【感想】カストロ、銅像なき権力者

戸井十月 / シーオーツー
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • 旅物語

    十月さんのキューバ旅物語と思っておけばいいです

    まずは十月さんのバイク旅の本からおすすめします

    投稿日:2013.11.09

ブクログレビュー

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  • dekadanna

    dekadanna

    現在の日本、いや世界が模範とすべき国の一つかも知れないと思う。あくなき、金の追求とは一線を画すキューバのことを知れば知るほど、幸せとは何かを改めて考えさせてくれる。しかし、カストロの精力さには頭が下がる、あまりに精力的なので、こちらにやる気が伝染した。風邪で喉が痛いのに、なにかやらずにはいられない気持ちで、動き回ってしまった。やる気が出ないとき、またこの本を読むと良いかも知れない。続きを読む

    投稿日:2018.11.12

  • sasha89

    sasha89

    映画「ゴッドファーザーPart2」に、その場面はあった。革命に
    よりアメリカの傀儡だったバティスタ政権が崩壊した夜。人々は
    キューバから我先にと逃げ出そうとする。

    そのキューバに主人公であるマイケルと、兄フレドがいた。私の
    キューバ革命との初めての出会いだった。

    革命の英雄であり若くして命を落としたチェ・ゲバラは伝説の
    戦士となった。そして、キューバ革命を成し遂げたもうひとり
    の英雄がフィデル・カストロだ。

    亡命し、海外に生活の場を移したキューバ人からカストロと、彼が
    作り上げたキューバを悪しざまに言う。本当にキューバはそんなに
    酷いところなのか。カストロはそれほど憎むべき人物なのか。

    百聞は一見に如かず。だったら実際にカストロに会いに行こう。
    2002年、著者は独裁者カストロに会う為にキューバに飛んだ。

    独裁者と言えば北朝鮮の金親子、イラクのフセイン、旧ソ連の
    スターリン等々。私の頭に思い浮かぶ独裁者たちにはもれなく
    国内の銅像が付いて回る。

    だが、キューバの独裁者と言われるカストロには銅像がない。
    それはカストロ自らが偶像崇拝を嫌い、存命している権力者
    の銅像や肖像画を掲げることを禁止しているからだ。

    そして、この独裁者は物々しい警護もつけずに国内を頻繁に
    移動して回る。アメリカCIAが何回、否、何百回、何千回と
    暗殺計画を練っているのに。

    著者は1回目のキューバ行ではカストロの姿を間近で見、目を
    合わせることは出来たのだが話をすることは出来なかった。

    中途半端な思いを抱えて帰国した著者に日本キューバ経済懇話
    会から「カストロと会えるかもしれない」と誘われ、再度、
    キューバに飛び、そこでやっとカストロと言葉を交わすことに
    成功する。

    この会食のシーンを読むだけでも価値あり。そこへ辿り着くまで
    には、キューバ革命のことや取材当時のキューバ国内の情勢が
    描写されている。

    ゲバラを題材にした作品もある著者だし、キューバびいきである
    のは確か。だが、それを差し引いてもアメリカから経済封鎖と
    いう制裁を受けながらも人々が生き生きと暮らしているキューバ
    という国が好きになれる。

    ゲバラや革命で散った仲間たちの想いを背負い、40年以上に
    渡りアメリカの傀儡ではない、新しいキューバを作り上げ、
    維持して来たカストロのキューバは、「楽園」なのかもしれ
    ない。

    そんなカストロも現在は権力の座を弟ラウルに譲り、近年では
    めったに公の場に姿を現さなくなった。

    キューバが本当の「楽園」なのか。それは強烈なカリスマである
    カストロが亡くなってからも現行の体制を維持できるかにかかって
    いるのではないだろうか。

    尚、本書には2003年にカストロが来日後にキューバ国内で行われ
    た演説の内容の一部が掲載されている。この演説で広島への原爆
    投下に触れている部分が感動的だ。著者ではないが、私はカストロ
    の魅力にあてられたかもしれない。

    まずいっ。キューバに行きたい。物凄く行きたい。著者が描く
    キューバの人々があまりにも幸せそうなんだもの。

    でも、アメリカの嫌がらせで、アメリカからの直行便ってないん
    だっけ。フロリダの目と鼻の先だっていうのに。
    【 読了日:2014/10/17 】
    続きを読む

    投稿日:2017.08.20

  • motograph

    motograph

    戸井十月の書いたゲバラの本が愛情を感じ良かったのでこちらも読んでみた。
    カストロという人もキューバという国も僕らが思っているものとは違うと思った。

    投稿日:2016.07.04

  • natsume15

    natsume15

    「カストロに会いたい」と言い続け、本当に会ってしまった人が書いた本。

    カストロは「共産主義国の独裁者」で、キューバは「独裁者に抑圧されたひどい国」なのか?
    この本を読むと、そういったイメージとはだいぶ違うカストロとキューバの姿が見えてくる。


    2冊ほどキューバ関連の本を読んだが、どちらも共通して書いていることは、「国民それぞれは経済的豊かさとは縁がなく、それゆえ生活上の不便もあるけれども、明るく前向きに生きている」ということ。

    革命から50年余り。同じ歳月の間に、たとえば日本は経済発展をして、インフラ整備を行って、どんな田舎でも小奇麗な街並みになった。
    一方、キューバが同じ年月でどれだけ経済発展をし、街並みを整えたかというと・・・・。

    そうした目に見える発展がなくても、国民が明るく生き、内乱もクーデターも起きない国がある。

    「独裁者」がクーデターを不可能にしているのだろうか?
    しかし、カストロ自身、体制に不満を持ち、それを覆そうとする民衆の力を押さえつけることなどできないことを知っているだろう。

    知れば知るほど、信じられないような謎の国。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.24

  • zukky-na

    zukky-na

    コブ平さんからお借りした本。
    著者の私的な視点から書かれているけど、
    それでもカストロの魅力が伝わってくる。

    『歴史は私に無罪を宣告するであろう。』
    モンカダ兵営襲撃に失敗し、捕まった時の裁判で、
    被告人と弁護人を一人二役。その時のセリフ。
    この時カストロ27歳。今なお現役。もう51年。スゴイ。
    続きを読む

    投稿日:2010.11.14

  • せん

    せん

    これを読んで、近現代の権力者(悪い意味でも良い意味でも)に関する本をもっともっと読んでみたいと思う気持ちが増しました。フィドロ・カストロっていう名前なんだ。弟はラウル。下の名を知ることで、現代に生きる人だと、少し親しみを持てました。 続きを読む

    投稿日:2007.11.03

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