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広島の平和記念公園の片隅に小さな塚がある。「原爆供養塔」だ。その地下には引き取り手のない原爆被害者の遺骨が収められている。その数、七万柱。

この塚を半世紀にわたって守ってきた女性がいた。佐伯敏子さんだ。被爆者のひとりである佐伯さんは、供養塔に日参し、塚の掃除をし、訪れる人に語り部として原爆の話をしてきた。そればかりか、ひとり納骨名簿を調べ、骨壺を一つ一つ点検し、遺骨を家族のもとへ返していく作業を続けてきた。その姿勢が行政を動かし、多くの遺骨の身元が判明する。

98年に佐伯さんは病に倒れ、寝たきりになってしまう。著者は佐伯さんと同じように供養塔の中の、名前が判明している「816」の遺骨の行方を追う作業を始めた。名前、年齢、住所まで書かれているのに、なぜ引き取り手が現れないのか?  そんな疑問から始まった取材は、行政のお役所的対応やプライバシーの問題、そして70年の歳月という分厚い壁に突き当たる。
存在しないはずの「番地」や「名前」。祀られたはずの死者が「実は生きていた」ことも。遺骨をめぐる遺族間の争い。そして名簿のなかの朝鮮人労働者の存在。そして、あの劫火の中、死者たちの名前を記録した少年特攻兵たち。

あの日、広島で何が起きたのか? 日本は戦後70年、その事実と本当に向き合ってきたのか。これまで語られることのなかったヒロシマ。原爆供養塔、そこに眠る死者たちの物語。

2016年、大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
ノンフィクション・ドキュメンタリー
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原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

堀川惠子 (著) 、文藝春秋

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