【感想】ユージニア

恩田陸, 松本コウシ / 角川文庫
(487件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
63
151
189
41
7
  • とても恩田陸的な

    とても恩田陸的なミステリ(広い意味で)です。

    「夏の名残りの薔薇」や「中庭の出来事」などのメタミステリよりは素直に読めますが、やっぱりストレートなミステリではありません。
    ホントのところ、何がおきたのか? があやふやな恩田節といったところです。
      
    ちなみに、素直なミステリが好きな方には「象の耳鳴り」をおすすめしますが、私はこちらの方が好きです。
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    投稿日:2013.10.30

  • 長閑な町に現れた、死神

    ユージニア、私のユージニア。
    私はあなたと巡りあうために、
    ずっと一人で旅を続けてきた。   (本文より)

    舞台は日本、k市。医院を営む旧家で、大量毒殺事件発生。何十年かの時を経て、真相を紐解こうとする人々。

    恩田陸さんらしい小説です。真実は曖昧にされて、人々の思いや供述、回想によって、ストーリーが展開されていきます。一体、犯人の動機は?ページをめくる手が止まらない、徹夜覚悟。強くオススメします。
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    投稿日:2015.03.27

  • 重たい・・・

    遠い昔に起こったある凄惨な大量殺人事件を視点を変えながら振り返るスタイル。
    あの事件の真相はなんだったのか,が徐々に明らかになります。

    ただ,決して謎解きに面白さは存在せず,明らかになっていくごとに重たい気分になっていく。
    その点で,高い評価点はつけられませんでした。
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    投稿日:2017.01.15

  • 読めば読むほど、"謎"が読者に絡み付く

    乾杯の音頭の直後、家族や近所の住人を含めた17名がもがき苦しみ、死んでいく。そんな凄惨な事件を、数十年経った後に関係者の証言によって掘り起こしていきます。この小説、それぞれが自分の記憶を頼りに喋り、また嘘をつく者もいるので、当時の様子はぼんやりとした形でした表れません。それぞれの言い分が異なる、芥川龍之介の『藪の中』にも近い構成。『藪の中』の中と異なるのは、事件は確実に発生しており、また犯人も比較的早く判明すること。しかし、その動機が一向に掴めません。そう、物語が終わっても、この小説は読者にきちんとした結末を与えてくれないのです。「なぜ?」というモヤモヤが頭から離れない。読後もずっと心を奪われ続ける、魔力を持ったような推理小説です。(スタッフI)続きを読む

    投稿日:2013.09.20

  • 大量毒殺事件の真相は?

    「大量毒殺事件の犯人探し」と単純に片付けられない話の展開。事件に関わった人びとの証言により、少しずつ真実に近づいていくのだが、最後まで真相は明かされない。その判断は読者に委ねられている。いい意味で不思議な読後感を与えてくれる作品である。続きを読む

    投稿日:2015.05.25

  • 初恩田陸

    冒頭の詩から引き込まれる文章力に驚きました。
    子供時代におこった殺人事件を掘り起こして出版された事で更に事件の真相に迫っていく、取材またはインタビュー形式で語られ、事件関係者の語り口調が次々に変わります。ので、次々に読まされました。
    なかなかの作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2015.09.03

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ブクログレビュー

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  • さくぱん

    さくぱん

    結論、誰が犯人なの?ってことよりも、
    どうしてそんなことをしたの?という動機にこそ関心が集まるものなんだということを肌で感じられる作品。

    正直、動機はよくわからなかった。
    でも、何か満足していないことがあって、
    それがひょんなことから取り返しのつかないことにまで発展しちゃったのか、
    はたまた、緋沙子の思惑通りなのか

    続きを読む

    投稿日:2024.03.10

  • 海

    例えるなら「藪の中」
    まるで現実世界のように、一人一人に真実があり、ただ事実がひとつあるだけ。
    ここまで読了後にゾッとするお話はあまりない気がする。すごい。

    投稿日:2024.03.08

  • Limei

    Limei

    1つの名家の大量毒殺事件がいろいろな人の視点から語られ、その人の主観によって事件の見え方が違うからおもしろく、気になって気になって、読むのが止まらない!

    そして読み終わっても、?でもう一度読み返したい感じ。続きを読む

    投稿日:2024.03.04

  • ゆうか

    ゆうか

    恩田陸さんワールド全開の本作。

    物語の世界観に最初からグイグイと引き込まれた。
    不気味な蜃気楼のような雰囲気を常に漂わせている不思議な物語だった。

    様々な登場人物の視点で描かれているので頭が混乱しやすかった。なので一気読みがオススメ。

    その雰囲気は最後まで変わりなく、
    限りなく黒に近いグレーといった結末で、
    なぜそうしなければならなかったのだろう?
    と疑問が残りモヤモヤした気持ちがあったが、
    そんな気持ちさえも楽しむことができた。

    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • さち

    さち

    掴めそうで、掴めない。もどかしさと、ゾワっとする不安なきもち。「事実とはある方向から見た主観」ということがよく分かる。

    大好きな小説でこれまぇ数えきれないほど読んでいるのに、毎回新鮮な気持ちでドキドキしながら読む。今回こそはちゃんと分かりそうな気がする…!と思いながら読むけど、やっぱり分からなくて。

    なんて中毒性の高い小説なんだろうか…
    続きを読む

    投稿日:2024.02.22

  • massa@No.1009☆

    massa@No.1009☆

    著者の初期の作品です。
    この陰湿とした雰囲気が恩田さんらしさでもありますよね!
    一族大量毒殺なんてゾッとして気持ち悪い、怪しい雰囲気プンプンです。
    ただ、誰が話していて、誰を主体とした作品なのかはいーまいちわーかりましぇーん。続きを読む

    投稿日:2024.02.22

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