【感想】イン・ザ・プール

奥田英朗 / 文春文庫
(1409件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
331
547
391
42
7
  • 名(迷)医、伊良部医師を世に送り出した記念すべきシリーズ第1作目

    無敵の名(迷)医、伊良部医師を世に送り出した
    記念すべきシリーズ第1作目

    40代、色白ぽっちゃり男、注射フェチでマザコン
    総合病院の薄暗い地下の一室でこんな医師が「いらっしゃ~い」と出迎える
    考えるだけでもゾッとしますが
    これが他人事となるともう大笑い

    とてもまともとは言えぬ治療法で
    次々と患者の悩みを解決していく伊良部
    患者だけでなく読んでる人も爽快な気分にしてくれるのだから
    やっぱり名医なんだろうなぁ
    続きを読む

    投稿日:2014.07.11

  • 伊良部ならアリかなあと思えてしまう。

    本作は続編の「空中ブランコ」が直木賞を受賞しかなり話題になった事と時効警察の監督(三木聡)が映画化したということで文庫化に際し読んでみた。正直、読んだときの感想は意外だという驚きとなんとも言えない可笑しさだった。それまで私の奥田英朗という作家の印象はクライム系の重い物語を書く作家だと勝手に思っていたからだ。型破りというか、金で医者になったに違いない精神科医の伊良部とそこを訪れる変な患者。彼らが毎話、胡散臭さ全開の伊良部の治療に付き合う様が面白い。真剣に悩んでいる患者は半信半疑ながらも伊良部の治療に付き合うのだが、いつからか伊良部自身が患者の悩みのタネなり、その騒動の最中に自分が何を悩んでいたのか分からなくなりいつの間にか治っているというパターンがどうにもおかしいのだ。本物の医者は決してこんな医学的根拠なし?の指示はしないとは思うのですが何故か伊良部ならそういうのもアリかあと思えてしまうのである、、、まさに迷医だ。

    あとマニアックな話で恐縮だがこの作品を読んだ当時、放送していたアニメ「エウレカセブン」に出てきた「グレッグ・ベア・イーガン」博士がどうしても伊良部に思えて仕方なかった。あ、助手のマユミちゃんは何故か「柴咲コウ」。ということだけ付け加えておこう。
    続きを読む

    投稿日:2014.08.22

  • (笑)(笑)

    ぷっとしてしまう私。電車の中で思わずハヒッ(笑)としてしまい我に帰る…。そんな中にも1話終わると何かしら得るものを感じさせます。良く考えたなぁと感心しきり。プロのテクニックだ!そんな本に脱帽です!

    投稿日:2014.12.12

  • Wカップの合間に残り300ページ昨日読了しました。

    深刻な症状に悩まされてる5人の人達が、総合病院の地下1階にある神経科に通うことになった話の短篇集。
    「いらっしゃーい」と明るく場違いな声で迎え入れ、そして一言「注射しようかー」と両手広げて腰を浮かしてくる。
    その医者(伊良部一郎)がどうしようもない奴で診察をしてるのかおちょくってるのか患者のほうが振り回されるのだが、いつのまにか病を克服していく。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.07

  • イン・ザ・ブルー

    ずーっと、イン・ザ・ブルーだと思ってました。老眼のせいか?(笑)
    読んでみてなるほど

    変なのは事実、迷医か名医かは最大の謎。
    続編で解明されるといいのだけれど、このままじゃ寝れなくなりそう
    伊良部先生助けてください。(笑)続きを読む

    投稿日:2014.08.13

  • 期待ハズレ

    この作品の前に、サウスバウンドを読み非常に面白かったので、期待して読みました。同じ作家の作品とは思えないほどつまらなかった。少年漫画誌にありそうな軽いと言うか、薄っぺらいストーリー。時間と金の無駄遣いでした。続きを読む

    投稿日:2015.12.22

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ブクログレビュー

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  • じゅう

    じゅう

    奥田英朗の連作短篇集『イン・ザ・プール』を読みました。
    ここのところ、国内の作家の作品が続いています。

    -----story-------------
    直木賞受賞作『空中ブランコ』のルーツ。
    これが伊良部のデビュー作!

    「いらっしゃーい」。
    伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。
    色白で太ったその精神科医の名は、伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。
    プール依存症、陰茎強直症、妄想癖……訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。
    こいつは利口か、馬鹿か? 
    名医か、ヤブ医者か?
    -----------------------

    2002年(平成14年)に刊行された精神科医・伊良部シリーズの第1作です。

     ■イン・ザ・プール
     ■勃ちっ放し
     ■コンパニオン
     ■フレンズ
     ■いてもたっても

    第4回大藪春彦賞受賞、「このミステリーがすごい!」で『模倣犯』に次ぐ2位……精神科医・伊良部一郎、彼のもとを訪れる悩める者たちは、誰もが驚き呆れる、、、

    どっちが患者なのか? 体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。

    藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは……とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題、、、

    でもなぜか病は快方へ……? 現代世相の病理を、コミカルかつ軽妙な筆致で描き出した怪作! 精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!

    破天荒な精神科医・伊良部一郎が患者たちの問題を奇抜な発言や行動で解決に導くコメディタッチの物語……患者の方も、下痢と不眠の悩みからプール依存症となった出版社勤務の男をはじめ、陰茎強直症のサラリーマン、ストーカーに追い回されている妄想癖の女優を目指しているイベントコンパニオン、携帯電話依存症の男子高校生、雪だるま式に増大する不安を抱える強迫神経症のルポライターの男 と、一筋縄ではいかぬ人物ばかり、、、

    伊良部のユニークなアプローチと、その暴走治療?により患者たちが心の平安を得る過程が笑いと感動をもたらします……伊良部の突出した存在感が印象的ですねー 現代世相の病理を、コミカルかつ軽妙な筆致で描き出した怪作だと感じました。

    以下、主な登場人物です。

    伊良部 一郎(いらぶ いちろう)
     精神科医。35歳。伊良部総合病院の息子。色白でデブでマザコン。
     「いらっしゃーい」と甲高い声で患者を迎える。愛車は黄緑色のポルシェ。
     注射フェチで、患者が来た時はとりあえず注射を打つ。神経は図太く、遠慮知らず。
     破天荒な性格。ボサボサの髪にはフケが浮き出ている。
     思ったことは何でも実行に移す主義。父親は日本医師会の理事。

    マユミ
     伊良部の助手を務める茶髪の若い看護師。
     美人だが愛想はない。
     ミニスカート等、セクシーなナース服に身を包み、露出狂かと思われるくらい肌(特に胸と太もも)を露出する。
     一人でいることを好み、友達もいないらしい。

    大森 和雄(おおもり かずお)
     「イン・ザ・プール」主人公。
     38歳。既婚。出版社勤務、主婦向けの月刊誌の編集部在籍。
     運動をするように伊良部に言われ、プールに通い始める。
     完璧なフォームとより長距離泳ぐことを求め、仕事中も泳ぐことばかり考えてしまい、やがて泳がずにいられなくなるプール依存症に。

    田口 哲也(たぐち てつや)
     「勃ちっ放し」主人公。
     35歳。サラリーマン。
     淫夢を見て勃起していたところ、棚から落ちてきた広辞苑が直撃し、鎮まらなくなる。

    安川 広美(やすかわ ひろみ)
     「コンパニオン」主人公。
     女優を目指すイベントコンパニオンだが、事務所の斡旋で結婚相談所のサクラもしている。
     毎日誰かに尾行されている気がして、眠れぬ日々が続き、友人の助言で神経科を訪れる。
     友人は自意識過剰だと言う。
     
    津田 雄太(つだ ゆうた)
     「フレンズ」主人公。
     高校2年生。
     どんな些細なことでも携帯電話でメールしてしまい、その回数は1日に200回以上におよぶ
     。片時も携帯を手放せなくなり、10分程度触っていなかっただけで、左手に震えの症状が出始め、親に勧められ神経科を受診。

    岩村 義雄(いわむら よしお)
     「いてもたっても」主人公。
     33歳。独身。ルポライター。
     タバコの火の始末の確認行為が習慣化し、止められなくなる。自ら強迫神経症と診断を下し、伊良部の元を訪れる。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.14

  • ことの

    ことの

    伊良部先生の強烈なキャラクターが、どの短編物語でも、おもしろかった。
    シリーズ化されていることを知ったので、読んでみたいです。

    投稿日:2024.04.12

  • 雪見だいふく

    雪見だいふく

    このレビューはネタバレを含みます

    軽さと勢いがあって一気に読める短編集。
    「空中ブランコ」で伊良部Drシリーズを知り、読んでみた。
    個人的には空中ブランコの方が好き。
    フレンズはガラケー時代の話であるが、SNSを利用する今の学生にも呼んでもらいたい内容。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.30

  • 2057394番目の読書家

    2057394番目の読書家

    伊良部の患者への寄り添い方や、悩みの解決の仕方が独特で面白い。
    短編集でどの話もスッキリ終わるのが、読んでいて気持ちが良い。

    投稿日:2024.03.27

  • kshystk

    kshystk

    おもろい。イン・ザ・プールの大森和雄がプールにのめり込んでいくさまとそれに苛立ち始める妻尚美とのやり取りは、リアリティがあってよかった。色んな事に興味を持つことは大事だよなあ。奥田先生は、別にそのことを伝えたいわけじゃないんだろうけど。続きを読む

    投稿日:2024.03.17

  • たまご

    たまご

    単刀直入に「伊良部さんちょっとキモ」と思ってしまったのに、最後は「あーよかった」ってなってる不思議さ!
    よく考えると重ための内容なのに伊良部さんのおかげ?でしんどくならずに読み進められる

    自分の気分なのか、相性なのかサクサク読み進められた訳ではなかったので一応★3続きを読む

    投稿日:2024.03.09

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