【感想】八日目の蝉

角田光代 / 中公文庫
(1586件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
397
629
350
56
17
  • これは、本当に評判どうりで面白かった。

    角田光代さんのこの小説を読む前は、女性の作家が書いた本は
    ほとんど読んだことがなかったのですが、ふとしたことから映画の「八日目の蝉」
    を観たことがきっかけで、どうして主人公の女性はこんなことをするようになったのか
    興味がわいて読み始めたら・・・なんと、これが面白くて面白くて2日で全部
    読んでしまいました。これを読むと、男ってその場限りの都合のいいことを語りますが、
    実際に子供を育てるのは女の役目なんだなぁと実感しました。小説としては異例の犯罪者が主役で被害者は脇役で、
    誘拐された娘が大人になってから幸せになろうとする過程も上手に描かれていたと思います。
    続きを読む

    投稿日:2015.04.03

  • 恐らく女性向け。

    もしかしたら女性の読者だったら楽しめるのかもしれない。結婚してないし子供もいない私にはどうしても登場人物たちがどうしようもなく自分勝手でとても共感できなかった。

    大体妻子持ちの男が浮気するというのも許せないし、あろうことは浮気相手を身ごもらせるなんて犯罪行為にしか思えない。

    他人の子を盗み逃亡した主人公が早く捕まって裁きを受ければいいと思ったのは私だけだろうか?浮気をして相手を身ごもらせた二人の人物の家庭が崩壊すれば多少はスッとしただろう。

    後味の悪い作品だった。
    続きを読む

    投稿日:2016.01.12

  • 「やさしかったお母さんは、私を誘拐した人でした」

    映画のコピーである、この一文だけで
    すべての内容がわかる。
    そして、
    映画と原作では設定が違うが
    子どもを奪い去られた実母も、また哀れである。

    誰もが「悪くない」のに、みながズタズタに傷ついてゆく切なさ。
    自分ならどうしただろうと、
    読み終えたあとも考えさせられた。
    続きを読む

    投稿日:2013.11.09

  • 親子とは

    とても感動できる作品です。
    実際には多分ありえない設定上で母性のみを際立たせた作品だと思います。親子とは血のつながりだけではないんじゃないかと考えさせられます。途中ちょっと説明っぽい部分が多少だるい感じはしましたが、ラストは感動します。続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • せつなすぎて

    絶対に許されることのない罪を犯した逃亡者だが
    どうか逃げきってほしいと思いながら読みました
    せつなすぎて涙がこぼれます

    投稿日:2013.11.07

  • 考えさせられる

    子供の人格形成に環境って大きいんだなって改めて思った。
    現実社会では、やってはいけないことだけど 親子って、社会で生きていくってどういうことなのか考えさせられた。
    最後、ほんの少しの救い(せつないけど)あって良かった。続きを読む

    投稿日:2013.10.02

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ブクログレビュー

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  • ナマケモノ

    ナマケモノ

    読み終えましたが感情がカオスです。きわこは母性が強いのはわかりますが、人の子を拐うまで理性がなくなるのがわからないです。実母よりよほど母性が強く目線から愛が溢れていて薫の気持ちを丁寧に察しながら親をしていたと思います。
    実母は被害者なのはわかるが世間的には犯罪者とされるきわこよりも母性においては子供くさく未熟。未熟さをも被害者というよろいで守ってるかのようでした。きわこですが母性の強さと不倫といういけない関係は同一人物で、堕胎させられたにしても
    同じ人間でも多面性があるなと思いました。実母も若い子と不倫していたようだし薫の両親はダブル不倫してるんだから薫が学生で孕んでも不思議ではないなと思いました。薫は事件のせいでと言いながらも実の両親よりきわこ個人についてはあまり恨みを持っていない印象でそこが救いでした。
    救いと言ってる時点できわこに肩入れしてしまう自分がずっといたし、薫も覚悟を決めて幸せになって欲しい。きわこは最後薫!なんて心で叫んでいたようだけど似た年齢の女性がきたら薫!ってその都度思うのかな?神々しいと書いてあったから4年限定の親の直感だったのかな。
    すれ違ったのは残念だけど、いつかあって今までのこと分かち合える時がきたらいいのになと思いました。千草には2人目のお母さんとして薫を見守って欲しいです。
    エンジェルホームでの描写は面白かったです。普段のぞけない世界なので、、、
    続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • じゃがいも

    じゃがいも

    このレビューはネタバレを含みます

    はっきりとした情景は浮かばないけど、心の底にある記憶が誘拐犯とのものだったら。急に母だと思っていた人がいなくなったら。どんなに怖いだろうかと思った。4歳まで育ててくれた母は悪い人。それでも、それまでの子供の記憶は否定してはいけない。薫を抱きしめてあげたくなった。
    希和子の気持ちにも共感するところがあり、、
    親になってから読むと、また視点が変わりそう。希和子は生物学的に母になれなかったので、出産の経験がない人こそ共感できるのかもしれないけれど、、

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.11

  • レーズンバターサンド

    レーズンバターサンド

    物語の初めから引き寄せられる展開でページを捲る手が止まりませんでした。
    誘拐犯であるのに、そのまま静かに母子2人で過ごして行くことは出来ないのかと思ってしまうほど、私も希和子を擁護する立場になっているのに驚いてしまうほどです。続きを読む

    投稿日:2024.04.07

  • best2625

    best2625

    角田光代さんの作品を読んだのは、2月10日に読了した『さがしもの』に次いで2作目です。

    『さがしもの』がとても良かったので、角田さんの違う作品も読もうと本屋さんで探していたところ、「角田光代の代表作」と書いてある本書『八日目の蝉』の帯に目が留まり、あらすじを読んだところでレジに向かいました。

    読了して直ぐに本文を書いていることもあり、少し冷静な評価ではないのかもしれませんが、私が今までに読んだ中でベスト10に入るほど好きな作品となりました。

    とりわけ、1章の中盤(つかの間ではあったが、小豆島での幸せな生活)から(そうなることが必然とはいえ、希和子と薫の生活が終焉となる)章末までと、フェリーで小豆島へ向かおうとする(大人になって身ごもっている)薫と、それが薫とは気づかないまでも、その姿に薫の面影を見る希和子のすれ違うエンディングには心が大きく揺さぶられ、涙腺も崩壊してしまいました。
    希和子と薫が血を分けた実の母と娘ではないのは事実ですが、親子であったのは二人の間の「真実」でしたね。

    最後に、本作品は映画化もされ、日本アカデミー賞を受賞している名作らしいので、是非観たいと思います。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.03

  • うのさん

    うのさん

    積読してた本のひとつ。ようやく読み終えた。
    男女目線で意見、評価がわかれるのかなと
    皆さんの感想からそういう捉え方もできるのかと
    思わせられる作品だったと思う。
    ラストの流れはハッピーにはならなかったが良い意味でいい展開であった。続きを読む

    投稿日:2024.03.29

  • おもち

    おもち

    このレビューはネタバレを含みます

    終わりが気になって一気読みした。涙なしでは読めなかった。自分の子どもが誘拐されたらおかしくなる、許せない。なのに、希和子を応援してしまう自分がいる。このまま2人で幸せになって欲しいと願う自分がいる。「歯茎に白い歯が見える。宝石みたいだと思う」「海も山も、春の花も冬の雪も。びっくりするほど大きい象も飼い主をずっと待つ犬も。かなしい結末の童話もため息の出るような美しい音楽も」どれほど薫を愛して、大切に守ってきたかが痛いほどに分かる。「茶化すみたいに、なぐさめるみたいに、認めるみたいに、許すみたいに」

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.24

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