この作品のレビュー
平均 3.5 (26件のレビュー)
-
1.著者;伊集院氏は、小説家・作詞家です。電通のCMディレクターになり、松任谷由実や松田聖子のツアー演出を手掛けました。その後、作家デビュー。「乳房」で吉川英治文学新人賞、「受け月」で直木賞、「機関車…先生」で柴田錬三郎賞、「ごろごろ」で吉川英治文学賞を受賞。また、伊達歩の名で作詞家としても活躍。「愚か者」で日本レコード大賞を受賞。マルチな才能を発揮しています。
2.本書;伊集院氏が『追いかけるな』をテーマにした理由を書いています。「望み、願いと言った類いのものを、必要以上に拘ったり、必要以上に追いかけたりすると、それが逆に、当人の不満、不幸を招く事が、・・・間々あり得る事を見てきたから」と。4章の構成。「第一章;追いかけるから、負けるんだ」~「第四章;生きるとは失う事」。シリーズ合計で、220万部超のヒット作(2022年3月)。
3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記);
(1)『第一章;追いかけるから、負けるんだ』より、「(銀座の底力)作家は自分一人の才能で一人前になると思っている人もいようが、それは違う。人間の才能なんて高が知れている。どんな職業、仕事も周囲の人が見守り、育ててくれるのである」
●感想⇒「人間の才能なんて高が知れている」について。私は、才能には個人差があると思います。しかし、努力すれば、そこそこのレベルまで到達できるので、自分が目指すもの(仕事や職業など)には、刻苦勉励骨身を惜しまず努力する事です。そうすれば、たとえ目標を達成出来なくても、満足感は得られます。結果よりもプロセスに意義があると思うからです。但し、著者が言うように、一人前になるには、周囲の人(親・先生・友人・知人・・)の支援が不可欠です。知人の中に、関係者の有形無形の恩を忘れて、自分の才能を自慢する人がいます。自己中心の生き方をする人は、いずれ相手にされないでしょう。世の中は人の集まりです。感謝の気持ちを大切にしたいものですね。
(2)『第三章;私は黙っていた』より、「(必ず帰ってくるから)子供に対しても、ましてや可愛いと思う孫に対しても、厳しく接する親、祖父母が少なくなった。子供を甘やかしても、ヤワがさらにヤワになるだけである。・・子供というものは何一つわかっていないものだ。・・それを一つ一つわからせるには、辛抱強く躾けるしかない。躾けて初めて子供は理解する。自主性?バカを言ってはイケナイ。そんなものはすべてを教えてから、後の事だ。今、孫に何かを残したい、と相続する準備をする祖父母が増えているらしい。バカな事をしなさんナ」
●感想⇒最近、子供の就職やお見合いに、親がついてくる事があるそうです。著者が言うように、「子供や孫に厳しく接する親、祖父母が少なくなった」からでしょう。某教育者によれば、「人格は3歳頃に基礎ができる」との事。幼少時の躾は重要なのですね。事ある毎に、言って聞かせなければなりません。そして、頃合いを計って本を読ませたり、様々な体験をさせる事も大事だと思います。私なら偉人伝の類いを読ませます。時には図書館に連れて行って一緒に読書するのも良い事です。そして、読後の感想を話し合い、読んだ本の良し悪しを述べ合うのもステキですね。老婆心ながら、”躾”と言いながら、体を叩くなどの暴力は決してしてはいけません。先々まで心の傷になるからです。
(3)『第四章;生きるとは失うこと』より、「(生きるとは失うこと)憂うのは、今の日本人の、個の甘さ、甘え、である。皆が一つの方向へ行けば、ワァーッとヒ弱な鳥のごとくそちらへ走る。敢えて苦節に身を置かねばならない年齢の若者が、スマホを後生大事に持って、暇があれば覗いている。バカナコトヲ・・・。・・情報より大切なものが、人間が成長する時期にはあるだろう。・・君たちが何も持たない普通の若者なら、人の何倍もの苦節経験しなければ、本物の大人の男にはなれないぞ」
●感想⇒「苦節に身を置かねばならない年齢の若者・・」はその通りだと思います。私事です。学生時代の同級生の生活は、ピンからキリまでありました。ピン=❝裕福な暮らし・車を乗り回す・合コンにうつつを抜かす❞学生、キリ=❝貧乏・奨学金・学業を続ける為にアルバイトする❞学生。私はキリに近い生活でした。しかし、その後の人生に役立つ事を多く学びました。学問する事で見識を得、読書する事で多くの事を学び、アルバイトでお金を稼ぐことの大変さ・人間関係の複雑さ・・・様々な経験が出来ました。当時も今もピンの人を羨ましいと思った事はありません。人はそれぞれの環境の中で生まれ育ってきた訳ですから、与えられた条件を受止め、克服する事で未来が開けると思います。この世に生をもたらしてくれた親に感謝し、自分らしさの幸福感を掴みたいですね。
4.まとめ;本書の冒頭に「どんな仕事も、・・・、学問も、行きつくところは、人間はいかに生きるか、という命題に辿り着いている」と書いてあります。誰もが、普段の忙しさに紛れて、生き方についていちいち考えてはいないでしょう。しかし、ある時ふっと人生に思いをはせる事もあります。私もこれまでを振返ると、良い日・良くない日々が走馬灯のように浮かびます。しかし、過ぎ去り日は戻ってこないので、反省しつつも、明日を見て生きる事しかありません。伊集院氏は言います。「私が言う、❝追いかけるな❞は、前進の為にあると思っていただきたい」と。『大人の流儀』を読むと、伊集院氏はぶっきら棒のように見えますが、実は勤勉で、優しく、温かい人柄だと思います。本書は、これからの人生の羅針盤と言えます。(以上)続きを読む投稿日:2023.03.07
2015年初版。相変わらずの言いたいことを歯に衣着せぬ文章。今のご時世では、うるさい爺さんなんでしょうね。ただ、私は著者に年齢が近い。頷く部分も多々あります。やたら周りを気にして忖度ばかりをして生きて…きた私にとっては憧れる部分が、あります。でも、他の方もコメントされていますが、シリーズを重ねるごとに仕方ないですが新鮮味が、なくなってきたなあと思います。続きを読む
投稿日:2024.02.21
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。