【感想】鹿男あをによし

万城目学 / 幻冬舎文庫
(511件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
161
227
74
5
2
  • 非現実的なお話はちょっと・・・という人にも読んでみてほしい

    鹿に話しかけられる.なんやそのしょーもない設定は.
    と,あらすじだけ読んで決め付けてはいけません.
    超非科学的な状況を全く受け入れられない科学者の「おれ」.そう,主人公こそがそのしょーもない設定を最も受け入れられないタイプの人なんです.
    だからでしょうか.主人公の視線で読み進めるうち,読者もぐいぐいとありえない世界に強引に巻き込まれていき,ありえない困難にあら困ったわぁと自然と感情移入していきます.
    そして何の冗談なのかと思っていた設定が意外や古代スペクタクルロマンの様相に.奇抜すぎる設定のため本筋の説明が後回しにされがちですが(私もしましたが),手に汗にぎるミステリー小説なんです.一気読み必至!
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    投稿日:2013.09.26

  • 十二支の因縁の件。絶対人に言いたくなること請け合い。

    私、勝手に「かりんとう効果」と名付けました。全編を通して、その時々の先生の気持ちに寄り添いながら、
    かりんとうの味わい方が変化する、かりんとうのかじり方が違うという、面白い法則を発見しました!
    ほかにも、ほんのちょこっとの芭蕉さんの出番すら、爆笑級です。なのでどれくらい楽しめるかって・・・!
    その上、「おれ」からの一人称の目線なので、先生の心・思う事はダダ漏れの一直線でわかり易い。
    いい奴だなあ!
    なんてったって、とんでもない事されたのに、それを受け入れようとするなんて、いい奴に決まっている。
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    投稿日:2016.11.21

  • 「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」と鹿に話しかけられた男の苦悩

    少々退屈気味の前半も中盤に差し掛かると一気にスピード感が増し
    怒涛の終盤になだれ込む、そんな展開が爽快です

    歴史的な背景にしっかりと触れてあったりもするので
    鹿が喋ったりナマズが暴れたりと説得力もなんもない設定の法螺話も
    妙にすっきりと受け入れられて楽しめる話です
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    投稿日:2013.11.03

  • 面白いです。気軽に読み始めると止まらなくなる。伝奇ミステリーの秀作

    「しゅららぽん」「プリンセス・トヨトミ」に次いで3作目の万城目作品は。読み味としては軽妙で数百ページを一気に読める。個人的には万城目作品は出汁の効いた和食の名品のような感じ。読み疲れが一切なくて、それでいてしっかり味わい深く、何より面白い。伝奇ミステリーという分野には何人か好きな作家さんはいるが、万城目さんの作風は他の作家さんにはない。この作品も、解説だけ読んで「鹿が話しかけてくる」なんて怪しい子供向けファンタジーと思って、読まないでいるのはもったいない。日本の神代の伝説を元にしたしっかりとしたミステリーに仕上がっています。あと女性登場人物が魅力的。特に女子高生の準主人公はミステリーっぽくないキャラクター設定で、どうにも気になる、応援したくなる存在。後半にかけて何度か涙が滲んできた作品です。続きを読む

    投稿日:2014.10.27

  • ストーリーに惹き付けられる

    言わずと知れた玉木宏、綾瀬はるか主演のテレビドラマの原作です。テレビドラマも面白かったですが、原作はもっと面白い!
    万城目作品は、読者をぐいぐい引き込む魅力にあふれています。
    明らかに非現実的なストーリーも面白いし、登場人物の心理描写もきめ細かく魅力的です。続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • こんなことないと思うけど・・・

    おもしろかったです。
    途中から俄然面白くなりました。
    鹿が話しかけてくるとか、現実にはありえないことなので、
    イメージできずに読み進めることができなかったのですが、
    剣道の試合あたりから一気に読みました。
    不思議な話なんだけど、登場人物はみんな普通で、やぼったい感じの人が多いのが逆に魅力。
    おかげで、ますますホントにありそうに感じてしまう。
    続きを読む

    投稿日:2014.05.06

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ブクログレビュー

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  • 白いヤギと黒いヤギ

    白いヤギと黒いヤギ

    万城目学版「坊ちゃん」…奈良バージョン。
    でも、それだけで終わらない魅力がある。

    大学院で研究をしていた"おれ"は、教授の依頼で奈良の女子高校に理科教師として赴任する。下宿先のばあちゃんがいい人で、「あ、この人が"清"だな」と感じる。そのばあちゃんが曲者だと評した教頭が"赤シャツ"かな。"マドンナ"はそのまんま"マドンナ"のあだ名で出て来るし。
    でも、さすがに万城目版「坊ちゃん」はそれだけでは終わらない。ある日突然、鹿に話しかけられた"おれ"は、ある重要な任務を与えられる。さらに、剣道部の顧問になった"おれ"は、クラスで最悪な出会いをした女子高生•堀田イトと共に系列校三校対抗戦で優勝しなければならない羽目に陥る。ここでは"スポーツ根性マンガ"に匹敵する対抗試合が展開するのだ。面白い。
    『ホルモー六景』で舞台になっていた京都の料理旅館「狐のは」が出て来るなど、シャレが効いている所も良い。他にも、鹿から"呪い"を受けてしまった"おれ"の運命にハラハラしたり、同僚の藤原先生と奈良名所巡りをしたりする描写などもあって飽きさせない。それと、真実のヒロインの位置にいる"野生的魚顔"の少女•堀田イトとの関係も。この世界観、大好きです。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.15

  • ラミラミ2022.5

    ラミラミ2022.5

    このレビューはネタバレを含みます

    2007刊行
    大学院の研究室にいた
    「おれ」が奈良の私立女子高校へ
    出向のような形で赴任(2学期のみ)
    そこで鹿から話しかけられる
    (使い番とか運び番とかの話)
    だんだん顔が鹿になっていく
    赴任し最初の授業で
    遅刻してきた女子高生 堀田
    堀田の言動や行動が
    一々よくわからなくて..
    (自分的には結構腹立たしく..)
    その理由がわかるのが
    大分後半になってから..
    鹿 鼠 狐 (眷属) =神の使い
    の顔になっている人
    →デジタルカメラに写ってしまう
     (ポラロイドや光学カメラには
    人の顔で写っている)
    そこに写っていたのが
    教頭(リチャード)=鼠
    身近にいた人

    本当の歴史上の
    建物 都市(宮) 神社 言葉 等等
    思う存分
    自分のキャラクターとして
    使っていて...
    ナマズか日本を滅ぼすとか..
    (自分の中では地震が起きるくらいだけど..)
    日本の調和とか..
    日本を救うのは
    「おれ」にかかっている..とか
    本当の神様が見たら
    バチ当たりそう...
    とちょっと思った(笑)
    ちょっと恥ずかしいというか..

    読後
    外国で作られた
    日本舞台の映画
    観た気分になった
    よく出来たお話だったけれど..





    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.13

  • あゆた

    あゆた

    先がどうなるか読めないこのワールド、途中から夢中になって読み進めました。最後の最後、どうなるかと思ったら、こうきたか…!不意打ちでまさか泣くとは。読んだ後の、よかったなあーという安心感と満足感があって、いいお話でした。続きを読む

    投稿日:2024.04.03

  • neko damashi

    neko damashi

    ちょっと笑えたり、感動したり、とてもおもしろかったです。奈良の鹿を見たことがあったので、より楽しめた気がします。

    投稿日:2024.04.03

  • URIKO

    URIKO

    まだまだ万城目ワールドに浸ります。
    これは、どうしてもドラマ出演者の顔が浮かんできてしまって、映像化されたものを見るのも善し悪しだなーと思いました。
    物語としてはもちろん面白いです。「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」に続き、これまた奇想天外な発想に驚かされますが、日本の危機が迫っているというのに、なんとものんびり穏やかな展開に思えるのは、奈良という舞台ならではでしょうか。(あ、ダジャレになった)
    奈良には2回ほどしか訪れたことがありませんが、京都の混雑から逃れて、ふーと落ち着いて観光できた印象があります。いやいや今更ながらですが、歴史的にすごく貴重で好きな方にはたまらなく面白い土地ですね、奈良って。子育てがひと段落したら夫とゆっくり奈良を巡りたいな~なんて思っていましたが、これを読んでいますぐにでも行きたくなりました。

    「ホルモー六景」を読んですぐあとだったので、「狐のは」が出てきた時には、「ひゃっは~」と思いました。こういう、作品を超えての小さなつながりを発見するのは、読書好きにはたまりませんね。

    で、肝心なストーリーですが、鹿島大明神と奈良の繋がり、なまずのお話、そして卑弥呼の存在など、全くの作り話ではないものの上に、万城目ワールドが展開されていて、妙に説得力があるようなないようなふわふわとした感じがとても心地よかったです。先述しましたが、妙に穏やかで、悪人はいないし、動物はしゃべるし、なんというか安心して読めるというか。

    どうにか事が丸く収まった後の、リチャードへのちょっとした仕返しや、マドンナも一緒の散歩(登山)、鹿との会話(ここで芭蕉がでてくるとは!)、ばあさんとの別れ、堀田との出来事など、余韻がまた良かったです。うまいお話の終わらせ方だな~と思いました。

    児玉清さんの解説で「坊ちゃん」を意識した作品であることがわかり、自分の知識のなさにガックリ・・・

    やっぱりこういうところなんですよね、すんごい突飛な発想から出来たお話だけど、実は万城目学さんのすんごい広い知識がここかしこに生かされている。

    今回も存分に万城目ワールドを楽しみました!
    続きを読む

    投稿日:2024.04.02

  • こころ

    こころ

    すごい面白かったです!
    ファンタジーの世界にのめり込みました!
    終わり方もよかった!
    ドラマは観てないけど、再放送とかあれば観たいです!

    投稿日:2024.03.27

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