イノベーションは技術進歩ではない クリステンセンが再発見したイノベーションの本質
楠木建(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
いまやイノベーションは時代の合い言葉であり、その必要性が多くの企業で語られている。
しかし、その一方でイノベーションという概念に対するそもそもの誤解が蔓延している。
イノベーションは技術進歩ではない。
次々と市場化される新しい製品やサービスや技術。
こうした現象のほとんどは「進歩」であって、「イノベーション」ではない。
クレイトン M. クリステンセンが提唱した「破壊的イノベーション」という概念の最大の功績は、イノベーションの「古典的定義」に立ち戻りつつも、経営が置かれている今日的な文脈に注目してイノベーションの本質を再発見したことにある。
「新しい何か」という意味では共通しているものの、イノベーションと技術進歩は一面では正反対のベクトルであり、トレードオフの関係にあるとすらいえる。
筆者である一橋大学大学院教授の楠木建氏は、イノベーションと技術進歩の違いを理解したうえで、目の前にある日々の「技術進歩の競争」を安直に追いかけないことが重要だと指摘する。
腰を据えて本来の意味でのイノベーションを追求するのであれば、技術進歩に逃げてはいけない。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2013年6月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
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この作品のレビュー
平均 4.5 (2件のレビュー)
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イノベーションを起こしたい人、頑張らないで下さい!
イノベーションという言葉は、仕事をされている方なら、よく聞く言葉かと思います。
でもイノベーションの定義って、人によってばらつきがあったり、違う意味で使っているんじゃないかと思います。
そこを改め…て、企業の例も交えながら、読みやすい言葉でまとめられています。
また、イノベーションだけが勝ち方ではないということも、言っています。
頑張らずに、もっと気楽にいこ〜っと。と思いました。
個人的に楠木さんの本は、少し皮肉の混じったジョークもあり、すごく読みやすくて、すごく好きです。
続きを読む投稿日:2015.04.28
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イノベーションの本質の理解の手助けになる良書
本書は、ジョセフ・シュンペーター、ピーター・F・ドラッカー、クレイトン・クリステンセンらのイノベーションの議論を整理したものです。
イノベーションの本質の理解の手助けになる良書だと思います。
楠木…建氏は、イノベーションを考える時の重要なポイントは、「非連続的な変化」と「価値次元の転換」と指摘します。
『一九一一年の『経済発展の理論』においてジョゼフ・シュンペーターが示したオリジナルの議論に戻れば、イノベーションという現象を特徴づけるのは「非連続的な変化」である。これを受けて、ピーター・F・ドラッカーは「価値次元の転換」にイノベーションの非連続性の正体を求めた。この二つの条件が、イノベーションを考える時の重要なポイントになる。』
その上で、「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセンの議論を以下のように整理します。
『クリステンセンが提唱した「破壊的イノベーション」の概念は、非連続性と価値次元の転換に注目しているという意味で、言葉の正確な意味でのイノベーションである(これに対して「持続的イノベーション」はむしろ「技術進歩」であり、本来の定義からすれば、「イノベーション」ではない)』
では、企業がイノベーションを起こすにはどうすればよいのでしょうか?
クリステンセンは既存の組織とは別立ての組織を作る重要性を指摘しましたが、著者はイノベーションを起こすために企業ができることは「がんばるな」ということであり、具体的に「やってはいけないこと」を以下の4つ示しています。
1. 既存の顧客の声を聞かないこと
2. 技術進歩を追わないこと
3. 競合他社のベンチマークをしないこと
4. 意思決定にコンセンサスを求めないこと
これらは、一般に「経営」で語られる、顧客第一、たゆまぬ技術進歩、競合他社の分析等の重要なポイントとは真逆の指摘なのが興味深いです。
それは、企業組織と相容れない性質をイノベーションが持っているからです。
『組織や外的な機会ではなく、一個人の内発的な思いつきからイノベーションは始まる。組織が外部から圧力をかけると、イノベーションは卵と同じように破壊される。経営システムをうんぬんする前に、内発的なアイデアやイマジネーションを豊かに持つ個人を自由にさせることだ。』
イノベーションは個人の独創性が重要という意味で、芸術のようなものなのかもしれないと思います。
続きを読む投稿日:2015.05.02
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