【感想】消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―

豊田正義 / 新潮社
(160件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
45
56
31
9
4
  • 共感できなくていいのだろう

    松永太という犯罪者は私が聞いた話の中で最も恐ろしい、という印象。
    多くの犯罪者は、他の人に信じてもらえない、コミュニケーションが取れないという場合が多いが、法廷でも笑いを取れてしまう松永の話術は一体何なんだろう?
    何故この一家はこんな精神状態に追い込まれていったのだろう?
    アウシュビッツの話なども挙がっているように、極限状態の心理なのだろうか、読み進むにつれよくわからなくなってくる。
    いや、わからない自分に少し安堵してしまうような。
    こんな心理に共感できるような人生体験はしたくない。
    決して後味のいい話ではないが、「極限状態」というものを感じさせる、迫真のドキュメンタリー。
    (著者の文章力も大きいだろう)
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    投稿日:2014.08.30

  • 身の毛もよだつ恐ろしい本

    人間は、この世に生まれ落ちた時に、既に具えている先天的な要因と、環境などの後天的な影響によって
    犯罪者になり得ると言われているが、余り詳らかにされていない彼(松永太)の場合も、類まれな先天的素質が、歪んだ学習を繰り返して、後の人格に影響を及ぼしたのかも知れない。比較にはならないが、かのアドルフ・ヒトラーも、幼少期はごく一般的な少年だったのだ。何れにしても、洗脳され悪しき考えに妄執し奇異な行動をとったり、死の恐怖を前に極限状態になった人間の様子など、到底、想像も付かない場面が、多く出て来る。それらは全て、DV支配によって犯行を強いられていた、共犯者の供述によるものだが、全てノンフィクションであるという事実が、そら恐ろしい。
    暴力や残虐、猟奇的な類が、苦手な人は読まない方がいいでしょう。特に、苦手でない私でも、読んでしばらくは、世間の回りの色が薄くなりました。
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    投稿日:2014.09.10

  • 緒方純子は奇跡的な温情判決をいただいたのだから今後の自らの人生をこの人間性が荒廃し切った最悪レベルの凶悪犯罪の全貌を余すことなくカミングアウトして欲しい。後世の人々のためにも。

    この凶悪犯松永太は完全なる日本屈指のサイコパス。矯正の見込みもゼロの鬼畜最凶極悪人。被害者で九死に一生を得た女性が「松永は人が苦しむのを見てニヤニヤしながら悦んでいた」と証言しているとか。開いた口がふさがらないまさにモンスターそのもの。こんな輩は早くお仕置き処分にすべき。言い方は悪いが「死人に口無し」ならぬ「死人に悪事無し」だ。普通の人には全く手に負えないこんな悪魔どもでもあの邪悪な脳味噌と心臓の活動を停止せしめることで肉体的物理的に抹殺処分にしさえしたら、少なくともこの松永の魔の手による第8人目以降の善良無垢な犠牲者が再びあの地獄の苦しみの中で断末魔の恐怖を味わいながら死んで行くという悲劇的な理不尽さには遭わなくで済む。この事件は後世の人々のためにも絶対に風化させてはならない。脳内お花畑の「死刑廃止論者」はこのような鬼畜に対しても「人権人権」と喚くのか?私は如何なる外圧があろうとも我が国日本は断固として死刑制度を維持して行くべきだと考えますね。凶悪犯の人権などよりも被害者犠牲者の方々及びそのご遺族の人たちのそれを百倍千倍重視すべきだ。第一この男は人なのか?鬼畜悪魔だとしか思えない。だから、なおのこと「人権」などという語彙を用いる必要はない!現代日本は法治国家。ですから法務大臣殿には最高裁判決においてすでに死刑が確定済みの松永太の一刻も早い刑執行を遂行せよ!それでこそ「正義の行い」であると断言したい。この人間の顔をした卑劣極まりない鬼畜に情け容赦は一切要らない。本当にふざけるな!本来ならば消された7名分の極刑を受容すべき世界級の極悪な輩である!今度消される番は松永太その輩である。こいつの両親は今雲隠れしているのか?もし自分たちが息子とは全く違う正常な人格の持ち主だと世間に証明したいのならば、家族肉親当事者しか知り得ない様々な情報を一般社会に対して正直に公開しまた詳細に説明すべきだ。卑劣にも雲隠れを継続するのならばこの両親は息子と同様の反社会性屑人間だと私は個人的に断定する。続きを読む

    投稿日:2015.08.09

  • もはやグロいという言葉では表現できない

    誉田哲也氏の『ケモノの城』のモデルとなった実際の事件のルポルタージュ。これは小説ではない。紛れもない事実だ。しかも常人が想像しうる残虐性を遥かに飛び越えてしまっている。通電による拷問、食事、排泄、入浴、睡眠、姿勢、会話、ありとあらゆる自由を奪われる。ここには書けないようなおぞましい拷問もある。そして殺人、死体解体、子どもであろうと容赦はない。まさに地獄だ。拘置所の方が自由だと言った準主犯格の純子の言葉が印象的だった。何よりも被害者の幼い子どもたちのことを思うと涙が止まらない。続きを読む

    投稿日:2018.09.25

ブクログレビュー

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  • planets13

    planets13

    ノンフィクションであるという重たさ、戦慄というより恐怖、あのアウシュビッツと比較されるほどの残虐さに押しつぶされそうになる。たった10歳で弟を殺めなければいけなかった心情は察するに余りある。

    投稿日:2023.12.24

  • さたさたま

    さたさたま

    このレビューはネタバレを含みます

    ノンフィクション小説のはずだが、内容が非現実的すぎて途中からフィクション小説のつもりで読んでしまった。洗脳されていたから罪はないという主張もわからなくはないが、最後緒方さんを擁護した部分は少し残念に感じてしまった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.09.17

  • sambo0217

    sambo0217

    作品が悪いのではなく、犯行の悲惨さ、無慈悲さ、異常さが突出しすぎて評価のしようがなかった。

    こんな鬼畜な畜生が生まれる経緯が全く理解できず、何故こんな結末になるのか、無念でしかない。

    次はもうちょっとマイルドな話しを読みたいと思った。続きを読む

    投稿日:2023.09.01

  • Nirirom

    Nirirom

    『完全ドキュメント北九州連続監禁殺人事件』(著:小野一光)を読んだ後に本書を読みました。
    比較すると、こちらは小説のような文体で書かれているので読みやすいですが、松永・緒方両名の生い立ちや″ワールド″時代の蛮行については掻い摘んで書いてあり、どちらかというと事件の異常性や残虐さを全面に押し出しているような感じがしました。
    続きを読む

    投稿日:2023.08.20

  • おゆ

    おゆ

    これ小説じゃないの?ってくらいひどい内容。

    小説の殺人事件でもここまでひどくない。

    大の大人がこんなに簡単に
    洗脳されてしまうのかと
    衝撃的だった1冊。

    ある意味洗脳の要素が詰まってて
    洗脳の教科書。

    人間って環境や行動制限で
    ここまで思考がおかしくなるのかと学んだ。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.29

  • トマト

    トマト

    あの人が認めるはずはありませんが、人が死んでもいいという感覚だったのではないでしょうか。嘘ついて嘘ついて、嘘の上塗りをしていくと、あの人の中ではいつしか本当のことになるんです。『自分はやってない』と言い続けて、それが本当になってしまっている。あんな人間、二度と出てこないでしょうね。(P.78)

    複数の人間を監禁し、自分は殺害を誘導するだけで、拷問を受けて苦しんでいる人を見て笑っている。言葉巧みに騙して監禁して殺す。天才殺人鬼。人格は人相に出るなんて言うけれど、松永を見るとそれも信じられなくなる。狭い風呂場で遺体の解体が行われていたなんてこの世の出来事とは思えない。
    続きを読む

    投稿日:2023.06.02

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