【感想】後妻業

黒川博行 / 文春文庫
(98件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
17
39
30
2
0
  • 憎めない悪役たち。「人間って、ほんまあほやなぁ」

    おもしろかった。資産家の老人の後妻に入り、彼の死後、遺産を総取りするのが後妻業。それを生業とする小夜子が主人公。彼女と結託する結婚相談所の所長を始め、悪い奴が次から次へと出て来る。彼らは金をだまし取るのは朝飯前で、金のためには殺人もいとわない。でも、なんだか憎めないんだよね。みんな金がほしいという欲望に正直な”純”な感じがするし、各人に愛嬌がある。全ての会話がユーモラスな大阪弁で進められるのも一因。作者の「人間って、ほんまあほやなぁ」という気持ちが伝わってくる。続きを読む

    投稿日:2016.08.25

  • こんなん絶対騙されないわ~と思っていても、当事者になったら意外に。。。なんてことありそう

    黒川氏の作品を読むのは初めて。
    文章のほとんどが会話文で構成されており、読みやすく
    個々の登場人物の心情や考えがわかりやすかったです。

    結婚相談所を通じて資産家の後妻となり、遺産をもらうことを繰り返すことを「後妻業」という職業とし、
    その手口、経歴が細かく記されています。
    保険金殺人は知っていたけれど、いやいやさらに巧妙でうまいやり方だ。(語弊がありますが)
    感心しました。
    最後はあっという間の収束で、読後感も悪くなかったです★
    続きを読む

    投稿日:2017.04.11

  • 資産をたくさん持つのも良し悪しですね。

    一気読みでした。
    面白かった、もちろんフィクションですが、いつかの例の事件も結婚相談所も絡んでたのかしら??
    なんて思ってしまって、改めて事件を検索してみたりしました。
    ちなみに、実際の事件のほうでは悪女に手を貸す弁護士がいたとかいないとか??
    途中まですごく面白くて、でも、新しいターゲットがヤクザじゃなかったほうが面白かったな、とか、
    悪女の逮捕で終わってほしかったな、とか、色々と、思うところができてきました。
    来年映画化されるんだそうで、大竹しのぶさんが強欲な悪女をどんな風に演じるのかすごく楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2015.11.02

  • 予想外の展開

    もし自分の身内が亡くなった時にこんなことに巻き込まれてしまったとしたら。
    想像するだけでも恐ろしいです。
    なんとか遺産の一部だけでも取り返そうとする姉妹に共感し、
    自分だったら姉妹のどっちの立場になるだろうとつい考えてしまいます。
    高齢の資産家男性を騙す後妻業の女とそれを裏から指図する結婚相談所の所長。
    なんとか遺産を取り戻そうとする姉妹。後妻業の女と結婚相談所の所長の
    弱みを握って金銭をせしめようとする元マル暴の刑事。
    各々の思惑が入り乱れて、読み始めた時に想像していた展開とは
    全く違ったエンディングになります。
    すごくスリリングな展開で一気に読めるすごく面白い作品です。
    続きを読む

    投稿日:2016.09.02

  • 関西弁の圧倒的迫力ドラマ

    読んでいるうちに、まともな生活がバカらしくなるほど浮き世ばなれした関西弁のドラマ。果てしなく続くかと思いきや、アッサリと物語をたたむ鮮やかさ。爽快感すら残る。

    投稿日:2016.08.28

  • テンポ良い作品です

    どこかでちらっと見た書評がそこそこ良さそうだったのと、映画化したらしいという情報があったので読んでみました。
    著者は恐らく初めて読むのですが、関西弁含むテンポや登場人物のキャラ立ちなどなかなか面白かった。最後はまぁあんなものだろうなぁ、って感じ。続きを読む

    投稿日:2016.09.09

ブクログレビュー

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  • もち村もちこ

    もち村もちこ

    映画を見たのでストーリーも結末も分かっているはずなのにサクサク進んでおもしろかった!

    関西弁でザクザクと切り捨てるような会話が好きなのか黒川さんの小説ハマります!

    結婚相談所の会員のおじいさんを騙して遺産を奪うというはなし

    まぁお年寄りで奥さんもいなくて寂しい毎日に、演技とは言え自分を好きと言ってもらえたら騙されちゃうのかなー
    人の弱いところを突くのがうまいのかなー

    やっていることは悪いが、小夜子のように思ったことを思ったままに言ったり行動できればストレスないだろうなーある意味うらやましい
    続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • まるはん

    まるはん

    ラストは唐突に訪れた感じだけど、面白かった。
    60代のとき、相談所で棺桶に肩まで浸かった爺さんを見つける。結婚する。おじじ死後、莫大な遺産相続。初めて読んだはずなのに、あれ?なんかすごい既視感…
    筧千◯子?木嶋◯苗??違う。……うちのばあちゃんや!!(※祖父は老衰です)
    この小説のおかげで、自分のばあちゃんがとんでもBBAだったことに気付きました。ありがとうございます。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.10

  • さくら

    さくら

    みんな悪いなー。
    映画を先に見ていたので、大竹しのぶと豊川悦司の顔を思い浮かべながら読んだ。
    守屋弁護士が誠実で唯一まともな印象。

    投稿日:2023.12.07

  • sk

    sk

    序盤はあまりのゲスっぷりにドン引きしていたが、本多が登場してから物語が一気に加速し調査を進めていくなかで小夜子や柏木の正体が判明していき点と点が線になる瞬間がミステリの種明かしをされたときのように気持ちよく、そこからは夢中で読み進めた。
    ハードボイルド要素を含むサスペンスとエンタメの中間のような小説で非常に面白いが、読んでいる途中でこの小説に類似した例の事件報道を思い出して背筋が凍った。

    また、登場人物の話す関西弁から生み出される独特の雰囲気と本多の人物造形の上手さがこの小説の面白さを底上げしているように感じた。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.03

  • 1606130番目の読書家

    1606130番目の読書家

    セリフで物語が進むところが多いからか、私には読みにくかった。犯罪多すぎて、名前変わりすぎて、ごっちゃになってくる笑

    しばらくLINEが変な関西弁になってたのは、この本の営業だったか?

    投稿日:2023.04.23

  • rafmon

    rafmon

    「ごさいぎょう」と読む。知らなかった。遺産やらの財産目当てに老人と婚姻、あるいは内縁関係を結び、その人が死ぬのを待つ。時に、早死にするように仕向けていく。高齢化社会で、どちらかに先立たれた老夫婦が再婚するケースも増えていくだろう。気をつけなければならないのは、お金の事だ。

    この小説のお陰で、公正証書遺言や遺留分減殺請求権の存在を知った。乱暴にいうと、遺言により血縁なき自らに遺産の相続権を公的に主張するためのものと、血縁ある遺族側が本来の自分の相続分を主張するためのもの。故人が近親者ではない仲の良い人に遺産譲るわーと亡くなった後、家族がそれは困るというケース、稀にあるのだろう。

    それを利用した悪人たちによるハードボイルドな展開。悪人から強請ろうとする悪人。それぞれの悪人も巻き込んだ抗争劇がスピード感もあって目を離せない。年末に、面白い小説を読んだな、と。
    続きを読む

    投稿日:2022.12.25

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