【感想】静かな炎天

若竹七海 / 文春文庫
(127件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
12
50
38
6
2
  • 四十肩になった女探偵の活躍を描く連作短編集。

    前作「さよならの手口」で見事に探偵に復帰した葉村晶のその後(2014年の7月から12月)の活躍を描く連作短編集。

    「青い影~7月~」バスとダンプカーの衝突事故に遭遇した晶は、事故の被害者女性のバッグを探す羽目になる。
    「静かな炎天~8月~」ひき逃げ犯の素行調査。従妹の消息。白熊探偵社に持ち込まれる沢山の案件に晶はある疑問を抱く。
    「熱海ブライトン・ロック~9月~」35年前に行方不明になった作家を探す晶は失踪直前の日記に登場する5人の名前を渡される。
    「副島さんは言っている~10月~」元同僚の村木から突然かかってきた電話で晶は事件の渦中に巻き込まれる。
    「血の凶作~11月~」ハードボイルド作家・角田港大からの依頼は「死んだ自分の身元調査依頼」だった。
    「聖夜プラス1~12月~」イブのイベントの目玉『深夜プラス1』初版サイン本に翻弄される晶の過酷な一日。

    古本屋でもある「白熊探偵社」なので今回は作家や本にまつわる話からスタートする話が多く、どのエピソードも軽いノリやユーモア風に始まるのですが、やはりそこは「葉村晶」シリーズ、最後の最後は苦い終わり方が多いかな。

    一番面白かったのは最終話の「聖夜プラス1~12月~」。クリスマスイブの日にオーナーの富山や依頼人の無茶振りを相変わらず断れない晶が東京都内を駆け巡る壮大なるお使い劇。笑わせます。
    続きを読む

    投稿日:2016.10.04

  • ”このミステリーがすごい!”で紹介された

    こう言うのを掘り出し物と言うんですね。
    手にしたきっかけは、”このミステリーがすごい!”で紹介されたからですが想像以上でした。ストレートに面白いです。
    短編ならではの展開の速さと、落ちの鮮やかさに感銘しました。
    毒のある人物描写は巧みで、そのキャラが目の前にいるような印象を受けます。それだけでも面白いです。
    葉村晶シリーズは4作目なんですね。また遡って読むことになりそうです。
    続きを読む

    投稿日:2017.02.07

  • 葉村晶のタフさが欲しい

    今回も女探偵・葉村晶!楽しめました。
    読めば読むほどにアラフォーとは思えないタフさが欲しくなりますが、此処までお人好しにはなれないかな。優しくなるには体力が前提なのかもしれませんね。
    お話は安心して楽しめる短編集ですが、つながっている話もあり淀みなくスイスイ読めました。
    次は若かりし頃の女探偵・葉村晶を読みます。このシリーズ止められません。
    続きを読む

    投稿日:2018.01.19

ブクログレビュー

"powered by"

  • 94161

    94161

    長編よりは短編のほうが好きかもしれない。
    長編は、仕込みがちょっとくどくなってくる気がしている、、、

    投稿日:2024.02.05

  • ハルめめ

    ハルめめ

    短編集。適度にクスッとさせる文章運びが面白い。晶の推理も冴えわたり、いろいろな災難もお約束ということで楽しく読みました。

    投稿日:2023.11.08

  • ぱぱいや33

    ぱぱいや33

    このレビューはネタバレを含みます

    旅のお共として。葉村晶シリーズの連作短編集。『静かな炎天』と『副島さんは言っている』は多分アンソロジーで読んだと思うけど、再読。ほんと相変わらず危険な探偵をしているけど、四十肩になったり老眼になりかけたりで大変。同世代としてほんと尊敬するわ。こんなひどい目にたくさんあってるのによく怒らないでいられるわ。まぁ怒ってはいるんだろうけど。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.08.03

  • fukayanegi

    fukayanegi

    このレビューはネタバレを含みます

    葉村晶シリーズ、長編が2作続いた後の短編集。
    正直、やっぱりちょっと何か物足りない。
    長編の方が好き。

    四十肩に苛まされ、富山店長には何かとこき使われ、内面と口先の鋭さとは裏腹に芯にある優しさに周囲からつけ込まれる、書店探偵葉村晶の事件簿。

    気になってはいたものの、中々手が出せないでいる『レベッカ』が早く読めよと言わんばかりに最初の1編に出てきたのには驚き。
    そればかりでなく、巻末の”富山店長のミステリ紹介”が意外にも(と言うと失礼かもしれないが)守備範囲が広く、端的ながらうんちくが利いた一味違うブックガイドとなっており、読みたい欲求を掻き立てられる。
    協力者のお名前もあったけど、若竹さん、ブックキュレーターとしての腕もお持ちなのでは。
    あまり他の方の解説とかでも見かけた記憶はないので、書評の場面でも活躍して欲しいなぁ(自分が知らないだけ!?)。

    本書の解説で大矢博子さんが葉村のことをS・J・ローザンのリディア・チンのようと評しているが、この言葉に膝を打った。
    そう。
    自分が葉村晶を読んで最初に思い浮かんだのは”ビル&リディア”シリーズとルヘインの”パトリック&アンジー”シリーズ。

    ”ビル&リディア”シリーズには手を出しているところだけど、刺激されて(言及されているわけでもないのに)”パトリック&アンジー”シリーズにも手を出してしまいたくなってきたなぁ。
    いかんなぁ。。。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.22

  • Mai

    Mai

    はまれなかった…。
    1つ目の話はまぁまぁ面白かった(星3つくらい)けど、暇つぶしには良いかもくらい。
    短編のミステリー、日常系のミステリーが苦手なのかもしれない。あと、50ページくらいの短編でたくさんの人物が出てきて、すぐに解決する(関係なさそうな人物が繋がる)から、私には難しかった。
    ミステリー好きな人は好きなのかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2022.09.14

  • aqua

    aqua

    このレビューはネタバレを含みます

    葉村晶も四十肩になり、もう無理できなくなったんだなとしみじみする。元々無理はしたくないかもしれないけど。
    相変わらず頭のキレは良くて、年齢を重ねても変わらず私の大好きな葉村晶だ。カッコいいところだけじゃなくて、生活を感じるところが特に好き。洋服を選ぶちょっとしたシーンとか、サンドイッチに凝って手作りしてみたりだとか、早く帰って寝るんだと考えているところとか、そういう地味な部分がとても好き。
    口に出して読みたくなる文体だなと思う。
    今回は葉村を労いたくなった。こき使われながらよくやり切っていて、お疲れ様〜と声をかけたくなる。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.08.28

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。