切子
本田真吾(作画)
/漫画ゴラク
作品情報
17年ぶりに集まった中学の同級生6人。
母校で行われる同窓会が惨劇の場と化すとは、その時誰もが思わなかった…。
「ハカイジュウ」でモンスターパニック漫画の金字塔を打ち立てた本田真吾、待望の新作!
正体不明の異形女子が圧倒的殺意で襲い来る、「呪殺系」ホラーの傑作!!
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商品情報
- シリーズ
- 切子
- 著者
- 本田真吾
- 出版社
- 日本文芸社
- 掲載誌・レーベル
- 漫画ゴラク
- 書籍発売日
- 2015.03.09
- Reader Store発売日
- 2015.03.09
- ファイルサイズ
- 70.9MB
- ページ数
- 196ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
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この作品のレビュー
平均 2.7 (10件のレビュー)
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ストーリーは悪くないのですが...
作者の本田真吾の作品で、私が読んだことがあるのは「ハカイジュウ」で、本人が意識してかどうかはわかりませんが、見方を変えるとギャク漫画になってしまうそのぶっとんだ発想は結構好きです。その作者の一巻完結の…ホラー漫画ということで、興味津々でした。
...で、読んだ感想ですが、ストーリーもよく練られていて、 とてもよくまとまっていたと思いました。ただ、期待していた方向性での驚きもなく(いや、あるにはあったんですが微妙に消化不良というか...)普通に面白かったです。という感想になってしまいました。
どうもこの作品、ホラー漫画としてのおどろおどろしい感じをあまり受けない印象です。例えるなら昔のフィルムのぼやけた心霊写真とデジカメで合成されたくっきり心霊写真の差というか、まあこれは完全に個人の嗜好の問題ですね。
続きを読む投稿日:2016.08.27
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このレビューはネタバレを含みます
見たことある絵だな?と思ったら、【ハカイジュウ】の人だった。ネタバレあり。
レビューの続きを読む
中学卒業後、進路はバラバラになったクラスメイト。中学でのみなのアイドル奥村切子の十七回忌ということで、廃校となった母校…に集まり同窓会をしませんか、という案内を受け取り、五人の人間が廃校者に集う。幹事は遅れているらしい。
良介は、みんなのアイドルだった切子に少しときめいてきた。彼女は中三の時橋から飛び降り自殺したとされていたが、可愛くて成績も良くみんなから慕われていた切子、そんな彼女が自殺するはずがない、誰かに殺されたに違いないと良介は思っていた。
お酒を喰らい、思い出話に花が咲く。
……と、安酒に酔った和哉、トイレに出かけ、途中の空き教室に亡くなったはずの切子の姿を見かけドキリとする。
見間違い……そうだ、きっと酔い過ぎたんだ……。
ナンバーワンキャバ嬢だという理緒は、中学時代初恋人であり現在妻子持ち且つ会社社長という和哉にモーションをかける。が、和哉はすげなくそれを断る。
フラれた理緒は煙草を吸いながら一人愚痴る。24歳までは八王子のキャバクラでナンバースリーまで行ったことがあるらしい。
扉の閉まる音が聞こえ、そちらに気を取られた際に太ももに違和感……見れば便座の下から右手が……。
思わず悲鳴をあげる理緒。
悲鳴につられ、女児トイレに向かう五人。みずほが電気をつけると……
首をかっ裂かれた理緒の無残な姿が。
助けを求めようにもケータイは圏外、職員室の固定電話も繋がらない。外へ出ようとしたそのとき地響きが鳴り響き、土砂崩れにより脱出は絶望的に。
16年ぶりに集まり、同窓会をひらいた。そこにいきなり不審者が紛れ込み、理緒を殺して去った、ということは考えにくい。つまり同窓会を仕組んだ人間が何か企み、理緒を殺したのだろう。
誰が、となっていたその時、急に停電に見舞われる。
良介と正雄が配電盤を見に行くことになり、途中正雄は良介とはぐれてしまう。良介を探しにフラついた折、ピアノの音が近くの教室から聞こえてきた。
ピアノを叩く切子らしい人影。混乱し、アーティストとしての血が騒ぎ、セッションを試みる正雄。
しかしすげなくゴキィという音が響き渡る……。
ようやく配電盤に辿り着き、電気を復旧させる良介。正雄を探しに向かい、音楽室にて正雄の無残な姿を発見することになる。
教室にて良介と和哉の口喧嘩が始まる。
いい子ぶって罪を流れるつもりか、途中まで面白がっていたお前も同罪だ、と糾弾する和哉。良介には意味がわからない。
タイムカプセルを開けようと同窓会の招待状にはあった、向かおう、向かったところで無駄だ、以下エンドレス。
そして窓の外にべたりと張り付くナニカ。
「りょうすけくん」
とそのナニカはつぶやく。
と同時に窓を破り中に侵入してくるナニカ。
みな逃げ出す。
そこで英孝が、みんな死んだって仕方ない集まりだとぼやく。
理緒は近年働くキャバクラで客がつかず、枕営業を繰り返しては首になり、東京郊外の店を転々としていた。
正雄は音楽活動と称して親の老後資金を食い潰し海外旅行三昧。
和哉は、経営していた会社は三年前に倒産、現在無職。妻子への度重なるDVが原因で昨年離婚していた。
また、そこで招待者のKは英孝だということが暴露される。作家名である桐島桐緒からとったという。
英孝もまた、小説家になるべく頑張っていたが芽が出ず苦悩していた。
自分と切子は似ている。だからこれを機に一緒に復讐しよう!と叫んだ瞬間、切子に似たナニカに顔を吹き飛ばされる英孝。
一刻を争う、三人は駆け出す。
「イジメの標的を自分から切子に移したのは英孝のくせに!」
和哉が叫ぶ。良介は戸惑う。切子がいじめられていた……?
どういうことか詳しく聞こうとしたその直後、和哉は頭をかじり取られ絶命する。
良介はみずほをおぶさり逃げ出す。
タイムカプセルを掘り返したら何かわかるかもしれない、ということになり、みずほと二人、タイムカプセルを掘り起こす。
様々なものがガラクタに混ざり、写真が出てくる。切子の真似をした顔の知らない人間がおり、良介は驚く。
いいや、その子が切子だとみずほに言われ、さらにわけがわからなくなる良介。
良介の記憶では、可愛らしくて学校中のアイドルだった切子。その面影すらないその少女。
そしてどんどん思い出していく……
みんなでその少女をいじり倒していたこと。
一度助けただけで彼女ヅラをした少女のこと。
みんなから囃し立てられ、バケモノ!と追い払ったこと。
その後は見て見ぬ振りをしたこと。
タイムカプセルに品物を入れたその日、急に切子にごめんねと凄まれ、叫んで押しのけーー橋から突き落としてしまったこと。
ーーそう、切子を殺したのは誰でもない良介だった。
その記憶に蓋をして、必死にアイドル的な切子を上書きした。みんなでいじって遊んでいたかわいい切子を思い出の中に実現させることで、都合の悪い記憶を改竄した。
良介はみずほに、自分は生きる価値がないと吐露する。
みずほは、妻子ある上司と付き合っており、最近になって別れたことを告げ、自分も褒められた人間ではないと伝える。
切子はなんとウルトラマンの怪獣のごとく、校舎を派手にぶち壊せるほどの大きさとなって良介を付け狙う。
自分を連れて行けと叫び、切子の口が迫り……
目覚めると、大きな土砂崩れが眼前に広がっていた。どうやら助かったらしい。
切子の痕跡は何一つ見つからなかった。
一ヶ月後。
同窓会以降、生まれ変わったようだ、と思う良介。上司から理不尽な指摘を受けても、軽く受け流せる。
みずほとは一週間ほど連絡が取れない。みずほも忙しいんだろう、と良介は思う。
切子に救われた命だから、さらに大切にしないと……
そんなふうにホンワカ思っている真後ろに、大きな瞳が……。
って、なんでだよ!???
理不尽だなオイ!!
二人助かった意味ねーじゃん!
いやたまにあるけど! こういうの!
ホラーでたまにあるけど!!
ブックパスだったから良いけど、これ定価で買ってたらクソ過ぎて泣く。続きを読む投稿日:2017.11.14
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