの依頼は、祖父から託された古い写真の持ち主探し。その裏に書かれた数字で買った宝くじで大当たりをした彼女は、賞金で日本へ渡り、持ち主に写真を返したいという。祖父の遺した「ゴシック温泉」という言葉から、ザンティピーは持ち主の割り出しに成功。だが、写真からは驚愕の事実が浮かび上がる。大人気シリーズ第三弾。

  • キサトア

    小路 幸也(著)/ 文藝春秋

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    世界的アーティストだが病気で色がわからないアーチ、朝と夜それぞれ真逆の時間に眠る不思議な妹キサとトア。不便な事もあるけれど、<風のエキスパート>である父と海辺の町の愉快な仲間と共に楽しく暮らしている。だが父の仕事が原因で一家は少し困ったことに……。日の入りと日の出を眺める丘の上の家に越してきた一家と元気いっぱいの友人たち。風変わりな町の住人たちの物語。

  • ホームタウン HOMETOWN

    小路 幸也(著)/ 幻冬舎

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    札幌の百貨店で働く行島に、妹から「近々、結婚する」という手紙が届く。だが、結婚直前、妹とその婚約者が失踪。行島は2人を探すため、故郷へ向かうが…。複雑な過去を背負う“百貨店内探偵” 行島が、今、初めて「家族の絆」に向かい合う。

  • 東京公園

    小路 幸也(著)/ 新潮社

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    写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受ける――「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園……幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、せつなくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。

  • 21 twenty one

    小路 幸也(著)/ 幻冬舎

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    21世紀に21歳になる21人のクラスメイト。卒業して10年後、その仲間の一人が何も告げずに突然自殺した。同じ教室で同じ空間、同じ時間を過ごし、特別な絆で結ばれていると信じていた21人のそれぞれの想いとは…?

  • わたしとトムおじさん

    小路 幸也(著)/ 朝日新聞出版

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    両親の別居をきっかけに、NYで暮らしていた小学六年生のニールセン・帆奈は懐かしい建物が集まる観光施設「明治たてもの村」で、祖父母と元ひきこもりの「トムおじさん」と暮らしている。「人と接すること」が苦手なおじさんとの日々を通して見えてくる人のつながりの温かさ。注目の作家が繊細に描く、不器用だけれど懸命に生きる人たちの物語。

  • 荻窪 シェアハウス小助川

    小路 幸也(著)/ 新潮社

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    やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人+管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!

  • brother sun 早坂家のこと

    小路 幸也(著)/ 徳間書店

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    娘は、いつだって大変である! 自分のこと、恋人のこと、結婚のこと、将来のこと。そして、家族のこと。早坂家の三姉妹、それぞれが感じている、家族の姿。ちゃぶ台を囲みながらそれぞれの思いが一つになったとき、本当の家族の姿が見えてくる。考えたり悩んだり、苦しかったりするけれど、それぞれが補いながら暮らしている。そんな早坂家へ、ようこそ。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。

『東京バンドワゴン』の作家・小路幸也のインタビュー 小路さんの「フック」と「カコーン」と「モテ話」

――多彩な作品群を、次々と生み出す小路さんの「頭の中」はどうなっているのでしょうか?

どんな風に物語を作っていくのかというと、まず僕が<フック>と呼んでいるものが浮かびます。フックとはアイディアのようなもので、あるキーワードやアイディアが文字通り「カコーン!」とフックに引っかかって釣り上げられた瞬間、主人公の設定やエピソード、脇役たちのキャラクターや背景までが、全部一緒に「カコッ!」と浮かび上がるんです。それらを整合性を考えながら選び取り、「カコカコカコッ!」と組み合わせていって、オープニングと着地点が見えたらすぐに書き始めます。どういう道筋を通ってどんな風に最後までもっていくかは割とぼんやりとしたままなんですが、書きながらラストへのルートを探していく。それが僕の書き方です。



――カコーン、カコッ、カコカコカコッというのは…、小路さんならではの感覚でしょうか(笑)? 今回、新たに電子書籍化された4冊の「カコーン!」な瞬間をそれぞれ教えてください。

カコーンとかカコカコッは……そうですねぇ、かなり感覚的なものかもしれません(笑)。 では『21 twenty one』から。これは、僕にとって初めての連載小説なんです。デビューして3、4年目くらいだったかな。書き下ろしの依頼ばかりの中で、初の連載依頼はものすごくうれしくて。だって、連載だと書いたらその月に原稿料がもらえるわけで…、そういう意味でもとても印象深い1冊です(笑)。 僕の場合、執筆の依頼があると、まずは編集者とどんな話にするか打合せをするんですが、この連載依頼のときは「若者の話にしよう」ということだけが決まっていました。そこで、当時僕がたまたまもっていた「21世紀に21歳になる」というキーワードをお話したら、いいね!と盛り上がり、そこから「21世紀に21歳になる21人」というのが決まりました。これこそが僕の言う<フック>です。そこから、21人ならちょうど1クラス分だからクラスメイトの話にしよう、もしその中の1人がいなくなったらどうなるかな、など同時に浮かび上がってきた設定をカコカコカコッと整理して着地点を決め、書いたものなんです。


――「当時もっていたキーワード」とおっしゃいましたが、いつもキーワードもしくはアイディアをたくさんお持ちなんですか?

たくさんではないですけれど、“お、なんか面白そうじゃん!”と何の気なしにふと思いついた言葉やアイディアは、できるだけメモ帳に書き留めるようにしています。それを小説に書きたい、というではなくて単純にキーワードとして持っているだけ。僕の場合、それらに点火するのは、フックのときだけなので。(小路さん、メモ帳をパラパラめくりながら)たとえば、「UFOばっかりみてる主婦」「僕だけが見た戦争」とか。ね、面白そうでしょ?あ、「ファーザーとマザー」ってのもある。よくわからない、なんだろ、これ(笑)!


――『ホームタウン』はどうですか?

中学生のときに読んだ海外のミステリー小説で、百貨店に常駐している探偵が出てくる話があって、当時はアメリカの百貨店には探偵がいると信じていたんですよ(笑)。たぶん、今思えば警備員みたいな感じなんでしょうけれど、それ以来ずっと僕の中には「百貨店の探偵」というキーワードがありました。これがフックです。しかも広告業界で働いていたとき、僕は百貨店の広告を担当していたから、舞台裏はなんとなくわかってる。百貨店の中で探偵のような仕事をする人。そこからスタートした物語です。


――『探偵ザンティピーシリーズ』の主人公もまた、かなり変わった設定で…(笑)

主人公の探偵ザンティピーは僕のお気に入り。1冊目の『探偵ザンティピーの休暇』は初めての文庫書き下ろし小説でした。「軽いミステリーの書き下ろしを文庫で」という前提以外はすべておまかせということだったので、まず「探偵もの」だなと。と考えたときに、大好きなニューヨーク・マンハッタンにいる探偵がいいな、しかもその探偵が、日本人なら誰もが知っている映画の主人公みたいなキャラクターで事件を解決したら面白いかも、と思いついてしまって。思いついたらもう、どうしようもない(笑)!それがフック。しかも2冊目の『探偵ザンティピーの仏心』では“湯けむり探偵旅情編”の要素まで盛り込みました。このシリーズはかなり自由に楽しく書かせてもらってます。


――ネタ帳に書かれたアイディアを次々と小説という形でアウトプットされていますが、「しまった、ネタがない。インプットしなくては!」と焦ることはありますか?

ないと思います。小さいころから読んだり観たりしてきた小説や漫画、映画、ドラマ、すべての何百何千という物語が溶け合って“ニュアンス”みたいなものになって、僕の中に染み込み、蓄積されています。それをフックで上手く引っかけられるかどうか。一度引っかかったものでも組み合わせを変えれば、フックは無限大です。それに、今こうやってインタビューを受けている最中もインプットしています。へえ、こんな部屋があるんだ、こんな会社にこんな人がいるんだ、家族はどんな人かな、顔つきやしぐさ、つけている指輪など、すべてを取り込んでいます。もう、生きていること自体、インプットと言えますよね。だから、枯渇することはないと思っています。

僕は“感覚”で書いていくタイプなんですが、何か僕に優れている点があるとすれば、「感覚をつかむ感覚」かもしれません。今、北海道に住んでいますが、東京を物語の舞台にしたとしても、東京の感覚、雰囲気は描けます。映画化された『東京公園』も、東京の公園をたくさん書いていますが、実際に行ったことがあるのは1、2箇所です。後は資料を見ながら書いているので、ひょっとしたらそういった感覚は優れているのかなぁと思います。


――その感覚は、小さいころから優れていると認識していたんですか?

うすうす、感づいていたような…(笑)。たぶん、僕はものすごく“ナルシスト”なんです。作家やアーティストって基本、みんなそうだと思いますよ。「俺が一番カッコイイ、一番カワイイのは自分、俺は人より優れている!」という気持ちがないと小説は書けないと思います。そういう部分は、多かれ少なかれあるはずで…。ただ、僕の場合、会社員としての生活も長かった分、そのナルシストな部分と普通の感覚のバランスの取り方が上手いというか、悪く言えば上手く立ち回るみたいなところがあって、僕のことを昔からよく知る人々は僕のことを「悪党」と呼んでます(笑)。お前ほど悪い奴はいねえな、と。


――小路さんは、一体どんな子供だったんでしょうか…?

これがまたいやらしいことに優等生でね(笑)。勉強もスポーツもできて弁も立ち、先生のウケもいい。イヤな感じでしょ?! しかも4月生まれだからクラスの中で一番お兄さん。さらに、姉が2人いる末っ子でいろいろと鍛えられて育っているから、立ち回りが上手い。何でもみんなよりできちゃうんです。


――もっとも女子ウケしそうな小学生です(笑)。

はい、正直モテました(笑)。小学4年生からは放送委員で、当時からいい声だったんですよ。中学校に入ったらすぐギターを始めてバンドを組んで、高校でも音楽活動に夢中でした。19歳のとき喫茶店でバイトをしていたんですが、週末はバイトの男子を目当てに女の子が大行列するんです。喫茶店文化が背景として残っていた時代とは言え、それはもうすごい人気でした。僕らバイトは、お揃いのジーンズとTシャツ、バンダナを巻いたりしてね。バレンタインデーには、僕ひとりで82個チョコレートをもらいました。ハイ、自慢です(笑)。ただ、なぜだか僕が好きになって交際を申し込んだ人には必ず振られていたんですよねぇ…。


――そんな小路さん、実はまだ恋愛小説をお書きになったことがないですよね?

そうですね。それは意図したことではなくて、たまたまです。ご要望があればいつでも書きます。ぜひ(笑)!


Text / Miho Tanaka(staffon)

小路幸也

プロフィール

小路幸也 しょうじ ゆきや
作家

1961年北海道旭川市生まれ。1985年、札幌の広告会社に就職し、地元百貨店を担当。エディター、ライター、プランナーとして勤務する。1991年、「30歳を機に作家になる」と志し、新人賞へ投稿開始。38歳で退社、フリーとなり、ゲーム制作会社でシナリオライターを務めながら、専門学校でゲームシナリオ講師も。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で講談社メフィスト賞を受賞、作家デビュー。『東京バンドワゴン』シリーズをはじめ、著書多数。幅広い層から支持を得ている。
公式サイトhttp://www.solas-solaz.org/sakka-run/