【感想】機動戦士ガンダムUC バンデシネ(17)

福井晴敏, 大森倖三, 安彦良和, カトキハジメ, 矢立肇・富野由悠季 / 角川コミックス・エース
(3件のレビュー)

総合評価:

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  • 【宇宙世紀完結】宇宙世紀を締めくくるのにふさわしい終わり方。

    いつか終わりが来るのは分かっていたけど、
    実際にその時が来ると悲しくてたまりません。

    16巻にネオジオングとの激闘の続きかと思いきや、
    前半はMSの戦闘でなくでなく、バナージやフル・フロンタルの心の戦いに移ります。
    その戦いの中でララァとシャア(※顔は出ていない)が出てきたことで、
    “本当に宇宙世紀が終わるんだ”と読んでいて少し悲しくなってもきました。

    後半はラプラスの箱(隠されてきた宇宙世紀の真実)の公開がメインです。
    真実を知った人々がどのように考え、どのように動くか、
    一握りの権力を持った者が導くのではなく、民衆にその決断を任せる。
    今までの宇宙世紀になかった終わり方でした。
    僕の中では『ガンダムW Endless Waltz』の終わり方に似ている感じもしました。
    おそらくこのメッセージこそが読者に伝えたかったものかもしれません。

    ただ、1点不満を言うとバナージとオードリーの後日談を期待してたんですが、
    何も描かれていなかったのが残念かな…。

    宇宙世紀はこの後も続きますが、
    ニュータイプの概念がほぼなくなるので、このパンデシネで完結したと思っていいかもしれません。
    続きを読む

    投稿日:2017.02.27

  • 完結編にふさわしい作品でした

    私はファーストガンダムがリアルタイムの世代で、逆シャアまではすべて見ていました。それ以降ガンダムシリーズからは、一歩引いていたのですがUCが逆シャアの続編で、宇宙世紀編すべてにその名が出てくるミネバ・ザビがヒロインということで、興味本位でOVA版、そして本書を手にしてみました。確かに宇宙世紀完結編にふさわしい内容だとは思いましたが、バナージとオードリー(ミネバ)の後日譚は欲しかったかなぁと。それぞれ業を抱えた血を継ぐものとして、相思相愛となった中としてどう生きたのか。そこは読者の想像にお任せというところもあるんだとは思いますが…。OVAでもそうでしたが、そこだけが惜しく星を1つ落としました。続きを読む

    投稿日:2018.06.22

ブクログレビュー

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  • タカツテム

    タカツテム

    圧倒的な物量でユニコーンやバンシィを押し潰さんとするネオ・ジオング。おまけにフル・フロンタルが見せてくるのは刻の終わりですか
    どれだけの奇跡によって可能性が示されても変わらずに争いを続けた人類が行き着く先。それこそがフル・フロンタルが見たニュータイプとしての絶望か…

    未来への可能性を考えられなくなったフル・フロンタルにバナージが示すのは「それでも…」という人間の可能性と刻の終わりに至らない永遠の光
    正直、この辺りの描写の意味は観念的過ぎて自分にはよく判らなかったりするのだけど、空っぽの器でしかなかったフル・フロンタルが本物のシャア・アズナブルと巡り会えた、その一点でフル・フロンタルが持ち得なかった可能性へと奇跡的に至れたと解釈出来るのかな……


    そしてフル・フロンタルとは別方向からやってくる可能性を潰す『砲火』
    これを主導するのがマーサだけでなく、リディの父であるローナン議長というのは因果な話。息子のリディは『箱』を守ろうと心を変えられたのに、ローナン議長は無茶苦茶な理論武装をして『箱』を潰そうとし続けている。『可能性』を無くしてしまおうとしている

    そんな彼を驚愕させるリディの居所。既にスイッチは押されてしまったとはいえ、ここで彼が発射停止に動いたり、何か叫んだりしないのはそれだけ「平和を守る為」という無茶な理論武装が自分自身を縛っているからなのだろうね
    『箱』の呪いで縛られていると思いこんでいた彼を本当に縛っていたのは「平和の為なら犠牲を許容する」というお題目であったわけだ

    だとしたら、サイコ・フィールドによってコロニーレーザーを防いだユニコーンとバンシィは人々が不可能だと思っていた事象を可能にするという、いわば『可能性』を実現する存在となったと言えるのかな
    だからこそその状態でミネバは『可能性』に懸けて『ラプラスの箱』を開示できたのだろうね


    冒頭の口絵が良いね。序盤に行われた二人のデートは戦争を止める目的があった為に街の散策は主目的とならなかった。けれど、口絵の日常に溶け込んでいると伺わせる二人の様子はそういった散策を堪能できる日々に辿り着いたのではないかと思わせるものだったよ
    まあ、実際は『箱』が開かれても戦争は続くわけだから、本当の意味で二人がそういった日々を体験できたのかはそれこそ『可能性』の話なのだろうけどね


    実はこの作品に対して、物語の終わり方がとても納得出来なかった為に作品全体の評価を下げてしまった過去があったりする
    こうして再読してもやはり終わり方には納得できていなかったりするのだけど、それでも正体不明の『ラプラスの箱』に振り回されながらも、様々な『可能性』を求めて藻掻く人々の生き様が描かれていたのだと再認識できた意味で価値ある再読だったと言えるかな
    続きを読む

    投稿日:2022.08.19

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