マスコミが絶対に伝えない 「原発ゼロ」の真実(TAC出版)
三橋貴明(著)
/TAC出版
作品情報
【ウソだらけのマスコミを疑わない国民が、日本を壊す】国民よ、マスコミが作った空気に踊らされるな!3.11後の「脱原発」の裏を、三橋貴明が緊急取材&徹底解説!原発を非科学的に、知識なく批判するマスコミ、政治家が作った「世論」は正しいのか──三橋貴明が大いなる危機感を抱いて執筆した渾身の書!客観的なデータの検証と電力関連施設の丹念な取材から、「無知」と「誤解」だらけの電力問題を徹底解説します。3.11以降、「脱原発」「反原発」こそが「善」で「原発」は「悪」という“空気”がマスコミによって醸成されてしまった。脱原発で電気料金は上がり続け、再エネ賦課金の負担も国民にまわってくる!「自然エネルギーは原発の代替になり得るのか」「電力自由化で電気料金は値下がりするのか」「放射線の健康被害は果たしてどの程度のものなのか」・・・など、マスコミが絶対に伝えない電力問題の裏を、鋭くえぐった1冊です。
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商品情報
- 著者
- 三橋貴明
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- TAC出版
- 書籍発売日
- 2014.07.01
- Reader Store発売日
- 2014.07.18
- ファイルサイズ
- 10.9MB
- ページ数
- 316ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (7件のレビュー)
-
2011年3月に起きた東日本大震災が引き起こした問題の一つとして、福島原発が問題を起こしたことを契機に日本の原発運転が停止されたことがあります。
現在(2014.8)は何箇所か再開されていますが、依…然として発電を天然ガスを初めとする火力発電に頼っている状況は変わっていません。
世の中には原子力発電所=放射能汚染、のような構図があり危険とイメージされていますが、火力発電の場合も多くの危険があるのですが、それは同時に取り上げあられることは少ないと思います。
この本の著者である三橋氏は、原発ゼロが現実となったときの状況(真実)を詳しく解説しています。裏づけとなるデータや取材を通してこの本を書かれていて、彼が多くの時間を費やした貴重なレポートを読むことができて良かったです。
以下は気になったポイントです。
・東日本大震災は、道すらも存在しない有様であった。血元を知り尽くしている土建企業の人々が、瓦礫をかき分けて道を作ってくれた。それがなければ自衛隊でも早期の救援活動は不可能だった(p9)
・鹿しか通らない道路であっても「非常事態」の際には、バックアップルートとして「国民の命を守る」可能性がある。震災6日前に開通した、三陸縦貫自動車道は機能した(p25)
・日本で公害が問題になっていた時期の企業、バブル崩壊後の土建業者、311移行の電力会社が、怖いほどに酷似している。誰もが「空気」におびえている(p37)
・発電機とモータの発電技術の違いは、ほとんど「軸をいかなる手法で回すか」のみである(p46)
・今使っている電気は「今、発電されている」というのが真実である。日本各地にある発電所で発電された電気は、光の速さで送電線を走り、電気製品まで届けられる(p48)
・人口密度が高いほど電力の安定供給は難易度が上がる、東京圏が巨大化できたのは、電力供給が安定していたから(p51)
・電気の供給と需要が常に一致しなければ、周波数が乱れ、ユーザー側に開く悪影響がでる。系統全体のバランスが数パーセントずれると周波数が1ヘルツも変動してしまう(p55)
・豪雨の時には、ダムの下流も増水しているので水を流せないので、水力発電は豪雨のときは発電を停止する(p66)
・中東からのLNGは、26万立方メートルという巨大タンカーにLNGを満載して、3週間かけて日本に運搬、日本に到着したタンカーから2日間にかけて荷卸しし、ガス火力発電が3日で使い果たしてしまう(p68)
・電気料金の引き上げは、3ヶ月ごとに電気料金に反映させる「燃料費調整制度」があり、こちらは政府の認可なしで引き上げることが可能(p80)
・蓄電池とは電気エネルギーを化学エネルギーに変換し貯蔵するもの。有望と考えられているのは、ナトリウムと硫黄を用いた高温作動型二次電池(NAS電池)となる(p94)
・原発を再稼動せず、再生可能エネルギーによる「余剰電力の吸収」をNAS電池で賄った場合の必要コストは、110.6兆円である(p101)
・東京電灯の最初の発電所(日本初)は、1887年に日本橋に作られた、この年から送電サービスの提供開始した(p109)
・名古屋電灯と関西水力電気が合併し、関西電力が設立、さらに九州電灯鉄道が合併し、東邦電力が発足、さらには東京電力を設立した。これと反撃した東京電灯とついに合併し、新東京電灯会社となり、これが現在の東京電力の前身になる新会社が設立された(p111)
・日本の電力サービスの周波数が東西で異なるのは、明治期に各電気会社が民間主導で勃興したことと関連している。1896年に東京電灯がドイツから発電機を購入したのが周波数が50ヘルツ、大阪電灯はアメリカから60ヘルツの発電機を購入(p115)
・1939年に誕生した日本発送電株式会社は、発電と送電を日本国内で独占的に供給、配電は国家総動員法の下で9つの配電会社に統合された(p118)
・電力サービスの品質を維持、ユニバーサルサービスを提供する、電力会社が過剰な利益を得ない、を両立させるために考え出されたシステムが、総括原価方式である(p131)
・原子力発電はエネルギー効率が良い、100万kWの発電所を1年間運転するために必要な燃料は、石炭221万トン、石油146万トン、天然ガス93万トン、濃縮ウラン:21トン、ウラン235:0.63トンであり桁が違う(p135)
・電力自由化後に電力料金は主要国においてどこも上昇している、電力料金が下がったのはろくに自由化を進めていない日本のみ(p153)
・脱原発を語るには、1)代替エネルギー、再生エネルギーをどうするか、2)使用済み核燃料の処分、3)LNG輸入増加、電気料金が上昇する問題の解決、4)エネルギー安全保障に基づくエネルギーミックス、を提示する必要がある(p167)
・日本の電力供給の20%(2841万kWh)を運転開始後40年超の火力発電所が支えている(p180)
・日本のPWR型原発の主要メーカは三菱重工、BWRは東芝、日立、GE等なので、東芝が原子力発電所を建設する場合、蒸気発生器については他メーカに依存する。(p199)
・原子力発電所から発生する廃棄物(ガラス固化体)は、石炭火力から発生する廃棄物(石炭灰)の1/1000に過ぎない。ガラス固化体にする前なら、1/120-150(p201)
・プルトニウム溶液にある処理をすると、核兵器にも転用可能なプルトニウムが生成されるが、わが国はIAEAの規制下にあるので、それはできない。六ヶ所村に査察官が常駐して監視している(p205)
・米国の多くのシェールガス田は、ガス産出から3年後には初年度の75%以上減少することがわかった、焼畑農業型である(p205)
・アメリカのシェールガスビジネスにおいて、撤退・見直しをする大企業が増えてきている、日本企業も例外でない。大阪ガスは2013.12に、テキサス州で進めていたシェールガス・ガス田開発について不可能と判断。290億円の特別損失を計上した(p295)
2014年8月17日作成続きを読む投稿日:2014.08.17
エネルギー問題について今まで考えたことがなかったため改めて日本のエネルギー問題が危うい状況であるか考えさせられました。当たり前だと思っていた、電気という生活インフラがどのように作られ、自分たちのもとに…届けられるのか考えたこともありませんでした。この本を読み、いかに今のエネルギー供給問題が深刻化しているか。今年の冬は寒さが厳しく、需要が逼迫しているかニュースで見ましたが、安定的に電力が供給されなくなっているのだと他人事には出来ない問題で、国民一人一人が考えなければいけないと思いました。
また再生エネルギー促進賦課金等という謎の多い負担金が増えている背景にはレントシーカーたちのビジネスが公共性の高いサービスに入り込んできていることを知りました。しかも、この賦課金は年々増加していると調べて分かりました。そうやって国民の所得からしれっと盗んでいることにはもちろん、電力会社が設備投資を減らされている今の状況に憤りを感じます。他の公共性の高いサービスにもこういった国際金融資本のグローバリストの魔の手が拡大していると考えると、悔しくて悔しくてたまらないです。国民一人一人が賢くならなければいけないと思いました。続きを読む投稿日:2021.01.30
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