会社人間だった父と偽装請負だった僕
赤澤竜也(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
ある事件をきっかけに会社人間だった父親の人生を追い始めた著者。その過程で見えてきたのは、家族までを抱え込むことで社員に忠誠心を植え付けてきた日本企業と、会社のために身を削って働く父の姿。会社に忠誠を尽くせば一生安泰。そんな時代が終わって十数年。今、会社は利益のために人を平気で切り捨てるようになった。
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商品情報
- シリーズ
- 会社人間だった父と偽装請負だった僕
- 著者
- 赤澤竜也
- 出版社
- ダイヤモンド社
- 書籍発売日
- 2009.01.29
- Reader Store発売日
- 2015.05.18
- ファイルサイズ
- 1.6MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (9件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
著者の自伝。
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戦後日本を支えた会社人間だった父と、敷かれたレールを嫌っていたら、いつの間にかレールそのものが消えていたという著者。
著者がニッポン株式会社と表現する社会については、私は全くもって未経験の世界。そんな時代もあったのだな……と。
それよりも、著者がトラック運転手をしていたときの話が衝撃です。
なんとなくその業界の状況は想像していたものの、ここまでなのかと。そして、これからどうなるのかと不安に駆られます。投稿日:2018.03.03
現在は4つのメガバンクに統合されてしまいましたが以前は10行以上の都市銀行がありました、父親が元大和銀行の役員をしていた人で、父親の苦労を間近で見てきた著者によるドキュメンタリーです。
中で書かれ…ている内容に郷愁を感じる部分が多く、後で同じ年齢なのを知って納得しました。社会人になって20年間、インターネット、携帯電話、グローバルという名のパラダイム変換によって、ドラスティックに環境が変わり、それに応じて自分も変わらざるを得ない状況になりました。
あと20年でどのように変化するのかわかりませんが、20年経過して今のように驚いていることだと思います。この本を読んで、どのような生き方が最も自分に相応しいのかを考える良い機会になったと思います。
以下は気になったポイントです。
・イワシ、鳥の群れが巨大な生命体であるかのように複雑で素早い動きをするルールとは、1)近くにいる個体と進む方向・スピードをあわせる、2)近くにいる個体との距離を一定に保つ、3)個体が少しでも多くいる方向へ向かう、である(p5)
・アメリカのドラマに出てくる父親は、必ず夕食までに帰宅して、一緒に食事をする(p58)
・1973年(昭和48年)には、三光汽船は株式時価総額が新日鉄を抜いて日本一、世界最大のタンカー会社となった、その会社が1985年8月12日に倒産した、13日の新聞には日本航空123便が墜落したニュースが一面のため、大ニュースとならなかった(p76)
・金融機関の店舗には現金はそれほど置いていない、支店には経理部から必要な現金が毎日届く(p87)
・バブル期の都市銀行は、1)融資の資金使途確認、2)過剰融資の排除、という原則があったがそれを取り払った、サラ金と同じコトをしたが貸し付けた金額はサラ金とは桁違いであった(p93)
・銀行は保険を販売して手数料をとることは銀行法で禁じられていたので、手数料は系列保険代理店に入る仕組みを採用、保険会社からは実績に応じて低利の通知預金も預けてもらえる仕組みもあった(p94)
・りそな銀行は、旧大和銀行が母体となっている、2001年に近畿大阪銀行、奈良銀行と持ち株会社を設立、2002年にはあさひ銀行が参加して、りそなホールディングズへ変更(p149)
・従業員を部品扱いすることは、与えられた最低限の仕事をいかにこなすかだけを考え、下から上への改善提案などあり得ない、結果的には会社の体力を弱らせることになる(p199)
・バブル崩壊後に社会構造が二極化した印象を受けるのは、日本式経営システムの崩壊がある、一方、良いこととして組織の論理のみに従っていたサラリーマン経営者は、消費者や株主を意識することなく企業統治が不可能になった(p208)続きを読む投稿日:2012.04.24
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